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第参回天下一カウボーイ大会レポート

まさにロデオ!IT乗りこなすエンジニアらのプレゼン大会

2009年08月31日 06時00分更新

文● 行正和義

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天下一カウボーイ大会の様子

 コンピューターを取り巻く状況が時々刻々と移り変わる激動のこの時代。技術力を武器に時代の荒波を乗り越えよう意気込むITエンジニアたちが集うのが、「天下一カウボーイ大会」だ。
 各界から著名なエンジニアの発表(「ロデオ」と呼ぶ)のほか、第参回となる今回は「Code is Love」と題して、180秒ジャスト(延長は一切なし)の短時間でプレゼンを行なう一般の部「180ロデオ」コーナーも新たに設けられた。“わずか3分間でプレゼンを完了する”というひとつのチャレンジになっていた。

 ――と、このように一日目(8月29日)夜のNHKニュースでは、「IT技術者の成果発表会」などと紹介されていたが、実のところそんな堅苦しいイベントではない。メインパーソナリティーを努める3人の座談会(関連記事)を読んでいる読者ならすでにお分かりのとおり、とにかくITの世界であればジャンルを問わず“俺はこんなものを作っている/作った”という発表というか腕自慢大会の場だ。


自慢の腕を見せつけろ!
ITを一番乗りこなせるのはオレ様だ

なかなか盛況な会場風景
入場料も決して安くはない有料イベントながら、なかなか盛況な会場風景
レッドブルが飲み放題
協賛のおかげで会場ではレッドブルが飲み放題。プレゼンターの熱気とも相まって、かなりテンションが上がりそうだ

 プレゼンターにしても、西川 徹氏(プリファードインフラストラクチャー 代表取締役社長)の「検索エンジンの技術」では、その高速化の手法や検索アルゴリズムだけでなく、ハードウェアの進歩(SSDの導入)によって検索エンジンのつくり自体を見直すことになる……といったものから、神谷栄治氏(アイビス 代表取締役社長)の「自律移動ロボットの開発」では、単に一個人の趣味として始めて現在も開発途中(「つくばチャレンジ」に参加したが、まだ完走できていない)まで、仕事も趣味も関係なくハードウェア・ソフトウェアを創り上げることを愛する“Code is Love”な内容ばかり。


Palmの有名人、あの山田氏が“やってきたこと”!?

Palmの日本語化環境で“やってたこと” 山田達司氏
Palmの日本語環境でこの人ありの山田氏のプレゼンテーション。なにはともあれPalmの日本語化環境で“やってたこと”を語るだけでも聞き応えは十分だ

 特に印象に残ったのは山田達司氏(NTTデータ COEシステム本部、というよりもPalm/PDA関連で知らぬ人はいない“あのひと”)のプレゼンテーションだ。主テーマの「働き方を変えよう-Palmからワークグループまで」では、同氏が最近社内で進めているIT業界のワークスタイルの改善およびその支援ツール(フリーアドレスオフィスにおける円滑なコミュニケーションの実現)を紹介。
 そして、「それ以前にどのようなものを創ってきたか」として、PalmのSDKでも公開されていない命令の発見から日本語化、アプリケーションのローカライズ(日本語化)、接続可能なキーボードの発見と、デバイスドライバーやDA(Desk Accesory、Palm用ソフトウェア)の作成と普及などの歴史を語るなど、まさに“コンピューター・カウボーイ”の体現者と言えよう。

長尾 確氏の“会議記録システム” Wiiリモコンで議事を進め、議事録も取れる
今回の180ロデオの選評も担当している長尾 確氏(名古屋大学)の“会議記録システム”。このプレゼンでも使っているが、Wiiリモコンをポインティングデバイスに利用しており、会議に参加したメンバー全員が保有する。カメラで動画を撮りつつ進める会議では発言者がWiiリモコンをかざし、書記の議事録(ここは手入力)には誰がいつ、どのような発言をしたのかを記録でき、いつでも参照できるという、かなり利便性の高いシステムになっている

学生たちの180ロデオも侮れず!

肉体改造ソリューションMusculus
180ロデオ部門「肉体改造ソリューションMusculus(マスカラス)」。ダンベルに付けたセンサーでトレーニング状況をTwitterで実況。さらにはトレーニングで忙しいときでも、その旨を伝えればTwitterのフォロワーが(同様にダンベルを振って)TVチャンネルを変えたりエアコンを点けてくれる! トレーニングのモチベーション維持とかそんな話はともかく、Twitterで家電コントロールしあうというのは新しいコミュニケーション形態かもしれない(そこに何か意味を見いだせたら……の話だが)

 180ロデオの発表者は学生が中心なのだが、さすがに応募してくる連中も一癖も二癖もある強者ばかり。青木貴司氏(東京大学)は複数の平面写真を組み合わせて3D空間映像を生成する「バーチャルタイムマシン」、武田泰弘氏(中央大学)のダンベルにセンサーを取り付けてトレーニングをTwitterで実況(「マスカラス/お前」という単位を採用)――などなど。
 比較的まじめなものからネタに走ったものまで、なんでもあり状態。さすがに180秒はきついのかプレゼン自体はやや掛け足で、それでも時間切れになるものが多かった。もう少しじっくり聞きたいものもあるほど、盛り上がっていた。

近藤 誠氏の「iPhone Hack!」
近藤 誠氏(ユビキタスエンターテインメント)の「iPhone Hack!」。iPhone 3GSでのリアルタイム音声合成エンジンを作ってみた。そこそこ聞ける声で喋ってくれるのだがついでに作った“とりあえず歌わせてみた”では、「まだまだミクにはほど遠い」という印象だった

 ちなみに冒頭の古川 享氏による基調講演でも、「若手プログラマーたちを応援する」という熱いメッセージが込められていたが、古川氏をはじめとしていまだ現役で活躍している先達らのカウボーイっぷりを見せられただけに、次の世代への期待が否応なく盛り上がる2日間だった。

お詫びと訂正:掲載当初、古川 享氏のお名前を誤って古川 亨氏と記載しておりました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2011年6月29日)

古川氏の基調講演 遠藤 諭氏
各プレゼンテーションに先立って行なわれた古川氏の基調講演。ケータイから電子出版まで、最近のIT業界の流れから注目点をばっさばっさと挙げつつ、聞きに来ている若者たちに「(オレらは)おまえらの踏み台になる気持ちはあるから、やる気を見せてみろ」と激を飛ばした180ロデオなどに関して総評する遠藤 諭氏(アスキー総合研究所)。評価云々よりも“どこをおもしろがればいいのか”のほうが重要だ

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