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サイバーショットDSC-F88編 第1回

サイバーショットDSC-F88編 第1回

2004年08月10日 02時06分更新

文● 小林 伸

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 今回紹介するDSC-F88は、DSC-Fxxシリーズの従来機種のユーザーから特に要望が強かった光学ズーム機能を初めて搭載し、その上CCDの高画素化(有効510万画素)が図られた。携帯電話の内蔵カメラにも高画素CCDや光学ズームが搭載されるようになった昨今、携帯電話の内蔵カメラで満足できない潜在的ユーザー層にアピールするためにも、デジタルカメラならではの510万画素CCDと光学3倍ズームは必要条件だったと思われる。

 光学3倍ズームレンズのカールツァイス“バリオ・テッサー”は焦点距離が38~114mm(35mm換算)で、従来機種「DSC-F77」(同、37mm)より望遠機能が強化されている。広角で撮影したい場合には、オプション製品としてワイドコンバージョンレンズ「VCL-07FEB」が用意されているので、併用すればワイド端で28mm相当(35mm換算)の画角で撮影が可能。旅先で景色を撮りたい場合や集合写真など、広い範囲を写し撮りたいときに重宝する。

広角 望遠
広角端で撮影望遠端で撮影
DSC-F88で2592×1944ドットで撮影したものを、640×480ドットにリサイズ。VCL-07FEBを使った作例は、第3週で紹介する予定


回転レンズと大型液晶パネルで凝ったアングルの撮影が容易

 DSC-F88の特徴でもある回転レンズは、正面-背面方向に約300度回転する。従来機種同様、通常の撮影ポジションに回転させるだけで本体の電源スイッチがONになる。さらに、背面方向に180度レンズを回転させて自分撮りの撮影ポジションにしたり、レンズを自由な位置で止めて超ローアングルの撮影ポジションにしても、背面の液晶ディスプレーで被写体が確認できる。背面ディスプレーは、従来機種の1.5インチから1.8インチに大型化されたので、凝ったアングルでも確認しやすい。

回転レンズ(1) 回転レンズ(2)
回転レンズは、正面-背面方向に約300度回転
モードダイヤル
撮影モードの切り替え用ダイヤル

 撮影機能の強化は機械的な部分だけでなく、マニュアル撮影モードを備えたことで、自分のイメージに合ったシャッタースピードと絞りで撮影もできる。また、“夜景”や“風景”など撮影状況にあわせた絞りとシャッタースピードを自動設定する“シーンセレクション”も従来より増え、今回は10種類になった。普段では使用する機会は少ないかもしれないが、“スノー”や“ビーチ”のモードなど、なかなか通常のオートホワイトバランスではうまく色が出せない状況にも対処できる。

 基本的な性能の向上以外に細かい部分の改良もされたDSC-F88。カメラの撮影機能としては熟成しきった感じもある。これ以上の機能が欲しければ、4色カラーフィルターを採用した有効800万画素の「DSC-F828」や赤外線暗視撮影が可能な「DSC-717」といった特殊な機能を盛り込んだデジタルカメラを選択するほかない。DSC-F88は、光学3倍ズームレンズを搭載したことで、従来の単焦点レンズ搭載モデルよりも撮影イメージをより広げられるようになった。そういう意味では、“DSC-Fxx”シリーズのひとつの完成形と言えるだろう。


「サイバーショット DSC-F88」の主なスペック
製品名 サイバーショット DSC-F88
撮像素子 1/2.4インチ 有効510万画素(総530万画素) Super HAD CCD
レンズ f=6.7~20.1mm(35mmフィルム換算で38~114mm)、F3.5~4.2
記録画素数 2592×1944/2592×1728(3:2)/2048×1536/1280×960/640×480
記録媒体 メモリースティック
動画 640×480ドット、毎秒約16.6フレーム、MPEG-1
バッテリー 専用充電池(インフォリチウムRタイプ)
本体サイズ 幅97.8×奥行き25.6×高さ74.4mm
重さ 163g(撮影時重量は202g)

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