未発表のまま、DDR SDRAMをサポートするIntel製チップセットを搭載するマザーボードがアキバにデビューした。販売が始まったのはMSI製「845 Ultra-AR」(型番:MS-6398)で、実売価格は2万1380円~2万1800円。
注目のチップセットはパッケージによると“i845D”。すでにアキバでは公然の秘密となっていたB-Step版のi845で、コードネーム“Brookdale-D”と呼ばれていたものだ。さまざまな情報を総合すると正式名称は“i845 B-Step”となりそうだが、アキバ登場第1弾の845 Ultra-ARがパッケージにうたってきたことで、i845Dが俗称として定着しそうだ。すでにショップでは“i845D”の文字が躍っている。
“i845D”の文字が躍る店頭ポップ |
“新型i845=i845+DDR SDRAM”
メモリサポート以外にめぼしい機能追加はなし
Intel製のチップセットとしては史上初めてDDR SDRAMを採用したことになる今回の新型i845だが、これはあくまで“新型(=B-Step品)”。i845という型番がアップデートされていないように、DDR SDRAMサポート以外に目立った機能拡張はなく、技術的に目新しいところはないというのが実情だ。実際にMCHを見てみても、BGAパッケージを採用している点など外観は従来のi845そっくり。ICHも従来どおり、Ultra ATA/100対応のICH2となっている。
ICH2 |
PC2100 DDR SDRAMサポート |
ただし、(いくつか例外があるとはいえ)動作の安定性には定評のあるIntel純正チップセットであるうえ、i845マザーボードの安定性にも一定の評価を得ているだけに、DDR SDRAMサポートのPentium 4用マザーボードとして本命に躍り出るのは間違いない。すでにVIAからは特許係争中の“Apollo P4X266”、そしてSiS(Silicon Integrated Systems)からはPC2700 DDR SDRAMサポートの“SiS645”が登場しているが、大手ベンダの支持をバックに新型i845が人気を集めるのは疑いようがない状況。早ければ今週中にも登場予定のChaintech、FIC製品に続き、来週にはASUSTeK、Gigabyte、Intelから搭載マザーボードがたて続けにデビューする予定(ASUSTeK「P4B266」は1週遅れるとの情報もある)となっており、i845マザーボードの登場時と同じく、あっという間にアキバ中を席巻することになりそうだ。
問題があるとすれば、現在アキバではPentium 4が品不足状態にあるということだ。マザーボードとメモリをセットで購入するとなれば“セット販売のみ”というショップでも問題なくPentium 4を購入できるため、新型i845搭載マザーボードの想定購入者であるSocket370ユーザーからすると致命的なものではないだろうが、欲しい動作クロックのPentium 4を購入できないかもしれないのは注意しておいたほうがいい。
Promise製IDE RAIDコントローラを搭載の赤いマザー
さて、MSIらしい赤い基板が目を引く845 Ultra-ARを見てみると、拡張スロットはAGP×1、PCI×5、CNR×1と、MSI製i845マザーボード「845 Pro2」に比べてPCIスロットが1本少なくなっている。DIMMスロットは、新型i845の最大数より1本少ない3本で、もちろんDDR SDRAM専用。最大搭載容量は2GBだが、メモリバンクは最大4までのサポートとなっているため、両面実装のDDR SDRAMモジュールを3本差すことはできない点は気を付けた方がいいだろう。
オンボードではPromise製のUltra ATA/133対応IDE RAIDコントローラとCMedia製の6chサウンドチップを搭載。また、NEC製のUSB2.0コントローラ用空きパターンもあり、USB2.0をサポートするモデルも来週から再来週にかけて登場する見込みとなっている。なお、FSBは100~200MHzの範囲を1MHz刻みで設定可能となっており、詳細不明ながらVCore/AGP電圧/DIMM電圧も設定できるようだ。
価格 | ショップ |
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\21,380 | パソコンハウス東映 |
\21,470 | フェイス |
\21,479 | TSUKUMO eX. |
\21,499 | WonderCity |
\21,800 | クレバリー1号店 高速電脳 Storm BLESS 秋葉原本店 |
明日入荷 | コムサテライト3号店 |