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サイバーショットDSC-F88編 第3回

サイバーショットDSC-F88編 第3回

2004年08月30日 17時42分更新

文● 小林 伸

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ソニーマーケティング、305万画素で静止画を撮影できるDVカメラレコーダー「DCR-PC350」など2機種を発売
ASCII24「ソニーマーケティング、305万画素で静止画を撮影できるDVカメラレコーダー「DCR-PC350」など2機種を発売」ニュース(画像をクリックすると当該記事に移動します)。

 ところで“ASCII24 Club ポートレート”の連載中に、DVカムコーダーの新製品ハンディカム「DCR-PC350」が発売になった。ソニーによればDCR-PC350は有効305万画素のCCDを搭載し、1台でビデオカメラとデジタルカメラの2役をこなせるのだという。ユーザーは主にビデオカメラとして使うだろうが、ポートレートを軸にしたこの企画では“1台2役”に注目し、その静止画撮影機能をレポートする。



DCR-PC350 DCR-PC350
1/3インチの総331万画素CCDを搭載。有効画素数は動画が205万画素、静止画が305万画素。サイズは、幅57.3×奥行き106.7×高さ107.3mmで、重さは約510g(リチャージャブルバッテリーパック「NP-FF51」と記録メディア含む)。容積は約400ccで、従来機の「DCR-PC300K」から約20%の小型化されたという


光学8.5倍ズームレンズで人物が浮き立った写真が撮れる

智美ちゃんとDCR-PC350
智美ちゃんとDCR-PC350。本体の重さは約510g。「ペットボトル(編集部注:500mlサイズ)を家から持ってきたんですけど、だいたいこれと同じ重さですかぁ……。さっきちょっと中身を飲んじゃったけど(笑)。私が長時間片手で撮影するとしたら、このぐらいの重さが限界かも」(智美ちゃん)

 画素数をみると、有効305万画素というのは、最近のデジタルカメラの中では入門機的な位置づけだろう。しかし、撮影した写真を印刷をする場合、2Lサイズ(キャビネ版)程度までであれば300万画素クラスの解像度でも充分なので、引き伸ばして印刷したり大画面で見たりするのでもなければ充分な解像度を持っているといえるだろう。

 注目したいのは光学8.5倍(44~374mm)と、光学3倍のDSC-F88はもちろん、サイバーショットのハイエンド機で光学7倍の「DSC-F828」さえ凌ぐ、高倍率のズームレンズ“カールツァイス”「バリオ・ゾナーT*」(※1)だ。カールツァイスのブランドネームが冠されており、“T*”(ティースター)と呼ばれるレンズコーティングが施されているので、光学系の色にじみやフレアーなどの色収差が高レベルで修正されている。この高倍率ズームは、運動会で自分の子供を抜き出した写真を撮ったり、背景を思い切りボカシて人物の浮き立った写真を撮るときなどにとても有効で、デジタルカメラとしては1つのアドバンテージを持っているといえるだろう。動画はミニDVカセットとメモリースティックDuo/PRO Duoのどちらでも保存可能だが、静止画の場合はメモリースティックDuo/PRO Duoを使用する。

※1 F1.8~2.9。“撮る-テープモード”では、ズーム倍率が光学10倍/デジタル120倍で、f=45~450mm(フィルムカメラ換算時)。“撮る-メモリーモード”では、ズーム倍率が光学8.5倍で、f=44~374mm(同)



レンズ部 フラッシュ
光学8.5倍の“カールツァイス”「バリオ・ゾナーT*」を搭載。リングを操作することで、手動でのピント合わせも可能今回は昼間の屋外での撮影だったので使用しなかったが、レンズの隣の“インテリジェントフラッシュ”は、露出が不足すると自動発光するオート/赤目軽減/強制発光/発光禁止の4種類の発光モードを備える
作例3 作例4
ズーム広角端での撮影。焦点距離が44mm(35mmフィルムカメラ換算時)なので、わざとパースがついたような広角ならではの演出には向かない。しかし人物の撮影の場合は、周辺の風景がある程度入るので、周囲の状況まで写したい場合などには充分な焦点距離であるズーム望遠端での撮影。焦点距離が374mm(35mmフィルムカメラ換算時)なので思い切った背景の整理ができる。広角端の作例では広く全体的に写っていた背景の橋が、望遠端ではその橋脚付近がボケて写っているのがわかるだろう。人物撮影で人物を背景から浮き出したような効果が欲しいときには、望遠端を利用しよう
DCR-PC350で2016×1512ドットで撮影したものを、640×480ドットにリサイズ

 静止画撮影用のシャッターボタンは“フォトボタン”としてボディの右側に独立して設けられており、自然と右手の人差し指がかかる位置にあるので、動画撮影と操作を間違える事はないだろう。解像度の変更などの設定は、タッチパネル式の2.5インチ液晶ディスプレーを使い、表示されるアイコン類を触れて行なう。デジタルカメラの場合、独立した押しボタンを操作して設定画面を呼び出すが、ハンディカムではそれらの操作がタッチパネルに集約されているので、初心者でも迷うことはないだろう。

液晶パネル フォトボタン
タッチパネル式の液晶パネル。液晶は透過型と反射型の両方の特性を備えたハイブリッドタイプで、今回のような日差しの強い浜辺でも被写体を確認しやすいフォトボタンは、液晶パネルとは逆の左側面にレイアウトされている

 そのほか、露出を変えて自動的に3パターン(標準/プラス補正/マイナス補正)撮影する“ブラケット撮影”機能や、0.07秒間隔の“高速連写”機能(640×480ドットで、0.07秒間隔/最大32枚の撮影が可能)を備えるが、マニュアルで設定できる要素は、デジタルカメラに比べると少ない。例えば、シャッタースピードを速くして瞬間を切り取ったような撮影や、絞りを開放値にして被写体だけにピントが合って周囲をボカシたような写真など、凝った撮影はデジタルカメラに任せたほうがいいだろう。

 ボディーはデジタルカメラの普及機より二回り大きいが、高倍率のズームを搭載し、ビデオカメラとデジタルカメラの二役をこなせる。「静止画も撮れるビデオカメラが欲しい」というユーザーに、これは“買い”だろう。

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