9月8日、マイクロソフトは都内のホテルで「マイクロソフトパートナーコンファレンス2009」を開催した。ここでは、Windows 7やWindows Server 2008 R2、管理ツールの機能紹介のほか、パートナー向けにR2対応アプリケーションの紹介サイトやサイトへの登録の案内、さらにセキュリティ製品等を販売したパートナーに提供される報奨金のプログラムなどが紹介された。
パートナー向けの無料トレーニングが紹介されたのは、マイクロソフトの林憲一氏の「Windows Server 2008 R2が実現する次世代仮想化基盤」と題するセッションだ。このセッションでは、Windows Server 2008 R2がWindows Server 2008からのマイナーバージョンアップではなく、多くの機能が搭載されていることの紹介から始まった。
その中で紹介された機能の1つが、Windows Server 2008 R2の省電力化だ。ここでは、同じハードウェア構成のサーバにWindows Server 2003 R2とWindows Server 2008 R2をインストールし、電力メーターで消費電力を測定した。その結果、Windows Server 2003 R2では215Wだったものが、Windows Server 2008 R2では155Wだったという。その上で、同じハードウェアにレッドハットの最新Linuxディストリビューションを入れた場合、消費電力はWindows Server 2003 R2と同程度であったことが明かされた。機能やパフォーマンス、シェアなどで競争を続けるWindowsとLinuxだが、省電力の面ではWindowsが一歩進んでいることがアピールされた形だ。
新機能に関して林氏が力説したのが、Hyper-VやVirtual PCといった同社の仮想化技術で使われる仮想HDDファイルである「VHD(Virtual Hard Disk)」の扱いだ。Windows Server 2008 R2とWindows 7では、物理マシン上でVHDファイル内のOSを起動する「VHDブート」が可能になり、さらに同社のクラウドプラットフォーム「Azure Services Platform」でもVHDをサポートするという。また、Windowsをネットワーク経由で展開(インストール)する「Windows 展開サービス」もVHDに対応した。つまり、VHDファイルを作成したら、あるときは物理サーバ上で動かし、また別の時は仮想環境で利用し、さらにクラウドにアップロードして起動するといった使い方ができるわけだ。
マイクロソフトでは、これまでソフトウェアの体験版をCD/DVDイメージ(ISOイメージ)で配布してきたが、Windows Server 2008 R2ではVHDファイルでも配布を始めたという。ISOイメージの場合、利用するにはメディアへの書き込み作業や、物理/仮想を問わずサーバへのインストール作業が必要だ。ところがVHDファイルで配布されれば、ダウンロードするだけでそのまま起動が可能となる。新製品の検証や導入試験を行なうことの多いSIパートナーなどにとってもうれしい機能といえるだろう。
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