デジタルエンターテイメント関連の処理に強いPentium 4
そして、特に強調されたのが、「Windows XP Media Center Edition」の登場により今後盛り上がりが期待されるリビングPCへの適正。Pentium 4プロセッサと“i915/925”チップセットは、WMP10でのビデオ・ストリームの再生やMPEG2からDivXやWMAへのエンコードといったデジタルエンターテイメント関連の処理に強く、「Windows XP Media Center Edition」によるデジタルデータのハブとなるには最良のプラットフォーム、と説明した。リビングでは気になるところとなる静音性についても、前述の冷却システムの改良を例に挙げ、重要な課題として騒音対策に取り組んでいると述べ、さらに将来の発展として、現在のATXフォームファクタを全面的に改めた“BTX”フォームファクタの立ち上げが進行中であることを明かした。会場には、“BTX”フォームファクタPCの試作品も持ち込まれ、前面から直接ダクトでCPUクーラーに外気を取り込むという構造に注目が集まっていた。
特に強調されたのが、「Windows XP Media Center Edition」の登場により今後盛り上がりが期待されるリビングPCへの適正 | 会場で公開された“BTX”フォームファクタPC | |
右側が背面。ATXフォームファクタとはがらりと異なる配置となる | この製品では、前面から直接ダクトでCPUクーラーに外気を取り込むという構造 |
ここで行われたのが、「Windows XP Media Center Edition」を使用したPentium 4とPentium Mの性能比較デモ。1920×1080ドットのプログレッシブ映像の再生と停止を繰り返してみると、Pentium 4ではビデオのようにスムーズに操作できるものの、Pentium Mでは停止ボタンを押しても再生が続いているという状態。「Pentium Mでは再生するだけで一杯一杯ということ。高解像度ではPentium Mではすぐに限界になってしまう」と非常に判りやすくPentium 4のメリットを説明した。
Pentium 4とPentium Mの性能比較デモの様子 | 比較に使用されたPC。Pentium 4側(右キューブ型PC)はPentium 4-3GHz、メモリ512MBデュアルチャネル、Serial ATA RAID。Pentium M側(左ノートPC)はPentium M-1.4GHz、メモリ512MB、2.5インチHDDという環境 |
セミナーは、リモコンのみで操作できる「Windows XP Media Center Edition」の実演を交えて進み、インテルが目指すPCの方向性として、「90年代前半、PCにCD-ROMやオーディオ機能が搭載され始めた頃、ネットワークによる情報の共有化を実現する“Connected PC”というコンセプトを掲げ、ブロードバンドインターネットの普及などもあってそれは達成された。現在目指しているのは、時間・場所を問わず様々なデジタルデータを扱う機器間で情報を共有化する“Digital Convergence”“Digital Home”というコンセプト」と説明。その中で「Windows XP Media Center Edition」は、簡単な操作でデジタルデータを閲覧できる環境を提供したり、デジタルデータを包括管理し外部デバイスに対してデータを簡単に切り出せるようにする存在として大きな可能性を持っている、と期待を述べた。今後もさらに発展していくLGA775プラットフォームと、その特徴にを生かせる「Windows XP Media Center Edition」により、“Digital Convergence”“Digital Home”の時代はすぐそこまで来ている、とセミナーは締めくくられた。
インテルのコンセプトの変遷。“Connected PC”から“Digital Convergence”“Digital Home”へ | 「Windows XP Media Center Edition」の解説 | |
「Windows XP Media Center Edition」によるデジタルホームPCとHDDレコーダの比較。拡張性とデータの可搬性で前者が上回る | セミナーのまとめ |