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サイバーショット DSC-H1

サイバーショット DSC-H1

2005年09月14日 11時32分更新

文● 行正 和義

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 実際に使ってみると、やはり広角側が強くなるのは非常に重宝する。最近ではデジタルカメラでも広角28mmを採用する機種が増えてきたが、やはり建物を見上げたりする構図を撮ろうとすると36mm程度では物足りない。風景を撮りに行くならばワイドコンバージョンレンズは必須と言ってもよいだろう。

【作例1】ワイドコンバージョンレンズを使用せずに、最も広角寄りで撮影した写真。2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの【作例2-a】ワイドコンバージョンレンズを使用してほぼ同じ位置から撮影した写真。2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの
本体のみで撮影した画像と、ワイドコンバージョンレンズを装着した画像。広角側の撮影に強ければ、画面内にある被写体の距離感が強調されれ、建物や人物の“大きさ”が表現できる
【作例2-b】作例2-aの元画像の一部をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの。コンバージョンレンズはカメラ側のレンズの収差(レンズの光学的特性による色やコントラストのずれや画像の歪み)を強調する特性があり、鳥居の端の部分にはエッジの着色が非常に強く出てしまっている
【作例3-a】2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの【作例3-b】2592×1944ドットで撮影した元画像の一部分をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの
ワイドコンバージョンレンズを用いて、三脚を使用せずに撮影した作例。夜景撮影は三脚を用いるのが一般的だが、手ぶれ補正によってどの程度撮れるのか試してみた。オートモードでは自動的にISO感度が上がり、手持ちで撮れる限界程度までシャッター速度が上がる。細部を見ると、わずかなブレによって描写が落ちてしまっているのでやはり1/10秒あたりから三脚を使用したほうがよさそうだ。とくにフルオートモードだとやや暗く写ってしまううえにISO感度が高くなったことにより画面がざらついているのが気になる。ISO320、F2.8、1/8秒
【作例4-a】2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの【作例4-b】2592×1944ドットで撮影した元画像の一部分をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの
ワイドコンバージョンレンズを用いて、三脚を使用して撮影した作例。シーンプログラムから夜景モードを選択すれば、ISO感度を低く設定したままノイズの少ない画像を得られる。しかし、シャッター速度はかなり低下するので、三脚を用いる必要がある。ISO感度64、F2.8、2秒

 テレコンバージョンレンズに関しては、確かに700mmクラスというのはかなり強力なのだが、よほどの望遠用途ではないと多用しないだろう。なぜなら、テレコンバージョンレンズを装着した場合の広角側は379mmと光学10倍ズームカメラの望遠域に相当し、DSC-H1は完全に望遠専用機となるからだ。

【作例5-a】2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの【作例5-b】2592×1944ドットで撮影した元画像の一部分をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの
テレコンバージョンレンズ使用。ISO64、プログラムオートF4.0、1/1000秒。手持ちで撮影し、1/1000という高速シャッターとなっているが、拡大するとわずかに手ぶれが補正しきれていないのが分かる。テレコンバージョンレンズを用いて望遠側で撮影する際は、やはり三脚を使いたいところ
【作例6-a】2592×1944ドットで撮影した元画像をPhotoshopを用いて640×480ドットにリサイズしたもの【作例6-b】2592×1944ドットで撮影した元画像の一部分をPhotoshopを用いて640×480ドットの大きさで切り出したもの
クローズアップレンズを使用。DSC-H1でのマクロ撮影は、最短2cm(ワイド)~90cm(テレ)。クローズアップレンズを装着すれば33cm程度まで寄近接できる。もちろん手ぶれ補正機能も効くので、絞り込んで撮影する場合に便利だ

 また700mmクラスの望遠ともなると、わずかなカメラの動きが画角を大きくずらしてしまうため、手ぶれ補正機能を使っても1/200秒以下のシャッター速度では手ぶれを起こしやすい(※2)。晴天下はともかく、多少曇っただけでもシャッター速度は1/200秒程度に落ちてしまうので、テレコンバージョンレンズ使用時には手ぶれ補正機能に期待しないほうがいいだろう。テレコンバージョンレンズを使って望遠で確実に写真を撮りたいならば、手ぶれを抑えるために、軽快さを損ねると感じるかもしれないができるだけ三脚を使用しよう。

※2 一般的に光学式手ぶれ補正を使うと絞りが2~3段、つまりシャッター速度が同じなら絞り値で2~4倍絞っても、絞りが同じならばシャッター速度は1/2~1/4程度まで遅くしても手ぶれを防ぐことが可能

 風景写真からスポーツ、子供のスナップまで幅広く利用できるDSC-H1だが、オプションの追加で利用範囲は大きく広がる。凝った撮影という点では一眼レフデジタルカメラにはもちろん及ばないが、ファミリー向けの機種として、スナップ写真からステップアップするのにはいいだろう。

サイバーショット「DSC-H1」の主なスペック
製品名 サイバーショット DSC-H1
撮像素子 有効510万(総530万)画素1/2.5インチCCD
レンズ 光学12倍ズーム対応、f=6~72mm(35mmフィルムカメラ換算時で36~432mm相当)、F2.8-3.7
記録画素数 最大2592×1944ドット
液晶ディスプレー 2.5インチTFT液晶パネル(11万5000ドット)
記録メディア メモリースティック/メモリースティック PRO/メモリースティック デュオ/メモリースティック PRO デュオ
電源 単3形ニッケル水素充電池×2(付属)
インターフェース
(付属アダプター側)
USB(USB2.0 Hi-speed対応)、AV出力(モノラル音声)
本体サイズ 幅107.8mm×高さ81.4×奥行き91.2(突起部含まず)mm
重さ 約438g(撮影時は591g)

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