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Acer Aspire easyStoreを試してみた

日本初のWindows Home Server専用機の実力は

2009年03月14日 11時00分更新

文● 山本雅史

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動作音は静かでリビングにも置ける

 easyStoreを実際に動かしてみた。電源オン直後にはファンの音が少し気になるが、すぐにファンの回転数も落ち、ほとんど動作音はしなくなる。これならリビングに置いても、耳障りにならない。

本体左側面

本体左側面。メッシュの内側に大直径のファンが見える。ファンはこれだけ

本体右側面

本体右側面。通風口が下部よりにあるだけ

 接続するケーブル類はLANケーブルと電源ケーブルだけでいいので、本体の周囲がごちゃごちゃすることもない。これなら、リビングのテレビスタンドの周りでも邪魔にならない。

 WHSはLANでつながったクライアントPCに「コネクタソフトウェア」をインストールして、そこからリモートで管理するのが基本だ。easyStoreではさらに、エイサーが独自のWHS管理用ソフトを用意しており、クライアントPCからeasyStore側のBIOSやOSをアップデートできる。

 セットアップ自体は簡単で、クライアントPC側でeasyStore付属のCD-ROMのセットアッププログラムを実行すれば、自動的にLAN上にあるeasyStoreを検出して、必要なソフトをeasyStoreとクライアントPCにインストールしてくれる。初期設定には30分ほどかかった。

クライアントPC側に必要なソフトが一式入っている

付属CD-ROMには、クライアントPC側に必要なソフトが一式入っていて、まとめてインストールできる

WHSのセットアップは30分以上かかった

WHSのセットアップはOS自体のアップデートもあるので、30分以上かかった

 WHSでは、コネクタソフトウェアを通じて、クライアントPCとWHSへの接続やバックアップなどの機能を実現している。WHSを利用するパソコンには、コネクタソフトウェアが必須となる。コネクタソフトウェアは付属CDにも入っているが、WHSの初期設定が済んでいれば、LAN上にあるWHSからもインストールできる。

コネクタソフトウェアでeasyStoreにアクセス

コネクタソフトウェアでeasyStoreにアクセス。クライアントPCにアンチウイルスソフトがインストールされていないため、「ホームネットワークの正常性」にアラートが表示されている。このように、個々のクライアントPCの管理状態もWHS側で把握できる


easyStore独自の機能

 easyStoreには、独自のソフトも付属している。まず重要なのがアンチウイルスソフト。easyStoreには米マカフィーのWHS用セキュリティーソフト「McAfee Total Protection」の試用版がインストールされている。試用期間は6ヵ月だ。

McAfee Total Protection

付属のWHS用セキュリティーソフト「McAfee Total Protection」

 ただしソフトは英語版なので、継続して使用するには、米マカフィーのウェブサイトからサブスクリプションを購入しなくてはならない。日本のコンシューマー相手に本気で売るのなら、これは日本語版を用意すべきだろう(それができないから代替手段としての英語版なのだろうが、ユーザーからすれば言い訳にすぎない)。

 また、「DLNAガイドライン 1.5」互換のメディアサーバーソフトもインストールされている。これを使うと、WHSに保存されているビデオや音楽、写真などを、DLNA対応テレビやプレーヤーに送信して再生できる。また、iTunesのサーバー機能も搭載されている。

DLNAサーバーの設定画面

DLNAサーバーの設定画面。機能のオン/オフと写真やビデオの並べ順の設定ぐらいしかない

iTunesサーバーの設定画面

iTunesサーバーの設定画面。データの更新頻度やパスワード設定などだけで、こちらも最低限

 ところが、実際にバッファローのDLNA対応ネットワークメディアプレーヤー「LinkTheater」を接続してみたところ、プレーヤー側からeasyStoreを認識できなかった。残念ながら本稿執筆時点では、原因を究明できていない。DLNA対応機器ではよくあることでeasyStoreに限った話ではないのだが、こういうことが珍しくはないのが、“DLNA対応”という言葉に幻滅させられる原因のひとつだ。

 easyStoreの電源管理用ソフト「LightsOut」は、サーバー側の高度な電源管理を実現する。これをクライアントPCにインストールしておくと、easyStore側でクライアントPCを監視して、すべてのクライアントPCがスリープや電源オフ状態になったら、easyStoreもスリープに入るよう設定できる。クライアントPCを起動すれば、同時にeasyStoreも復帰する。無駄な電力消費を減らせるわけだ。曜日別に、easyStoreを動作させる時間を設定する機能もある。

「LightsOut」の設定画面

「LightsOut」の設定画面。動作中のクライアントPCがなければ何分後にサスペンドするといった、細かい電源管理が可能

 クライアントPCのバックアップ時だけWHSを起動させることもできるので、誰も使っていない夜中に自動で起動させてバックアップ、なんてことも可能だ。ただし、バックアップするクライアントPC側は電源をオフにせず、休止状態にしておく必要がある。

 easyStore自体のデータをバックアップするのも簡単だ。前面のUSB端子にUSB HDDを接続して、USB端子上のボタン(USB BACKUPと書かれた部分)を押すだけで、簡単にバックアップできる。クライアントPC側から何かソフトを操作する必要はない。

そのほかの管理画面

そのほかの管理画面。システム管理では、CPUのパフォーマンスやメモリー使用量、ケース内部の温度などを表示する。本体のLEDの明るさも変えられる

ハードウェアの状態とパフォーマンスモニター

ハードウェアの状態とパフォーマンスモニターでは、しきい値を超えると設定した電子メールアドレスにステータス情報をメールで送信する機能がある


ホームサーバーとしては充実。初心者への敷居をもっと低く

 easyStoreはWHSの機能をうまく使い、家庭で使いやすいホームサーバーを実現している。箱から出して、電源とLANケーブルさえつなげば動き出すのは、パソコンの知識に詳しくないユーザーにはありがたい。

 しかし残念なのは、マニュアルなどが初心者ユーザーには分かりにくいことだ。日本語マニュアルは用意されているが、簡単な機能紹介だけで、「初心者でもこれを参考にすればWHSとクライアントPCを活用できる」というレベルではない。アンチウイルスソフトに関しても、試用期間が過ぎた後はどうすればいいのか、どこにも情報がない。せっかくハードや付属アプリケーションは優れているのだから、このあたりも改良してほしいところだ。

Windows7βでは、easyStoreはネットワークストレージ、メディアサーバー、パソコンとして認識された

Windows7βでは、easyStoreはネットワークストレージ、メディアサーバー、パソコンとして認識された

WMP12はDLNAに対応。easyStoreをDLNAサーバーとして、サーバー内のビデオや音楽を再生

Windows 7に付属するWindows Media Player 12はDLNAに対応。easyStoreをDLNAサーバーとして、サーバー内のビデオや音楽を再生できる

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