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日本情報処理開発協会が『情報化白書2004』――テーマは産業の活性化

2004年08月12日 20時10分更新

文● 編集部 美和正臣

(財)日本情報処理開発協会は11日、日本の情報化の動向を総合的に分析した『情報白書2004』を発表、都内で記者会見を行なった。これは毎年改定されており、今回で通算38冊目の刊行となる。書店での販売は8月中旬の予定で、白書のデータをPDFにまとめたCD-ROMが付属する。発行元は(株)コンピュータ・エージ社。価格は6000円(税別)。

同書は、各種機関が発表しているデータを元に日本情報処理開発協会が編纂し、ネットワークを使ったコンテンツやサービス、市場規模など、現状の日本が抱える利点や問題点などを多角的に扱ったもの。マクロ的な視点からITが産業や経済に与えるインパクトを解説した“進展する経済の情報化”や、企業間ECや市場規模、ECの実態分析した“EC/eビジネス”など、8つの項目で構成されている。

2004年度のテーマは、ITによる産業の活性化。ユーザーがITを積極利用することにより日本社会にどのような影響があるのかを、マクロやミクロ経済、社会学的な見地で検証している。

日本情報処理開発協会調査部参事・調査課長の高橋眞理子氏は、発刊に際しての会見で「今まではユーザー志向でやってきたが、e-japan戦略を経て急速にインフラが整ってきた現在、白書が生活や経済活動に役立っていないところもある。日本全体の経済の活性化に役立つよう、“情報経済”にシフトするように編纂した」と語った。

高橋眞理子氏 情報化白書2004
『情報化白書2004』の発刊にあたり挨拶を行なった、日本情報処理開発協会調査部参事・調査課長の高橋眞理子氏(財)日本情報処理開発協会が発刊する『情報化白書2004』

インフラは整ったが、有効活用できていない日本

氏は続いて、白書の内容を紹介しつつ、日本の情報化についての問題点について言及した。

まず、日本の経済に関しては、(社)電子情報技術産業協会の資料を引用し、“新三種の神器”と呼ばれる液晶カラーテレビやプラズマディスプレー、DVDレコーダー、デジタルカメラが経済を牽引しているとの認識を示した。また、独立行政法人の情報処理推進機構によれば、情報セキュリティー産業が2006年には1兆円産業に成長する気配を見せており、とくに個人認証などの新技術やセキュリティー管理サービスなどが台頭してきていることを指摘した。

情報家電の推移
2002年から2004年1月までの情報家電の国内出荷数の推移。デジタルカメラやDVDレコーダーが好調なのがわかる。(出典:(社)電子情報技術産業協会、“有限責任中間法人カメラ映像機器工業会公表資料”より(財)日本情報処理開発協会が作成)日本のIT支出の推移予想。2008年には27兆円を超えるところまで伸びると予測。(経済産業省、電子商取引推進委員会、(株)野村総合研究所“平成14年度我が国のIT支出の推計・予測と日米比較調査”)

しかし、ITへの資本投入に関して、日米で大きな差があり、これは早々に是正されされなければならないと警鐘を鳴らした。海外の論文によれば、日米ともにIT資本投入に関しては1%台ということで大きな差がないが、「労働投入は日本はないに等しい。非IT資本投入はアメリカと比べて5倍近く差がある。日本はハードにだけ投資しているのが現状で、それが成長の差につながっている」と説明した。

成長要因のグラフ
日米の成長要因の分析したグラフ。日本は労働投入がアメリカに比べて、大きく下回っており、これが成長要因の差になると主張。(出典:Jorgeson and Motohashi“Economic Growth of japan and the United States in the Infoemation Age”RIETI Discussion Paper 03-E-015)

IT化をするほど、企業の業績は良くなる

次に企業とIT化の相関関係について見解を述べた。電子商取引推進協議会が国内の400社に会社内のIT化の現状をアンケートした結果、部門ごとにIT導入をして効率化していると答えた企業が66%といちばん多く、会社全体と答えた企業は19%に過ぎなかった。この結果を元に、同協議会が企業のIT化の浸透具合と業況の関連について調べてみると、「IT化が進んでいる企業ほど業況が良いという結果になった」と語った。しかし、日本情報処理開発協会がその浸透度を調査したところ「多くの企業は、社内や部署間での情報共有はできているが、経営者や他企業との協業ができていないため、一定の効果しか上がっていない。今後、現場と経営者が情報の共有をしなければならない」という結果になったという。

導入度のサンプル 業況の差
日本企業のIT導入度を4段階に分けると、部門ごとに独立して導入している例が多い。(出典:経済産業省、電子商取引推進委員会、野村総合研究所“平成14年度我が国企業のIT化に対応する企業経営の分析”)4段階に分けた導入段階ごとに業況をみると、積極的にITを活用しているほど業況が良い状態になる。(出典:経済産業省、電子商取引推進委員会、野村総合研究所“平成14年度我が国企業のIT化に対応する企業経営の分析”)

経済産業省によれば、ECやeビジネスは市場が急速に拡大しており、2004年の世界のEC市場は2兆3670億ドル(約260兆円)から2兆8100億ドル(約309兆円)になるものと予想。とくに日本では、2003年のEC市場はBtoBが77兆4320億円、BtoCが4兆4240億円に達し、e-Japan計画で目標としていたBtoBの70兆円、BtoCの3兆円を大きく上回ったことを指摘。氏は「とくにBtoC市場では増加しており、さらなる拡大が見込まれる」としている。さらに家庭においても、インターネットショッピングの支出額が年平均1万8300円と前年比4割増、インターネットを利用した銀行口座も2003年後半で70万件の増加をしており、日本証券業協会の調査によれば、2003年10月~2004年3月までのインターネットを使った株式取引額は18兆円も増加しており、本格的なIT時代が到来したことを指摘した。

BtoBとECの国内での取引金額の推移。インターネットを使った取引が全体の1割を占めるようになった。(出典:経済産業省、電子取引推進協議会、NTTデータ研究所“平成15年度電子商取引に関する実態・市場規模調査”)インターネット取引の半期ごとの推移の様子。2003年10月~2004年3月では50兆円に達した。(出典:日本証券業協会“インターネット取引に関する調査結果(平成16年3月末)について”)

一方、ネットの普及による障害のデータも紹介した。とくに問題にしていたのが、ウイルスの発生状況だ。2001年にメール機能を悪用したウイルスが蔓延して以来、毎年1万件後半から2万件の被害が出ており、「2004年度の上半期はすでに2003年度の件数に匹敵する被害が出ている」と情報処理推進機構セキュリティセンターの資料をもとに解説。もっと意識を高めるべきと力説した。

ウイルスの被害状況 パッチまでのリリース期間
年度ごとのウイルスの発生件数。2004年1~5月で、すでに2003年度に匹敵するほどの被害がでている。(出典:情報処理推進機構セキュリティセンター“2004年5月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況について”)ウイルスの発生からマイクロソフトのパッチのリリースまで、次第に期間が短くなってきている。ウイルス対策をするのは当然のこととなった。(出典:日本情報処理開発協会『情報化白書2004』p273の“攻略コード出現時間の短縮化”)

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