手持ちのシステムにiPod内の音楽をデジタル伝送できる「ND-S1」
オンキヨーから登場した「ND-S1」は、iPodからデジタル出力された音声信号をS/P DIF端子を介して出力できる「デジタルトランスポート」と呼ばれる製品だ。iPodに対応したデジタルトランスポートは他にも存在しているが、高価な製品が多く、手が出しにくかった。しかしND-S1の実売価格は1万円台半ばといったところで、気軽に購入できる製品となっている。
なお、今回はND-S1とセットで使えるコンポ「X-S1」(実売価格4万円前後)と一緒に使用してみた。X-S1はCDプレーヤーとFMチューナー、そして2chアンプをセットにしたCDレシーバーと、2本のスピーカーをセットにしたシステムとなっている。スピーカーは2cmバランスドーム方式のツィーターと、8cm A-OMFモノコックコーンを採用したウーファーで構成されており、ナチュラルで広がりのある音を聴かせてくれる。
ND-S1は、iPod内の音楽をデジタル伝送できるだけでなく、USBインターフェイスを使ってパソコンと接続すればUSBオーディオとしても利用することが可能。さらに接続したiPodとパソコン上のiTunesで同期も行なえる。単なるデジタルトランスポートとしても使えるが、パソコンとつなげればさらに使い方が広がるというわけだ。
インターフェイス類を見ていくと、本体上部に電源ボタンのほか、「iPod」と「PC」の2つのボタンが用意されている。iPodボタンを押せば、接続しているiPodの音楽が出力され、PCを押すとUSBオーディオデバイスとしてPCから出力された音声を出力する。
「SYNC/UNSYNC」ボタンはiPodとPCを接続して、iTunesと同期するためのボタン。ここでSyncにしない限り、パソコンからiPodは認識されないので、ND-S1をパソコンに接続したままiPodを差し込むと必ずiTunesが立ち上がるということはない。単に充電したいだけなのに、iPodをUSB端子経由で接続するとiTunesが必ず起動することに苛立ちを覚えたことがある人は少なくないはず。そういった意味でこのSYNC/UNSYNCボタンはユーザーの使い勝手に配慮した、非常に便利な仕組みだ。
背面には光デジタルと同軸デジタルの2つのS/P DIF出力端子が用意されているほか、USB端子、そしてコンポジットの映像出力端子が用意されている。映像出力端子をテレビに接続すれば、iPod内の動画をテレビで視聴することが可能だ。
意外と便利なのが、USBオーディオデバイスとしての利用だ。デスクトップパソコンではS/P DIF端子を搭載しているケースが多いが、ノートパソコンではアナログのヘッドフォン端子のみという製品が少なくない。そこでND-S1をUSBオーディオデバイスとして利用し、S/P DIF端子経由でアンプに接続すれば、ノートパソコンに保存された音楽ファイルを高音質で楽しめる。
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