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“時かけ”“大神”などが大賞に――“[第10回]文化庁メディア芸術祭”受賞作品発表会レポート

2006年12月15日 21時26分更新

文● 千葉英寿

東京・京橋の(財)画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)で15日、文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)が主催する“平成18年度[第10回]文化庁メディア芸術祭”の受賞作品をプレス関係者向けにお披露目する試写会を開催した。同芸術祭は今年で10回目の節目を迎え、受賞作品24作品と推薦作品141作品の合計165作品が発表され、アート部門とアニメーション部門の大賞受賞者を交えての論評も報告された。

今回発表された受賞作品は以下の通り(敬称略)。

●アート部門

大賞

“イマジナリー・ナンバーズ2006”(インスタレーション)
木本圭子(日本)
“イマジナリー・ナンバーズ2006”“イマジナリー・ナンバーズ2006”(インスタレーション) 木本圭子(日本) (C)Keiko Kimoto

優秀賞

“×マン vibration”(メディアアート)
岡本高幸(日本)
“OLE Coordinate System”(インタラクティブアート)
藤木 淳(日本)
“front”(インスタレーション)
ヨハンナ・ライヒ(Johanna Reic)(ディレクター)(ドイツ)
“MediaFlies”(インスタレーション)
ダニエル・ビシグ(Daniel Bisig)/畝見達夫(スイス)
“×マン vibration” “OLE Coordinate System”
“×マン vibration”(メディアアート) 岡本高幸(日本) (C)岡本高幸“OLE Coordinate System”(インタラクティブアート) 藤木 淳(日本) (C)Jun Fujiki
“front” “MediaFlies”
“front”(インスタレーション) ヨハンナ・ライヒ(Johanna Reic)(ディレクター)(ドイツ) (C)johannareic“MediaFlies”(インスタレーション) ダニエル・ビシグ(Daniel Bisig)/畝見達夫(スイス) (C)Daniel Bisig

奨励賞

“Sagrada Familia計画”(静止画)
林 俊作(日本)
“Sagrada Familia計画”
“Sagrada Familia計画”(静止画) 林 俊作(日本) (C)林俊作


●エンターテインメント部門

大賞

“大神”(ゲーム)
神谷英樹(日本)
“大神”
“大神”(ゲーム) 神谷英樹(日本) (C)CloverStudio Co., Ltd. 2006 All Rights Reserved. DISTRIBUTED BY CAPCOM CO., LTD.

優秀賞

“リズム天国”(ゲーム)
“リズム天国”開発チーム代表 大澤和義(日本)
“しゃべる! DSお料理ナビ”(その他[ソフト])
“しゃべる! DSお料理ナビ”開発チーム代表 土山芳紀(日本)
“CORNELIUS“Fit Song””(映像[VFX、CM])
辻川幸一郎(日本)
“日本再発見マップ”(ウェブ)
“日本再発見マップ”制作チーム代表 入道隆行(日本)
“×マン vibration” “しゃべる! DSお料理ナビ”
“リズム天国”(ゲーム) “リズム天国”開発チーム代表 大澤和義(日本) (C)2006 Nintendo/J.P.ROOM“しゃべる! DSお料理ナビ”(その他[ソフト]) “しゃべる! DSお料理ナビ”開発チーム代表 土山芳紀(日本) (C)2006 Nintendo
“CORNELIUS“Fit Song”” “日本再発見マップ”
“CORNELIUS“Fit Song””(映像[VFX、CM]) 辻川幸一郎(日本) (C)(株)ワーナーミュージック・ジャパン/スリー・ディー(株)“日本再発見マップ”(ウェブ) “日本再発見マップ”制作チーム代表 入道隆行(日本) (C)科学技術振興機構

奨励賞

“雨刀”(遊具)
勝本雄一朗(日本)
“雨刀”“雨刀”(遊具) 勝本雄一朗(日本) (C)Yuichiro Katsumoto, imgl/Keio Media Design


●アニメーション部門

大賞

“時をかける少女”(長編[劇場公開])
細田 守(日本)
“時をかける少女”
“時をかける少女”(長編[劇場公開]) 細田 守(日本) (C)「時をかける少女」製作委員会 2006

優秀賞

“おはなしの花”(短編)
久保亜美香/井上精太(日本)
“スキマの国のポルタ”(短編)
荒井良二(原作)/和田敏克(アニメーション)(日本)
“春のめざめ”(短編)
アレクサンドル・ペトロフ(Aleksandr Petrov)(ロシア)
“ピカピカ”(短編)
モンノカヅエ+ナガタタケシ(日本)
“おはなしの花” “スキマの国のポルタ”
“おはなしの花”(短編) 久保亜美香/井上精太(日本) (C)AmicaKubo/SeitaInoue 2006“スキマの国のポルタ”(短編) 荒井良二(原作)/和田敏克(アニメーション)(日本) (C)Arai Ryoji/NHK, Aniplex Inc.
“春のめざめ” “ピカピカ”
“春のめざめ”(短編) アレクサンドル・ペトロフ(Aleksandr Petrov)(ロシア) (C)2006 Channel ONE Russia・DENTSU TEC“ピカピカ”(短編) モンノカヅエ+ナガタタケシ(日本) (C)トーチカ

奨励賞

“La grua y la jirafa (The crane and the giraffe)”(短編)
ヴラディミール・ベッリーニ(Vladimir Bellini)(アルゼンチン)
“La grua y la jirafa (The crane and the giraffe)”
“La grua y la jirafa (The crane and the giraffe)”(短編) ヴラディミール・ベッリーニ(Vladimir Bellini)(アルゼンチン) (C)Vladimiro Ezequiel Bellini


●マンガ部門

大賞

“太陽の黙示録”(ストーリーマンガ)
かわぐちかいじ(日本)
“太陽の黙示録”
“太陽の黙示録”(ストーリーマンガ) かわぐちかいじ(日本) (C)かわぐちかいじ/小学館

優秀賞

“大奥”(ストーリーマンガ)
よしながふみ(日本)
“大阪ハムレット”(ストーリーマンガ)
森下裕美(日本)
“百鬼夜行抄”(ストーリーマンガ)
今 市子(日本)
“よつばと!”
あずまきよひこ(日本)
“大奥” “大阪ハムレット”
“大奥”(ストーリーマンガ) よしながふみ(日本) (C)よしながふみ / 白泉社“大阪ハムレット”(ストーリーマンガ) 森下裕美(日本) (C)森下裕美 / 双葉社
“百鬼夜行抄” “よつばと!”
“百鬼夜行抄”(ストーリーマンガ) 今 市子(日本) (C)今市子 / 朝日ソノラマ“よつばと!”(ストーリーマンガ) あずまきよひこ(日本) (C)あずまきよひこ/よつばスタジオ

奨励賞

“SHI RI TO RI”(自主制作)
筑濱カズコ(構成:筑濱健一/作画:筑濱和子)(日本)
“SHI RI TO RI”“SHI RI TO RI”(自主制作) 筑濱カズコ(構成:筑濱健一/作画:筑濱和子)(日本) (C)Kazuko Chikuhama


●功労賞

大工原章(作画監督)
阿部事務局長
阿部事務局長

冒頭、文化庁メディア芸術祭事務局の事務局長である阿部芳久氏はメディア芸術祭の10年を振り返り、「例えば、アニメにはさまざまなジャンルがありますが、メディア芸術祭はそうした細かな区分けをせずに行なっています。(ブログやウェブページを使って)個人で発表したりネットマンガにアニメとの境がなくなったように、コンテンツのボーダレス化が進んでおり、そういう点でメディア芸術祭は時代にあっていたと思います」と語った。

さらに今年度の傾向について、「アート/エンターテインメント/アニメーション/マンガの4部門に対して、世界36の国と地域から過去最多となる1808作品(うち海外325作品)の応募があった。応募作品の内訳としては、アート760作品、エンターテインメント361作品、アニメ377作品、マンガ310作品となっており、アート以外は若干応募数が増している。質、量ともに日本を代表するメディア芸術祭に成長してきたのではないか」と分析した。



浜野委員
浜野委員

続いて、運営委員で東京大学大学院教授の浜野保樹氏が「委員長ではないが」と前置きをして、総評を行なった。「賞の公平性は大事で、審査委員には優れた先生ばかりにお願いしているが、3年ごとに(審査委員を)変えています。いろいろな賞が存在しますが、文化庁メディア芸術祭では、ヒットした賞ではなく、作品本意を重視しており、海外で賞を取ったからといったことには一切無縁で審査しています。応募作品はいろいろなジャンルに専門化しており、評価はしにくいが(あえて)“大きいくくり”を常に維持しています。とにかくジャンルが広いので、常に審査は紛糾しています」と、審査の難しさをにじませた。

応募作家の傾向については、「例えば、アート部門の優秀賞を受賞した藤木さんは学生時代から応募してきた方で、優秀賞を取るところまで成長してきた。10年やってきて、育成もできていると思います。アニメ部門の大賞に輝いた細田監督は、『文化庁メディア芸術祭の大賞を取りたい』と奮起していたと聞いており、(文化庁メディア芸術祭を)目標にしてくださる方も出てきました」と10年の成果を誇らしげに語った。

さらに受賞作品の傾向について、「これまでアート部門では海外作品が選ばれる傾向にありましたが、今年は日本の作品が成熟してきて多く選ばれました。エンターテインメント部門は、PS3(プレイステーション3)などが出て、成熟した技術の作品が出てきたと思います。“大神”については、本作を制作したのちに制作チームが解散になったのは残念。アニメ部門は作品としてはばらけたと思います。マンガはかわぐちさんが審査委員の総意でしたたが、ほかは難航しました。この部門の海外作品はまだまだ日本の作品が優秀で難しいところです。なお、ディスプレーで見るマンガ作品については今回は見送ることになりました」とした。

最後に「10年が経過して、成熟し安定した時代になりました。以前は見るのが苦しい作品もありましたが、いまでは優秀作品が多くて甲乙つけがたいものがあって難航するまでになりました」とまとめた。



次に文化庁芸術文化調査官の野口玲一氏が、各受賞作品の映像を見ながら作品の解説を行なった。



【アート部門】大賞“イマジナリー・ナンバーズ2006”について

「数式によって非線形的構造をコンピューター・プログラミングによって表現した高精細な映像作品。自然現象を思わせるような、見ていて飽きない優雅な作品です」

大本氏
木本圭子氏

作品の紹介とともに受賞者の木本圭子氏が紹介され、作者本人による技術的な補足がなされた。「これまでも美術制作には幾何学的なものが使われてきました。そういう意味で(数式を用いるのは)絵具や粘土を使うのとかわりません。特殊なものと思われがちですが、数式も自分で扱える範囲のものを使っています。こうした微妙な移り変わりの表現は、(四季を経験する)日本人は知っているが、海外の方の反応が面白いです。これまでは道具がなかったので追求できませんでしたが、これから面白くなっていくと思います」「受賞コメントとしてですが、JST(科学技術振興機構)にアーチストとして参加しているのですが、こうしたアート表現に対しては、サイエンス側の方が理解があるように感じていました。今回アート表現として認知され、それも大賞だったのが本当によかった。これからは特殊な能力や特殊なジャンルが、表現のメインストリートして認知されればと思います。心からありがとうございました」と喜びを率直に表現した。

【エンターテインメント部門】大賞“大神”について

「白い狼の姿をした“アマテラス”が、自然を取り戻すために妖怪たちと闘うという、日本の神話的世界を題材にとったアドベンチャー仕立てのゲーム作品。高画質で、“筆調べ”(筆で画面に線や円などを書くことで、それに対応したことが起きる)というシステムを使っています。海外では評価の高い作品なので、制作チームが解散になったのは残念」

【アニメーション部門】大賞“時をかける少女”について

「筒井康隆氏の同名のSF小説をアニメーション化した作品。大林宣彦監督による同名の実写作品をはじめ、さまざまな前作がありますが、本作はテイストの異なる青春映画となっています。10代の弾ける青春のキラメキをアニメーションで描き出した作品」

細田監督
細田 守監督

アート部門と同様、こちらも作品の紹介とともに受賞者の細田 守監督が紹介された。細田氏は「浜野先生が『大賞を取る』と言っていたとおっしゃられましたが、それはあくまで意気込みで、映像を一本作るには非常に高いところに目標を置かないと作れないので、気合いの現れで言ったまでです(笑)。これまでの前作を見た人のことも考えていませんでした。とても有名な作品ですが、今の10代のコたちを念頭において、彼らがどういう未来を抱いて、成長しているのかだけを考え、中・高校生に対して応援ができればな、と思って制作しました。小規模の公開でしたが想像以上に多く人に見ていただけたのがよかったです」と述べ、受賞したことと同時に興行面での成功ぶりを素直に喜んだ。

【マンガ部門】大賞“太陽の黙示録”について

「2002年に未曾有の天災が発生。その15年後の極限状態の中での人々をひとりの少年を通して描いたスケールの大きな作品」


なお、これら受賞作品は2007年2月24日から、東京・恵比寿の東京都写真美術館で公開される。詳細は以下の通り。

[第10回]文化庁メディア芸術祭 開催概要

会期
平成19年(2007年)2月24日(土)~3月4日(日)
会場
東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)
入場料
無料
URL
http://plaza.bunka.go.jp/
主催
文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・CG-ARTS協会)

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