松下電器産業「LUMIX DMC-FZ30」
DMC-FZ30 |
光学12倍ズームレンズを搭載した「DMC-FZ30」は、背面に2.0インチの液晶ディスプレーを装備している。ディスプレーはフリーアングルタイプになっている。日差しの強い日中は液晶ビューファインダー(以下EVF)の方が撮影しやすいが、極端なローアングルや、ちょうど“バンザイ”のように両手を高く上げた状態でのハイアングル撮影時には、液晶ディスプレーが非常に便利だ。
ズーム機能には“EX光学ズーム”という機能もある。低解像度設定時のみで利用できる機能で、簡単に言うとCCDの中心部分だけをズーム操作に連動してトリミングしていく(撮影する範囲を狭めていく)機能だ。光学ズームと連動するため、自然な操作感で最大19.1倍(669mm相当)の超望遠ズームを体験できる。
LUMIXシリーズにはすでにあたりまえになっている“手ぶれ補正ジャイロ”の機能も、もちろん搭載している。超望遠の撮影も安心だ。ISO感度が最高400までしか選択できないのが少しさびしいが、手ぶれ補正があるため、暗い場所での撮影が苦手というわけではない。ボディはいささか大きめではあるが、初夏の運動会や、行楽地での動植物の撮影などにも活躍しそうだ。
撮影サンプル――超望遠を動物園で体験してみた
“300万画素EZ”(EXズーム19.1倍)を使い、普段行きなれた動物園のおりの中にいる動物たちを撮影した。669mm相当の望遠レンズともなると、狭いおりのすき間から動物の表情のみを狙うことも可能になる。外からの撮影のため、実はおりが多少写っているのだが、ボケているのでほとんどわからないだろう。
野鳥公園でのひとコマ。同じく300万画素EZで撮影した。公園とはいってもバードサンクチュアリーのため人は鳥たちの近くまでは近づけない。池中央の小島付近に密生している葦の間にアオサギを見つけたので、それを狙ってみた。撮影環境は、高倍率でのフィールドスコープであればよく見えるのだが、300~400mm程度の望遠レンズでは鳥は小さくしか写らない状況だった。
サル山の親子と思われるサル。動物園などでこういうシーンを見ると、つい撮りたくなる。しかし、実際撮ってみると、距離が離れているため、思った以上に被写体を大きく写せないものである。EXズームはこのようなときに威力を発揮する。
LUMIX DMC-FZ30の主なスペック | |
撮像素子 | 1/1.8インチ有効800万画素CCD |
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出力サイズ | 最大3264×2448ドット |
レンズ | 光学12倍ズーム、f=7.4~88.8mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~420mm)、F2.8~3.7 |
光学式手ぶれ補正 | ○ |
記録メディア | SDメモリーカード |
シャッター速度 | 1/2000~60秒 |
連写速度 | 毎秒3コマ(最大5コマ:ファイン) |
液晶ディスプレー | 2インチTFT液晶パネル(約23万5000画素) |
液晶ビューファインダー | 0.44インチTFT(23万5000画素) |
静止画記録形式 | JPEG、TIFF、RAW |
動画記録形式 | モーションJPEG(VGA、30fps) |
ISO感度 | 自動/80/100//200/400 |
電源 | 専用リチウムイオンバッテリー(7.2V/710mAh) |
撮影可能枚数 | 約280枚(CIPA測定法準拠、液晶ディスプレー使用時)、約300枚(CIPA測定法準拠、EVF使用時) |
本体サイズ | 幅140.75×奥行き138.1×高さ85.5mm |
重量 | 約674g(本体のみ) |
実売価格 | 6万8000円弱 |