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マイクロソフト、次世代組み込み向けOS『Windows XP Embedded』『Windows CE.NET』を提供開始、家庭向けWindowsテクノロジー“Mira”も紹介

2002年02月19日 21時34分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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また同社は、米国時間1月7日に“2002 International CES”で披露した家庭向けWindowsテクノロジー“Mira”(開発コード名)に関する報道関係者向けセミナーを開催した。

古川氏とWhite氏
Mira対応ディスプレー機器を手にする米マイクロソフトバイスプレジデントの古川享氏(右)と、同エンベディッドアプライアンスプラットフォームグループシニアディレクターのKeith White氏(左)

Miraは、Windows XP搭載パソコンを家庭内のどこからでも利用できるようにするためのWindowsテクノロジーで、次世代型平面ディスプレーやTVに、Windows CE.NETとワイヤレス接続機能を組み込んだもの。Mira対応ディスプレーは、タッチパネルを搭載し、手書き文字認識機能付きのペン入力、画面表示キーボード/ハードウェアキーボード、マウスなどの入力方法をサポートしており、Mira対応ディスプレーをワイヤレスネットワーク経由でWindows XP搭載パソコンに接続することで、ディスプレーを使ってパソコンを遠隔操作できる。

技術的には、Mira対応ディスプレー機器はWindows CE.NETのワイヤレスネットワークおよびリモートデスクトップクライアント機能を利用、ホスト側のパソコンは、Windows XP Professionalのワイヤレスネットワークおよびリモートデスクトップ機能を利用している。リモートデスクトップのプロトコルを使い、接続先のセッションをワイヤレスで利用できるようにしたもので、ワイヤレス対応に伴い、帯域幅の最適化やセキュリティー強化を施したという。

同社は、Mira対応デバイスの製品形態例として、モバイル型機器と据置き型機器をあげている。モバイル型機器では、通常はパソコン用ディスプレーとして利用し、ディスプレーを本体と切り離してワイヤレスタッチパッドとしても使用可能なものや、クレードル経由でキーボードやマウスと接続できるワイヤレスディスプレー、また、据置き型機器では、Mira対応の据置き型ディスプレーを利用したリモートターミナル、パソコン内のデータをワイヤレスで利用できるネットワークプロジェクター、パソコンへの接続が可能なMira対応TVなどが考えられるという。

Mira製品形態例
Mira対応デバイスの製品形態例

また同社は、MiraとタブレットPCの違いについても説明した。それによると、Miraがディスプレー機器の進化形であるのに対し、タブレットPCはノートパソコンの進化形だとしている。Miraの場合、すべてのアプリケーションおよびデータは、ホストであるWindows XP搭載パソコン上に存在するため、ホスト側パソコンへのワイヤレスネットワーク接続が必要だが、タブレットPCはすべてのアプリケーションやデータがローカルに存在するため、どこでも(例えば電車/バスに乗っていても)利用できるという。さらに、Miraは家庭向け、タブレットPCはビジネスユーザー向けと、ターゲットも異なっている。

Mira対応ディスプレー
Mira対応ディスプレー端末2種類。写真左は取り外し可能なパソコン用ディスプレー、右側はワイヤレスパッド
取り外し可能
取り外し可能なパソコン用ディスプレーから、実際にMira対応ディスプレー部を取り外すWhite氏
どこでも楽しめる
White氏がホスト側パソコンから離れたところでMira対応ディスプレー機器を操作、その画面がスクリーンに映し出された

1月7日のCESでは、Miraに関するパートナーとして、米インテル社、米Wyse Technology社、米ナショナルセミコンダクター社、台湾ビューソニック社が参加表明していたが、本日新たなパートナーとして、松下電器産業(株)、富士通(株)、日本電気(株)、(株)ソーテックの4社が発表された。これらパートナー企業は今後Mira対応製品を開発、2002年の年末商戦時に出荷予定という。製品形態はパソコン用ディスプレーや、リモートもしくは大型スクリーンのディスプレー機器などが考えられ、製品の価格帯は500~800ドル(約6万7000~10万7000円)程度になる見込み。

また、CESで発表されたもうひとつの家庭向け技術“Freestyle”についても紹介された。Freestyleは、Windows XPにデジタルメディアを楽しむための機能を拡張したもの。リモコンで操作できるユーザーインターフェースが用意され、TV機能や録画機能、オーディオ再生機能などを搭載する。Freestyleのパートナーとしては、韓国サムスン電子、日本電気、米ヒューレット・パッカード社が発表されており、Freestyleで拡張したWindows XP搭載ハードウェアの開発を行なうという。

Freestyleパソコン
Freestyleで拡張したWindows XPを搭載したパソコン(写真右)。ディスプレー画面にはリモコン操作可能なユーザーインターフェースが表示されている
リモコン操作
リモコンでFreestyleの画面を操作するデモが行なわれた
リモコンで音楽
リモコン操作用画面。メインメニューから“My Music”を選択した様子。パソコン内にあるアルバムデータ一覧が表示される。音楽メニューのほか、TVや写真、ビデオを鑑賞できるメニューも用意されている

セミナーで説明を行なった米マイクロソフトのアドバンスト・ストラテジー&ポリシー日本担当バイスプレジデントである古川享氏はMiraについて、「商品化にはまだ1~2年かかるかもしれないが、流れが見えてきた。マイクロソフトのビジョンである“いつでもどこでもどんなデバイスデも”をひとつの形として具現化したもの」、また、米マイクロソフトエンベディッドアプライアンスプラットフォームグループシニアディレクターのKeith White(キース・ホワイト)氏は、「ユーザーはリッチなエクスペリエンスを渇望している。既存のデバイスにインテリジェンスを付加したものだ。われわれは新しいデバイスのカテゴリーを提供したに過ぎない」と語った。

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