アップルの「iPod」やクリエイティブメディアの「NOMAD Jukebox」をはじめとしていくつか登場している、2.5インチHDDをはじめから内蔵するポータブルMP3プレーヤ。それに対し、あえてHDDを内蔵しない製品がエス・エヌ・イーから28日に店頭販売開始予定となっている。製品名は「Pocket mStation」。英mStation製で、台湾SSI Computerブランドから中国語仕様で登場したものだ。
本体背面のHDD取り付け部。非常にシンプルだ。左はリチウムイオンバッテリ |
Pocket mStationは簡単に言うと「HDD内蔵型ポータブルMP3プレーヤ+USB1.1接続の9.5mm厚2.5インチHDD外付けケース」。最長8時間再生可能なリチウムイオンバッテリを内蔵するMP3プレーヤでありながらUSB1.1接続タイプの外付けケースでもある。HDDを内蔵しないため別途購入が必要である一方で、基本的にHDDの互換性問題から解放されているのが最大の特徴だ。エス・エヌ・イーでは「どんなHDDでもまず問題なく利用可能」としており、Windows 98SE/Me/2000/XPを搭載するPCに接続し、FAT16、あるいはFAT32でフォーマットすればどんなHDDもMP3のストレージとして利用可能だという。
USBコネクタが標準タイプBなのも汎用性の高さに一役買っている |
PCと接続した段階でPocket mStationは外付けHDDとなるため、ファイル転送はドラッグ&ドロップなどで簡単に行えるのも見逃せないところだ。MP3ファイルと動画ファイルなどを混在して保存することもでき、フォルダの階層も自由に設定できる(深さの限度は不明。2階層までは確認できた)。さまざまなファイルが混在しても、ちゃんとMP3ファイルだけが再生されるようになっているという。また外付けHDDになる仕様を生かして、ファイルの移動が自由になっているのもうれしいところ。他社製品では専用のファイル転送ソフトをインストールしたPCとしかデータのやりとりが行えなかったが、USB接続のHDDとしてPC側から認識されるPocket mStationではその心配がない。
フォルダ指定。日本語は文字化けしている |
MP3ファイルのビットレートは8~320kbpsに対応しており、可変ビットレート(VBR)もサポート。プレイリストファイル(m3u)にも対応している。音飛びガード用として2MBのキャッシュを搭載し、64(W)×32(D)ドットの液晶モニタはバックライト付き。現在のところ日本語表示には対応していないが、現状で中国語(漢字)に対応しているのと、エス・エヌ・イーがファームウェアのアップデートに対応していると発表しているのを考えると、今後対応する可能性はある。
サイズは142.5(W)×120.8(D)×27(H)mmで重量は218g。ポータブルプレーヤとして見ると、若干大きさが気になるところではある。なお、基本的には車載用といった位置づけとなっているため、リモコンは無線式のものを採用しているので要注意。予価はコムサテライト3号店と若松通称PS/PLAZAで2万9800円とやや高い印象も受けるが、ノートPCのHDDを大容量のものに換装した人にとって、互換性を気にせず余った9.5mm厚のHDDを流用できるというのは十二分に魅力的だろう。なお、エス・エヌ・イーによると、2002年4月にはUSB2.0版の発売も予定しているとのこと。