実際に使ってみると、やはり広角側が強くなるのは非常に重宝する。最近ではデジタルカメラでも広角28mmを採用する機種が増えてきたが、やはり建物を見上げたりする構図を撮ろうとすると36mm程度では物足りない。風景を撮りに行くならばワイドコンバージョンレンズは必須と言ってもよいだろう。
【作例2-b】作例2-aの元画像の一部をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの。コンバージョンレンズはカメラ側のレンズの収差(レンズの光学的特性による色やコントラストのずれや画像の歪み)を強調する特性があり、鳥居の端の部分にはエッジの着色が非常に強く出てしまっている |
テレコンバージョンレンズに関しては、確かに700mmクラスというのはかなり強力なのだが、よほどの望遠用途ではないと多用しないだろう。なぜなら、テレコンバージョンレンズを装着した場合の広角側は379mmと光学10倍ズームカメラの望遠域に相当し、DSC-H1は完全に望遠専用機となるからだ。
また700mmクラスの望遠ともなると、わずかなカメラの動きが画角を大きくずらしてしまうため、手ぶれ補正機能を使っても1/200秒以下のシャッター速度では手ぶれを起こしやすい(※2)。晴天下はともかく、多少曇っただけでもシャッター速度は1/200秒程度に落ちてしまうので、テレコンバージョンレンズ使用時には手ぶれ補正機能に期待しないほうがいいだろう。テレコンバージョンレンズを使って望遠で確実に写真を撮りたいならば、手ぶれを抑えるために、軽快さを損ねると感じるかもしれないができるだけ三脚を使用しよう。
※2 一般的に光学式手ぶれ補正を使うと絞りが2~3段、つまりシャッター速度が同じなら絞り値で2~4倍絞っても、絞りが同じならばシャッター速度は1/2~1/4程度まで遅くしても手ぶれを防ぐことが可能風景写真からスポーツ、子供のスナップまで幅広く利用できるDSC-H1だが、オプションの追加で利用範囲は大きく広がる。凝った撮影という点では一眼レフデジタルカメラにはもちろん及ばないが、ファミリー向けの機種として、スナップ写真からステップアップするのにはいいだろう。
サイバーショット「DSC-H1」の主なスペック | |
製品名 | サイバーショット DSC-H1 |
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撮像素子 | 有効510万(総530万)画素1/2.5インチCCD |
レンズ | 光学12倍ズーム対応、f=6~72mm(35mmフィルムカメラ換算時で36~432mm相当)、F2.8-3.7 |
記録画素数 | 最大2592×1944ドット |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT液晶パネル(11万5000ドット) |
記録メディア | メモリースティック/メモリースティック PRO/メモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオ |
電源 | 単3形ニッケル水素充電池×2(付属) |
インターフェース (付属アダプター側) |
USB(USB2.0 Hi-speed対応)、AV出力(モノラル音声) |
本体サイズ | 幅107.8mm×高さ81.4×奥行き91.2(突起部含まず)mm |
重さ | 約438g(撮影時は591g) |