このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

【特別企画】夢を応援するドリームゲートのシステムを探る~ドリームゲートを支えるIBMのブランド力とは~

2003年12月19日 16時50分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

IBMを選択した理由

 久田氏は、以前からOracleによる案件を扱っていたこともあり、ORACLE MASTER Platinumを保有している。こうした久田氏が、OracleではなくDB2を選んだ最大の理由はどこにあるのだろうか。
 最大の理由は、IBMブランドだという。IBMというネームバリューの信頼性はもちろん、トータルのソリューションに依るところが大きいという。
 今回のプロジェクトのスタートは3月で、Webサイトのプレ公開は5月1日と準備期間がほとんどなく、ハードウェアの選定やソフトウェアの検証に割く時間がほとんど取れなかった。こうした中でプロジェクトを成功へと導くためには、IBMの企業的なサポートは不可欠であり、ハードウェアの納期を短縮させるためには「世界中探したら、どこかに在庫がある」というIBMの底力が必要だったというのだ。実際、納期に合わせるためにアメリカから直送されたハードウェアもあったという。
 また、コストの面での影響も大きかったと久田氏は振り返る。将来的な独立採算を視野に入れ、ライセンス料やサポート料金のランニングコストを抑えることに重点を置いたというのだ。さらに、IBMが取り組むオートノミックコンピューティングによって、TCOの削減が可能となったという。
 久田氏が言うコストという面を考えた場合、オープンソースプロジェクトのデータベースソフトウェアは候補に挙がらなかったのだろうか。もちろん、検討の対象にはなったが、短期間での検証は不可能と判断し候補から外したという。
 それではOracleとDB2のそれぞれで、システム構築について違いはあるのだろうか。
 久田氏は、「データベース自体はまったく違いますね。しかし、性能自体はデータベースに特化した技術者がいなければフルスペックを活かすことはできませんから、結果的には同じでしょう。今回のプロジェクトのように人が少ない場合、オーバースペックなハードウェアを用意したほうが、開発期間も短縮できます」と言う。さらに、「ソリューションにも大差はなく、今回のようなシステムの場合、IBMソリューションが結果的に安いんです」と続ける。

ミドルウェアの重要性

 現在、ドリームゲートではPHPとODBCを使っているという。開発期間を短縮したいプロジェクトにおいて、なぜミドルウェアを使わなかったのだろうか。これには2つの理由があるという。
 1つは、スタッフの構成がエンジニアよりもデザイナーなどのコンテンツ制作者に寄っていたため、コンテンツ制作者のスタイルを崩したくなかったのが要因だという。優先したのは「いかに新しいコンテンツを動かすか」と、「エンジニアとデザイナーとがシームレスに作業を行う」ということだった。
 もう1つの理由は、プロジェクトの準備期間が短く、ミドルウェアの検証ができなかったのが要因だという。
 とはいえ、今後はミドルウェアの導入が必須と久田氏は言う。コンテンツの自動生成やデータベースアクセスも含め、ミドルウェアの重要性を感じていて導入を検討中とのことだ。「現状でもコンテンツが秩序を失いつつあり、近い将来導入しないとどうしようもありません」と久田氏は語る。
 スタートしたばかりのドリームゲートプロジェクト。今後のコンテンツを充実させるには、ミドルウェアが鍵を握っているのかもしれない。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ