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CEAのシャピロ協会長兼CEOが来日記者会見──2003 CESで基調講演の日本語同時通訳を実施

2002年06月05日 22時49分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米国の家電製品(※1)の開発、製造、販売に関わる企業の団体であるConsumer Electronics Association(CEA)は4日、都内でゲーリー・シャピロ(Gary Shapiro)協会長兼CEOの来日を機に記者会見を開催した。シャピロ氏は今後の家電製品の動向などについて意見を述べた。また、2003年1月に開催予定の“2003 International CES”では、初めて基調講演の日本語同時通訳を行なうことを明らかにした。

※1 CEAでいう“家電(コンシューマーエレクトロニクス)”は、オーディオ、ビデオ、ポータブル電子機器、ワイヤレス/固定通信機器、情報技術、マルチメディア機器などを指しており、冷蔵庫や洗濯機などいわゆる白物家電は含まない。

CEA協会長兼CEOのゲーリー・シャピロ氏
CEA協会長兼CEOのゲーリー・シャピロ氏

家電業界のさらなる発展をうながすことが目的

会見ではシャピロ氏とともに来日したCEAのインダストリー・エグゼクティブ・アドバイザーを務めるジェリー・カロフ(Jerry Kalov)氏が、5月29日から6月1日まで中国の上海市で開催した民生用電子製品見本市“CeBIT CES Consumer Electronics 2002(CeBIT/CES)”について触れた。CeBIT/CESはCEAとドイツで世界最大のIT関連見本市“CeBIT”を主催するドイツ産業見本市社が協同で開催したもので、今回が1回目。約2万5000人が来場し、盛況のうちに終了したという。

CEAのインダストリー・エグゼクティブ・アドバイザーを務めるジェリー・カロフ氏
CEAのインダストリー・エグゼクティブ・アドバイザーを務めるジェリー・カロフ氏

カロフ氏はCeBIT/CESについて「中国の10億の人々に対して、教育やエンターテイメント、国内外とのコネクティビティーを持つための手助けができると考えている。これは家電業界のさらなる発展をうながすというCEAの目的にかなうもので、市場開拓という役割もある」と述べた。CeBIT/CESはCEAがアジア地区で開催する唯一の見本市だが、ターゲットは中国市場だけでなく、タイやベトナムといった今後家電の急成長が見込める市場もカバーするという。なお、日本でCESを開催する可能性については「まったくない」(シャピロ氏)としている。

2003 CESでは基調講演を日本語同時通訳

シャピロ氏はまず、CEAが主催して毎年1月上旬に開催している見本市“International Consumer Electronics Show(International CES(シーイーエス))”の現状について報告した。

1月に開催した2002 International CESの出展社は約2000社、国内外から10万人の来場があったという。来場者のうち12%が米国外からの参加で、アジアからは4900人、さらにそのうち864人が日本からの参加者だったという。CESはアメリカでは最大の見本市で、毎年開催している家電市場向けの見本市としては世界最大だとしている。「CESは単なる見本市ではなく、業界のさまざまな情報、技術、傾向を得られる場であり、商談の場でもある」(シャピロ氏)。

シャピロ氏は、2003年1月9~12日にラスベガスで開催予定の2003 International CESについて「これは世界で初めて明らかにする情報だが、最初の基調講演はビル・ゲイツ氏だ」と述べたほか、すべての基調講演で日本語同時通訳サービスを用意することを明らかにした。CESの基調講演は、開催前夜と開催日の毎日1つずつ行なわれるのが通例だが、すべて英語で行なわれこれまで英語以外の同時通訳サービスを行なったことはない。この理由について尋ねたところ、「利便を図ることで、日本からもっと多くの参加者が来てくれることを期待している」とのことだった。2003 International CESの基調講演で同時通訳サービスを行なうのは日本語のみということで特別扱いとなっている。

シャピロ氏が示したグラフの1つ。アナログ(VHS)からデジタル(DVD)へのシフトが急速に起こっているという
シャピロ氏が示したグラフの1つ。アナログ(VHS)からデジタル(DVD)へのシフトが急速に起こっているという
DVDの普及はこれまでにないほど急激なものだという
DVDの普及はこれまでにないほど急激なものだという

また、米国の家電市場の現状について「9/11(の同時多発テロ)以来、コンシューマーエレクトロニクスに対する依存度、注目度が高まっている。通信端末などで常に親しい友人や家族と繋がっている状態が求められているようだ」と分析した。米国における家電の総販売額は2001年が930億ドル(約11兆5600億円)だったのに対し、2002年は960億ドル(約11兆9300億ドル)、2003年は1000億ドル(約12兆4300億円)を超え、2006年には1200億ドル(約14兆9000億円)に達するというCEAの予想を示した。

米国の一般家庭が欲しがっている家電製品のデータに基づく、2002年の出荷予想
米国の一般家庭が欲しがっている家電製品のデータに基づく、2002年の出荷予想

シャピロ氏は米国および世界市場において家電業界が抱える課題として、コモディティー化、著作権とフェアユース(正当な利用)、ブロードバンドの普及という3つを挙げた。

コモディティー化による価格の低下を示すグラフ
コモディティー化による価格の低下を示すグラフ。DVDが急速に安くなっている

コモディティー(日用品/必需品)化の問題とは、普及によって製品間の競争が厳しくなった結果、非常にわずかの利益幅しか得られない価格になってしまうことで、米国のDVDプレーヤーの多くが100ドル(約1万2400円)以下で販売されているという例を挙げた。著作権とフェアユースの問題に関しては「コンテンツホルダーが正当に主張している権利と、消費者の主張との正しいバランスが大事。公平で公正な利用と海賊版の問題ははっきり区別すべきだ」(シャピロ氏)と述べた。3つめのブロードバンドの問題とは、すべての消費者にブロードバンドアクセスを提供すべきだが、米国では実際には全家庭の10%台程度に留まっていることを指摘したもの。シャピロ氏によれば、これは通信会社とCATV業者との競争が許されていないといったような政府の制限によるもので、解消していかなくてはならないとした。

CEAの構成メンバーは650社以上にのぼるが、多くの日本企業も含まれている
CEAの構成メンバーは650社以上にのぼるが、多くの日本企業も含まれている

シャピロ氏は「我々はアナログからデジタルへのシフト、完全にネットワーク化された世界への移行のさなかにある。情報へのアクセスの方法が大きく変わってきている。世界を支配するのは英語でも日本語でもない、2進数である0と1だ。コンシューマーエレクトロニクス製品はいまや人間の運命そのものを握っており、世界を変える力がある」と述べて締めくくった。

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