なぜ、あのネットショップは今日も繁盛しているのか? なぜ、自分のショップでは商品が売れないのか?
他にはない強い商品開発力、他店を引き離す圧倒的な集客手法、一度捕まえたお客を逃がさない囲い込み術……と、成功したネットショップには現場で蓄積されたノウハウがある。本連載では、全国の優れたネットショップの事例からそのノウハウを公開。あなたのショップの“勝ちパターン”を見つけるヒントにしよう。⇒連載インデックス
■今回の成功ネットショップ:
益子焼販売『和食器販売~樂raku~』
2004年、益子焼の食器販売のネットショップを開店。当初は栃木県芳賀郡益子町で開催される陶器市で商品を仕入れたり、益子焼を制作する作家と直接提携して販売していたが、2005年10月より益子焼大手専門店「やまに大塚」1社と提携。ドロップシッピング形態のネットショップに切り替える。月商非公開。
- URL:http://rakuraku.noblog.net/
- 店主:関口むつみさん
ターゲットの主婦層に受け入れられた“リアル・マーケティング”
「商売ですから、目立ってなんぼ、売れてなんぼ。お店や商品をアピールできる機会は、積極的に活用するべきだと思っています」と話す、益子焼の食器販売の『和食器販売~樂raku~』の関口むつみさん。その方法のひとつが、知り合ったアフィリエイターとの“横のつながり”を作ること。
「私の場合、主婦仲間の一人がスーパーアフィリエイターで、その友人から他のアフィリエイターを紹介してもらって知り合いが増えた経緯もあるのですが、彼女たちとは何度もメールをやりとりするうちに関係が深まりました。アフィリエイトをやるうえでは、長い時間をかけて一人ひとりと仲良くなることが大切だと思います」
主婦のアフィリエイターと良好な関係を築き、支持してもらうことで、アフィリエイター自らが商品を宣伝してくれることもあるといいます。地道な努力の積み重ねなしには、ターゲットである主婦層にダイレクトにアプローチしてもらうことはできない――というわけです。
ネットだけに頼らない! リアルな場も積極活用
関口さんは、ネットショップとは別に、『一姫二太郎、三も太郎。』というブログも立ち上げて不定期で日記を更新しています。これは、ネットショップへ誘導する目的もありますが、それよりも、一人でも多くのファンを増やしたいという思いがあります。
「益子に行った話などショップに関する話も書きますが、基本的には3人の子育てに追われる日常生活について書くことが多いんです。たとえば私は最近、デジタル一眼レフカメラを購入しデジカメで撮った子供の写真を載せることも多いのですが、そうすると同じ趣味を持つお母さんからアクセスがある。それを機に盛り上がり、デジカメ同好会を立ち上げるなんてこともあるんです」
関口さんの強みはココにあります。主婦が集まるオフ会に参加するなど、ネットだけに頼らず、リアルな場もフル活用しながら、ショップを積極的にアピールしているのです。
「もちろんカメラ同好会に出席して、いきなり自分のネットショップを宣伝するほど図々しいわけではありません(笑)。でも話の流れでショップの話が出てくることもありますし、後日、お店にアクセスしてもらえることもあります。こうして自然に横のつながりができる感じです」
ネットのみで販促活動をするよりも直接会って交流を図る方が、はるかに相手の印象に残るのは明白です。「益子焼のお店をやっている関口さん」と覚えてもらえれば、新しい器を買おうと思ったとき、お店をのぞいてもらえる確率は高まります。商品が気に入ったら、友達の主婦にお勧めしてくれる可能性も十分に考えられます。まさに、クチコミ・マーケティングを実践しているというわけです。