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松下電器、既設のCATV同軸ケーブルで100Mbps超の高速伝送――“c.LINK”利用の実証実験で

2004年06月21日 00時00分更新

文● 編集部

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松下電器産業(株)は21日、集合住宅向けケーブルインターネットの実証実験において、既設の構内同軸ケーブル施設を利用し、実使用環境で100Mbpsを超える高速伝送を行なったと発表した。

これまではケーブルテレビ(CATV)網で利用されているケーブルモデムでは40Mbps以上の高速伝送が難しかった。今回、超高速同軸ケーブル通信技術“c.LINK”を適用すれば、100Mbps以上の高速ケーブルインターネットが可能になると想定し、実証実験を行なったもの。“c.LINK”は、米Entropic Communications社が開発した宅内同軸ケーブル高速通信技術で、RF分配器の出力端子間で最高270Mbpsの通信が行なえるのが特徴。実験には、関西ケーブルネット(株)(KCAN)が協力し、4月から2ヵ月間、KCANのサービス地域内の集合住宅を実際に使用して行なった。局から集合住宅までを光ファイバーで接続(FTTB)し、構内では放送信号の分配に利用されている既設の共聴同軸ケーブル上にc.LINK信号を多重化して、各世帯と接続したという。

システム構成図
システム構成図。E/Oは電気信号から光信号への変換装置、O/Eは光信号から電気信号への変換装置、STBはセットトップボックス

一般に集合住宅内で利用されている電話線利用のVDSL(Very High-bit-rate Digital Subscriber Line)では100Mbps以上の安定した伝送が可能になっていないうえ、同軸ケーブルの場合は上り信号のために広帯域の信号を送らなければならず施設の大幅な変更が必要となるという。今回採用した方式では、同一周波数帯域で双方向通信を行なうため、専用の上り帯域の確保が不要で、既存の施設をそのまま利用できるのが特徴。また、実験では、c.LINKの応用分野として本来想定されている宅内で部屋間伝送、テレビとAVサーバーの接続などのホームネットワークでの利用についても動作テストを実施し、HD品質の動画が問題なく伝送できることを確認したという。

同社では、今後もCATV局と協力し、高速ケーブルインターネットシステムの実用化の検討を進めるとしている。

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