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AtermWBR75HワイヤレスLANセット

AtermWBR75HワイヤレスLANセット

2001年12月19日 14時50分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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アクセスマネージャで素早く
用途別に設定を切り替え可能

WARPSTARシリーズの最大の特徴はセキュリティとユーザービリティを両立する「アクセスマネージャ」の存在だ。システムに常駐させておけば、WAN側回線の接続/切断やマルチアクセス機能の利用、アプリケーションプロファイリングの切り替えなどを簡単に行える。
 常時接続環境で気になるセキュリティについては、PCに常駐してLANとWANとの接続/切断を任意に行える「アクセスマネージャ」がWARPSTARシリーズの特徴的な存在だ。通常ブロードバンドルータでは回線の接続や切断を意識しないものだが、アクセスマネージャをインストールするとシステムに常駐し、初期状態ではインターネットへのアクセス要求を検出するとポップアップしてインターネットへの接続開始をユーザーに確認するダイアログを表示するようになっている。これにより、LAN上に複数の端末がある場合でも個々の端末ごとに接続/切断をコントロールでき、“意図せずインターネットに接続している”ということを確実に防げるので、常時接続環境でのセキュリティを特に気にするユーザーにお勧めだ。またアクセスマネージャでは、ブロードバンド接続と、TA/モデムによるダイヤルアップ接続を使い分ける「マルチアクセス」機能を利用したり、ネットワークゲームやチャットソフトなどを利用するためのIPアドレス変換テーブルを登録した「アプリケーションプロファイル」を切り替えることもできる。

 アプリケーションプロファイルは、IPアドレス変換により利用できなくなるネットワークゲームやチャットソフト、ストリーミングビデオなどを利用するためのポート番号を含めたIPアドレス変換テーブルである。「Windows Messenger」や「Real Player8」「信長の野望Internet」や「ウルティマオンライン」といったポピュラーなアプリケーション用の設定があらかじめ用意されているほか、ユーザーが独自の設定を登録することもできる。アプリケーションプロファイルを切り替えることで、普段は閉じているポートをアプリケーションを使うときだけ簡単に開くことが可能になるため、セキュリティを確保しつつユーザビリティを向上させることが可能だ。



AtermWBR75Hは「クイック設定Web」機能を搭載し、WARPSTARシリーズでは初めてWebブラウザから設定が行えるようになった。これで「らくらくアシスタント」が対応していないゲーム機などからも利用可能だ。
 そのほかのセキュリティ関連機能は、送信元/宛先のIPアドレスおよびポート番号、プロトコルと方向を指定してのパケットフィルタエントリを50個まで登録できる。標準で“NetBIOSの遮断”といった基本的なエントリはあらかじめ登録されているので、さらにユーザーの環境にあわせて適切なフィルタを追加すれば不正アクセスへの対応は問題ないだろう。さらに「ダイナミックポートコントロール」機能を併用すれば、httpやftpなど一般的にフィルタを設定しないプロトコルであっても、普段はポートを閉じておいてLAN側からのアクセス要求が発生した時点でポートを開き、セッションが終了するかユーザーが設定した時間が経過すると再びポートを閉じるといったことが可能になる。ユーザビリティを犠牲にすることなく強固なセキュリティを構築できる機能である。

 ただし、パケットフィルタの設定では用語や設定方法のヘルプは用意されているが、“こうしたい場合はここをこう設定する”といった具体的な設定例は用意されていない。このため、初心者がLAN上のサーバを外部に公開するといった、セキュリティホールにつながりかねない高度な設定をいきなり行うのは厳しいだろう。とはいえ、初期設定とアプリケーションプロファイルを組み合わせるだけでも、一般的なインターネットへのアクセスで不便を感じることはないと思われる。

 さて、高速なスループットを実現したというAtermWBR75Hだが、実際に編集部でftpによるWAN→LAN間のスループットを計測してみたところ、LAN側にEthernetポートを利用した場合で11.76Mbps、無線LANの場合は4.33Mbps、USB接続では3.63Mbpsとなった。Ethernetポート接続時でカタログスペックの15Mbpsには及ばなかったが、CATVやADSLで利用するにはなんら問題のない優秀な値だ。

 AtermWBR75Hはアクセスマネージャというユーティリティを利用することで、あまりネットワークに詳しくないユーザーでも、セキュリティを気にすることなくインターネット上のさまざまなサービスを利用できるという点で、ほかのブロードバンドルータにない魅力を持った製品だ。アクセスマネージャを常駐させずに、一般的なブロードバンドルータのように利用することもできるので幅広いユーザーにも対応する。

 価格はオープンプライスで実売価格は4万円弱となっている。これから無線LANを利用した常時接続環境を構築しようというユーザーには最適なパッケージだろう。このほかAtermWBR75H単体モデル(実売価格1万円台後半)、LANアダプタが1枚付属するワイヤレスLANベースモデル(実売価格2万円台後半)も用意されており、無線LAN機能の有無に合わせて選択できる。セキュリティ意識の強いユーザーに、ぜひ導入を検討してみてほしい製品だ。


AtermWBR75HワイヤレスLANセットの主なスペック
接続回線 ADSL、CATV、FTTH、ISDN、アナログ加入者回線
WAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×1、シリアルポート(TA/モデム接続用)×1
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4、無線(IEEE802.11b)、USB
サイズ 25(W)×157(D)×215(H)mm
重量 約600g

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