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代々木ゼミナールら、著作権保護技術を用いてコンテンツ配信実験

2002年07月30日 21時18分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)日本入試センター 代々木ゼミナール(以下代々木ゼミナール)、(株)東京リーガルマインド、学校法人瓜生山学園 京都造形芸術大学(以下京都造形芸術大学)、東日本電信電話(株)(NTT東日本)は30日、著作権保護技術を用いたコンテンツ配信の実験を、8月1日から実施すると発表した。実験期間は10月31日まで。

実験概要
実験の概要図

この実験は、ブロードバンドネットワーク上で有料の映像コンテンツの流通を促進するために、コンテンツの所有者が安心してコンテンツを配信できる著作権保護技術、および配信モデルの検討を行なうとともに、著作権保護技術を用いたコンテンツ配信プラットフォーム技術の検証を行なうというもの。

著作権保護技術には、米マイクロソフト社の著作権保護ソフト“Windows Media Rights Manager”を用い、配信ネットワークは、インターネットおよび東京都内の地域IP網を利用する。各社の役割としては、代々木ゼミナール、東京リーガルマインドおよび京都造形芸術大学が、コンテンツの作成と提供、視聴コンテンツの有用性の評価を行なう。NTT東日本は、BtoB(企業への配信)、BtoE(社員への配信)およびBtoC(コンシューマーへの配信)といった複数の配信モデルを想定し、開発した映像コンテンツ配信プラットフォーム上で実験を行なう。また視聴端末へのコンテンツ配信方法、配信ネットワークおよび視聴端末による差異を検討し、配信の要素技術やサービス性の検証を行なう。

具体的な実験内容は以下の通り。代々木ゼミナールは、代々木ゼミナール代々木校での授業映像を、分校や提携高校などに、ストリーミング、ダウンロードおよびCD-ROMなどのメディア形式で配信、配布する。著作権保護技術を用い、代々木校からの指示により各授業を視聴できる端末を各拠点の複数の端末に限定し、学校間モデルで配信モデルを検証する。

東京リーガルマインドは、500名程度のモニター会員を募集し、同社の“宅建講座”や“社労士講座”などの人気講座を、ストリーミングおよびダウンロードで配信する。著作権保護技術により、ネットワーク上でモニター会員に限定して講義を配信する場合の配信モデルを検証する。モニター募集は、8月1日より同社のウェブサイト上で開始する。

また東京造形芸術大学は、学生の受講講座と端末を指定し、ストリーミングおよびダウンロードにより授業の配信を行なう。ネットワークを利用し、受講者を限定した配信モデルの著作権保護技術の有効性と、プラットフォーム上で可能な芸術表現手法と学習効果を検証する。試験期間中には、歴史遺産学科の小川後楽教授による“煎茶”をテーマにした授業を配信する予定。なお同大学では、この実験をトライアルとして位置づけ、来年度以降も、さまざまな芸術の講義を配信するとしている。

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