OmniAccess 3500 NLGでなにができるのか?
OmniAccess 3500 NLGでは、具体的に以下のようなセキュリティ機能を提供する。
盗難・紛失対策
リモート"Kill"機能により、管理者が遠隔からPCのロックをかけられるので、不正操作を防止できる。ワンタイムパスワードを入力するか、センターから解除してもらう必要がある。
ユーザー認証
カード自体をノートPC利用のイグニションキーとして利用し、認証を行なう。カードがないとユーザーの操作が不可となる。
データ保護
仮想ボリュームを生成し、データを暗号化する。暗号化鍵はカードに実装しているため、遠隔から盗難時に無効化したり、削除できる。
VPN利用
3G、無線LAN、有線LANなどを経由して、NLGゲートウェイと自動的にIPsec VPN接続を実行。
不正操作・不正アクセス防止
アプリケーション利用の制御とパケットフィルタリングにより、不正アクセスを防御する。
PCの位置特定
内蔵のGPSを用いて、PCの位置を特定できる。
パッチ適用
パッチをサーバ側からプッシュ配信できるほか、ユーザー側から見えない形の自動インストールも可能になっている。ソフトウェアやパッチの格納は、カードに用意されたスロットに差し込んだmicroSDを使える。
また、他のアプリケーションと連携できるAPIも公開されているという。NLGゲートウェイはActive Directoryなどとも連携可能。
同社の予備調査によると、「84%のユーザーがOmniAccess NLGに高い期待を持っており、50%は使うためならプロバイダの契約を変えてもよいという結果が出ている」(大麻氏)ということで、多くのユーザーが興味を持っているようだ。昨今、携帯電話のリモートロックは法人向け製品ではかなり増えてきたが、データ通信カードとソフトウェアが連携して、セキュリティを提供するというのは珍しい。現在はPCカード型の端末のみだが、USB接続のモデルも登場する予定となっている。
OmniAccess NLGは、もともと同社のベル研究所内のベンチャー組織で開発され、米国ではスプリントがセキュリティサービスとして提供していたという。そして、今回3.5G対応の製品が登場したことで、日本上陸となったという経緯だ。日本ではIIJによる取り扱いが決定しており、価格等も近日IIJ側から発表されるという。