このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

OLYMPUS E-300

OLYMPUS E-300

2005年05月09日 00時00分更新

文● 小林 伸

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ミラーショックが少なく
心地よい撮影感

 プロ向けと謳われたE-1にはなかった「シーンプログラムAE」がE-300には用意されたのも特徴。モードダイヤルにはよくあるシチューエーションの「ポートレート」「マクロ」「風景」「夜景」「スポーツ」の5種類が独立したアイコンで用意。それ以外の 「夜景&人物」や「ビーチ&スノー」など全14種類のモードは「SCENE」にダイヤルを合わせることで選択する(シーンセレクトAE)。この「シーンセレクト」を選択すると最初に一瞬イメージ写真が表示され、そのあとで選択したシーンが「どんな被写体に最適か」「どんな風に撮影できるのか」が説明文として表示される。コンパクトデジカメにも最近見られる凝った表示画面だ。やはり初心者の使用も考慮したシーンプログラムは普及機として当然の用意だろう。

撮影サンプル1 撮影サンプル1a
撮影サンプル1。全体を幅640ドットに縮小したもの。撮影サンプル1の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 絞り優先AE/F4、露出補正:-1、ISO感度:200相当、ホワイトバランス:オート、レンズ焦点距離:17mm

 今回撮影に当たって「ZUIKO DIGITAL14~45mmF3.5~5.6」(35mmフィルム換算で28~90mmに相当)という普及価格帯のレンズを使用した。このレンズは小型軽量で花形レンズフードも同梱されており、E-300とセット販売されるものである。ボディに装着して歩いていると若干レンズのほうに重心がいっているように感じるが、これはE-300にペンタプリズムがないためだろう。視覚的な理由もあるだろうが、ペンタ部がないせいでレンズを装着したときの重心バランスが変わっているのかもしれない。

撮影サンプル2 撮影サンプル2a
撮影サンプル2。全体を高さ480ドットに縮小したもの。撮影サンプル2の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 プログラムAE、露出補正:なし、ISO感度:100相当、ホワイトバランス:オート、レンズ焦点距離:45mm

 動作音とミラーショックの少なさは、とても気に入った。E-1と比較すると正直大きいのではあるが、普及価格帯のデジタル一眼レフの中では静かな部類で、しかもその音質が高級感を漂わせるものになっている。ライカファンには怒られてしまうかもしれないが、なんとなく、あのライカの横走りフォーカルプレーンシャッターの音に似ているのである。ミラーはちゃんとあるのでミラーの動作音であることは間違いないのだが、シャッターが切れたときの音質はそう思わせるものがあった。シャッター音は街中では、人ごみの喧騒にまぎれてしまって、自分の耳にもやっと聞こえる程度のものである。そのうえレリーズタイムラグも極めて少ない。

撮影サンプル3 撮影サンプル3a
撮影サンプル3。全体を幅640ドットに縮小したもの。撮影サンプル3の縮小前の画像から、中央部分を640×480ドットにトリミングしたもの。
■撮影条件 シーンプログラムAE「風景」、露出補正:なし、ISO感度:100相当、ホワイトバランス:晴天、レンズ焦点距離:14mm

 記録メディアはコンパクトフラッシュ(TypeI/II)で、4GBのマイクロドライブも使える。手持ちの4GBを差したところRAWで289枚、TIFFで167枚、JPEG(SHQ)では634枚の撮影可能枚数が表示された。スナップをメインにするのであればSHQで100枚以上撮影できた方が楽なので、1GB以上のメディアは欲しい。普及機とはいえ、記録メディアはプロ並みのものを用意しておきたい。

 ホワイトバランス設定の豊富さも普及機らしからぬところだ。オートで撮影しても通常は充分なのだが「ワンタッチ」「カスタム」「プリセット」といった設定項目が用意されている。初心者は難しく感じるかもしれないが、一度ホワイトバランスの意味が分かってくると、この設定項目の多さの意味やありがたさが分かってくると思う。見かけは普及機かもしれないが中身はプロ向けのE-1となんら変わりがないのである。


 そういうところから考えてみても本機は普及価格帯で販売されてはいるが、充分プロの要求も満たしてくれる機種ではないかと思う。足りないのはシンクロソケットくらいなものである。そう考えたときE-1の存在は薄くなってきてしまうので、早急にE-1のスペックアップを望むところである。

小林 伸のこんな風に使いたい

 普段スナップに持ち歩くカメラは決めていない。しかし、フィルムはコダック社と決めている。そしてこのE-300の発色がコダックのフィルムに似ていると私は思う。ボディの大きさは決してコンパクトではないが形状がスクェアなせいかバッグへの収まりもいい。ボディ1台とズームレンズ2本くらいで気軽なスナップ機として持ち歩きたい。

背面モニタ
背面モニタには撮影情報を常時表示させておき、常にカメラの設定条件が一目で分かるようにすることができる。
OLYMPUS E-300の主なスペック
製品名 OLYMPUS E-300
有効画素数 815万画素
液晶 1.8型TFT(13.4万画素)
ファインダ アイレベル方式(視野率94%、約1倍)
シャッター速度 1/4000~30秒
電源 専用リチウムイオン充電池
記録メディア コンパクトフラッシュ TypeII(マイクロドライブ対応)
サイズ(W×D×H) 146.5×64×85mm
重量 580g(本体のみ)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン