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NECエレクトロニクス、今年度上半期の決算を発表

2006年10月25日 21時52分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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NECエレクトロニクス(株)は25日、都内に報道関係者を集め、第2四半期および今年度(2007年3月度)上半期の決算発表を行なった。

発表会には代表取締役社長の中島俊夫氏らが出席し、業績に関する説明を行なった。

中島氏
代表取締役社長の中島俊夫氏

第1四半期に比べ、売り上げは上がるも営業損益は赤字

売上高・損益
上半期の営業損益としては約70億円の赤字

中島氏は、第2四半期の半導体の売上高について、SoC(System On a Chip)プラットフォーム部門に関しては、12月に発売予定の任天堂(株)の次世代ゲーム機『Wii(ウィー)』の出荷開始やプリンター、DVDドライブの出荷数が増えたことにより、第1四半期に比べ、14%の売上増(675億円)があったと説明。合わせてMCU(Micro Control Unit:マイコン)プラットフォーム部門では1%増(412億円)、個別半導体部門では5%増(611億円)の売上高を計上し、全体では第1四半期の1581億円から、第2四半期の1697億円と7%の売上増があったと述べた。

しかし、分野別に見てみると、通信機器分野では14%の売上減(246億円)となっている。国内の携帯電話端末向けのDBB(デジタルベースバンド)の売上が減ったことが大きいが、これは販売店の在庫が増えており、携帯電話機の出荷調整が行なわれているためという。

分野別
民生用電子機器分野では大幅な売上増があるものの、通信機器分野で足踏みをしている

また、営業損益を見てみると、売上高は増えているが、販売費および一般管理費(SGA)の増加、研究開発費の増加により約12億円の赤字となっている。ただ、同社では今後も伸びていくであろう部分に研究開発費を注力していくとともに、影響の薄い分野に関しては研究費の削減を検討しているという。

今年度の業績見通しについては、期初の予想では純損益50億円の赤字としていたが、250億円の赤字に下方修正と発表。これは同社が保有する山形工場のラインを増強したが、プロジェクトが半期ほど後ろにずれたことや国内の携帯電話機の出荷が思ったよりも伸びなかったこと、集中的に先行投資した部門が予想よりも伸びなかったことなどによるという。

受注・売上の拡大と原価率の改善で業績を改善していく

業績改善
STEP1と2を中心に強化していくうえで、STEP3の推進を行なっていく

今後の業績改善の基本方針として、“受注・売上の拡大”をSTEP1、“生産能力増強と稼動向上による原価率改善”をSTEP2として、これら2つのSTEPを継続的に強化しながら、“強い製品による利益率の改善”をSTEP3として推進していくという。

山形工場のラインへの投資などにより、下半期は上半期に比べて1割ほど生産能力が増強される見込みだが、現在では能力に見合う受注が不足している。そのほか外部に出しているラインを自社工場でまかなうことにより、稼働率をアップさせ、自前稼働率を90%以上に引き上げていくという。

中島氏は「その上で、世界でも通用する強い製品を作り、利益率を改善していく」と述べた。

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