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【アキバ・キーマンインタビュー No.7】アキバ最強バカTシャツで知られる、カミカゼスタイルの店長兼デザイナー登場!

2006年12月11日 23時32分更新

文● 大森徹哉

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「萌えるゴミ」が大ヒット

萌えるゴミ

――今、どれくらいの種類があるんですか?
【姫川】 今まで作ったのを全部あわせると80種類ぐらいです。受けないやつは捨ててますけどね。今、店頭においてあるだけで30~40種類はありますね。まぁ、わりとコストをかけない。「コストかけない」って言い方はおかしいけど、元版を自分で作っているんですよ、もとのシルクのやつを。そうすれば冒険ができるじゃないですか。このネタで100枚作ると、「このネタで滑ったら100枚駄目だろなー」って。でも自分で作れば、「じゃあ、3枚作ろう」と。小ロットでやってるんですよ。それで当たりが良いのが残って。3枚で終わったものもあるんですよ(笑)。買ってくれるお客さんの表情とか雰囲気で「これはいける」と。「これくらい反応が良かったら他のお客さんも受けるやつがあるはずだ」と。あとは勘で作ってますね。あんまり無駄にしたくないじゃないですか。

――シリーズ的にはギャグのもの以外にどういうものがあるんですか?
【姫川】 ギャグ系とイラスト系と。あと、ミリタリー系もあるんですけど。あとはウェブページにあります。最初はあんまり僕自身も、右翼的なものを作ろうとは思ってなくて。「これを作れ」って言われて。それで作ってるうちに、「日本軍ものを作るからにはこんな感じでいこうかな」と。

――今まですごく売れたのっては何枚くらいですか?
【姫川】 1デザインで何千枚っていうのがありますよ、3000~4000枚とか。あ、これが作ろうと思ったやつ(写真左上)、これがヒットしたからいけると思ったんですよ。もしかしたら万作ったかも知れない。でも、着てる人は少ない。なぜだろう(笑)。たぶん、家に置いてるんだと思うんですけどね。

――これは姫川さんのアイディアなんですか?
【姫川】 そうなんですよ。「燃えないゴミ……。ああ、萌えるゴミ」って。これは2年くらい前のネタなんですよね。今はもう、“萌え”って使い古されてて、あんまりピンとこないじゃないですか。でも、当時は萌えが気持ちよかったんですよ。「萌え、萌え」って口にすることが。だから、今は“萌える”とかいう言葉はひと言も使わないですね。今、萌えとか書いたら反感買いますからね。



なぜか僕、すごくオタク庇護な発言をよくしちゃうんです

バカT

――美少女キャラとかはよく見るんですか?
【姫川】 よく見てますよ。それに、今の映像文化で一番かっこいいのってやっぱりアニメじゃないですか。結局、タランティーノだってアニメに負けてるから、アニメっぽい映像にして「最新の映画ですよ」とか。ジャパニーズアニメのカットのコマの切り方と同じなんですよ。そこら辺で欧米の映画人とかも負けちゃってるんですよね。だから、オタクの世界が一番そういう最新のモードなんですよ。映像とかだったら絶対、日本のジャパンアニメーションがいちばん鋭くて、そういうことにいちばん敏感なのが、オタクと言われる人たちなんですよね。鋭い感覚でアニメを追求する、エロゲーとかを追求する。ただ、その対象がちょっとキモイと言われるだけで(笑)。

――その中心になるのがアキバですかね?
【姫川】 アキバってわりと僕はイリュージョン、幻想的、抽象的な場所であると思うんですよ。物理的にどうのこうのって意味じゃなくて。みんながイメージするアキバなんですよね。地方の人とかがすごくイメージして、実際に来て見たら普通の町ですよ。昔からある、江戸時代からある町ですよ(笑)。だから逆に、メイドさんとかを囲んで、写真を撮りまくって、「萌え~」とか叫んでいる、そういう一般の人のほうが鬱陶しいですよね。

――むしろ、オタクの人のほうが健全なくらい?
【姫川】 なぜか僕、すごくオタク庇護な発言をよくしちゃうんですけど、オタクの人がすごいって思うのは、消費メカニズムとかが全く違うんですよね。例えば、一般の人っていうのは、温泉には行きたいわ、服が欲しいわ、居酒屋でちょっと一杯飲みたいわ、デートもするわ、映画を観たいわって、ようするにちょっとしかお金を使わないんですよ、全てのものに。だから安くなってるんですよね。結局、下北に行きましょうって言っても、みんな喫茶店でお茶飲んで帰るだけという感覚じゃないですか。これがまた、今アキバにマッチしてて、メイド喫茶という素晴らしいコンテンツがあるから、メイド喫茶に行きさえすればそれでオッケーというか、あとはオタクの人を馬鹿にして帰ればいい、「キモイキモイ」という感じで。でも、オタクの人は違うんですよ。DVD!!とかフィギュア!!(笑)とか、瞬発的なお金の使い方がすごいですよ。うちでもだから20枚買いとかしていきますからね。「全種類ください」とか。


みぞおち
――そんなのあるんですか? すごいですね。
【姫川】 秋田のほうから来てくれたりとか。「ホームページ観て、居てもたっても居られず、実物が観たい」ということで。

――それって実物見て感動するんじゃないですか?
【姫川】 だから、すごく買ってくれますよ。インターネットとかでは伝わらないものが実物にはあるんじゃないですか。だから、アキバに店舗があるっていうことはすごく大切なことなのかも知れないと思います。

――それって象徴みたいになりますよね。
【姫川】 そうなんですよ、やっぱり。だから、変な店がないとアキバ的には満足できないじゃないですか。うちとか武器屋さんとかね(笑)。アキバ的アンダーグラウンドにあこがれて僕も店を出したわけで、あんまり深い意味はなかったんだけど、アキバアンダーグランドみたいになっちゃっててね(笑)。(次ページに続く)



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