ソニー
オープンプライス(実売価格:6万3000円前後)
ビデオ映像も音楽も、1つの機器で持ち出して楽しみたい。その要求に答える携帯AVプレーヤが、ソニーの「ハードディスクマルチプレイヤー HMP-A1」である。
MPEG-2、MP3、デジカメ画像を1台で楽しむ
写真1 「HMP-A1」。PDAとほぼ同等のサイズのコンパクトな本体。 |
写真2 再生操作関連は前面のタッチセンサ、ボリュームや電源ボタン等は上面にある。 |
「ハードディスクマルチプレイヤー HMP-A1」はこちらから購入いただけます。画像をクリックするとアスキーとソニースタイルのコラボレーションサイト“SONY Flash on ASCII”に移動します。 |
PDA並みに小さなサイズのHMP-A1は、容量20GBのHDDと3.5型のQVGA液晶パネルを内蔵する。それでいて重さはわずか250g。シンプルで無駄のないボディデザインは、さすがに日本のAVメーカーらしい洗練されたデザインだ。
HMP-A1の大きな特徴は、ビデオからオーディオ、静止画まで多用なメディアをPCから取り込んで再生できる点だ。PCとの接続はUSB 2.0で行い、付属のWindows用転送ソフトで取り込む。再生可能なビデオ映像はMPEG-1/MPEG-2/MPEG-4。オーディオはMP3のみ、静止画はJPEG(自動変換によりBMPやPNG、TIFF等も転送可能)に対応している。有料音楽配信で多用されているATRAC3 Plusには対応しないのは注意すべき点だろう。
画面1 ビデオと静止画を転送する「HMP Image Transfer Manager」。Windowsで再生できるほとんどのビデオを転送できる優れものだ。 |
HMP-A1自体はDivXやWindows Media Video(WMV)の再生には対応しないのだが、付属のビデオ・静止画転送ソフト「HMP Image Transfer Manager」が、DivX形式やWMV形式のビデオをMPEG-2/4に変換して転送する機能を持っている。そのため事実上、Windows Media Playerで再生可能なビデオ映像なら、なんでもHMP-A1に取り込んで再生させることが可能だ。対応コーデックを選ばない自由度の高さは魅力的だろう。
画面2 オーディオの取り込みと転送には付属の「MusicMatch Jukebox」を使う。転送機能だけでもビデオ側で可能にしてほしい。 |
使いやすい操作系はAVメーカーならでは
携帯しての使いやすさを考慮した操作系も、HMP-A1の優れた特徴の1つだ。フロント側の操作ボタンは静電式のタッチセンサとなっていて、ENTERやBACKなどのボタンは軽く触れるだけで反応してくれる。またファイルリストからファイルを選択する操作の場合、縦長のセンサを指先で上下に動かすとリストがスムーズにスクロールするなど、直感的な操作が可能になっている。試用していて使いにくさを感じるようなことはなかった。オーディオ機器風のリモコンも付属しているので、操作でストレスを感じることはまずない。
画面3 HMP-A1でのMPEG-2再生の様子。TV番組程度の映像ソースであれば、鮮明に映し出せる。色調はやや薄めな発色に見える。 | 画面4 静止画表示は縮小処理のせいか、画質はさほど良くない。画面上のようにサムネイル一覧から画像を選ぶこともできる。 |
同種の携帯型HDDビデオプレーヤは、他社やソニー自身からも発売されている。しかしコーデックを選ばないビデオ再生、操作性良好でコンパクトなボディなど、HMP-A1は現時点ではもっとも優れた携帯型HDDビデオプレーヤと言えるだろう。
HMP-A1の主なスペック | |
製品名 | HMP-A1 |
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容量 | 20GB(HDD) |
対応ビデオフォーマット | MPEG-1/MPEG-2/MPEG-4 |
対応オーディオフォーマット | MP3 |
対応イメージフォーマット | JPEG |
液晶 | 3.5型TFTカラー |
I/O | USB 2.0、ヘッドホン出力、コンポジットAV出力 |
連続再生時間 | 約6時間(MPEG-4再生時) |
サイズ(W×D×H) | 129.6×22×75.6mm |
重量 | 約250g |