インターネット上の決済を
安全に簡単に
すでに利用している人も多いかと思うが、Microsoft PassportはMicrosoftが推進している個人認証を一元的に提供する機能だ。Passport対応の複数のWebサイトへのログインが一度で済むだけでなく、IDとパスワードを個々のサイトに直接送るリスクを避けられる。当然、Passportの通信はすべて暗号化されている。Passportに置かれたユーザーの個人情報は、ユーザーが許可した場合にだけ相手サイトに送られる。つまり、Passportサービスの「Passport wallet」に支払い情報(住所やクレジットカード番号)を登録しておけば、いちいち情報を入力することなくPassport対応サイトでショッピングができるわけだ。
Money 2002のデータをPassportで保護するためのサインイン設定。Passportと連動していることで、パスワードを忘れてしまったときの回復も安全に行える。 |
「Moneyサイド」をウィンドウの左に表示したIE 6.0。Money 2002自体も、IEベースのカスタマイズアプリケーションとして動作している(製品CD-ROMにはIE 5.5を添付)。 |
オンラインサービスマネージャ。電子明細に対応した金融機関であれば、この画面から選択していくだけで、サービスを実施しているページのURLを自動設定できる。 |
自分の資産とローンを
的確に把握する
日々の収支を管理、把握する機能で目立つのは、集計表とグラフ機能の改善だ。前バージョンでも多彩なグラフを作成できたが、グラフの種類や閲覧期間の変更といったメニューが上下に分散して分かりにくかった。Money 2002では、ほかの機能と同様、左サイドにまとまったメニューで表示されるので、操作に迷うことは少ない。
月別の予算と使用金額を比較した年間予算グラフ。あらかじめ予算を作成し、併せて月間の収支傾向も確認すれば、家計動向が的確に把握できる。 |
日常的な操作性もいくらか改善されている。例えば、入出金予定ウィンドウでは、一覧の下にカレンダーが追加されたことで、予定と支払い日を簡単に照合できる。「残高予測」もユーザーごとの事情に合わせてより細かく設定できる。誤って削除してしまった取引記録のアンドゥ(削除の取り消し)もできるようになった。
株式や債券、投資信託、MMFといった投資商品の管理については、家計簿版でも、売買の入力、残高や取得価格、時価や運用実績の一覧表示などが可能だ。デラックス版では上記に加えて、インターネット上の金融情報と連動した最新価格の自動更新、多角的な分析や売買益の試算などがサポートされている。株式分割、企業の分割合併などに応じて、今までのデータを生かしたまま新たな状況を反映させることができる。
残高予測。資産や期間の設定に加えて、従来は自動的に決定されていた予測方法そのものをある程度指定できるようになった。 |
全体的に見て、Money 2002を導入する最大のメリットは、Passportとの統合・連携にあると言える。特にMoneyサイドは、実際に使ってみるとその便利さを実感できる機能だ。Money 2001ではバージョンアップを躊躇した人も、細かい操作性の改善と合わせて導入する価値は十分にある。
ひとつだけ相変わらず不満なのは、家族など複数のユーザーで使うことができるのに、ユーザーごとの支出の比較や調整が簡単にはできないことだ。筆者宅のような共働きの家庭では、家計を統合せず、費目ごとに支出を分担しているのだが、こうしたケースは決して珍しくはない。その場合、おのおのは日常の支出を入力しておき、毎月、各費目についてどちらがどのぐらい支出しているかを明示した上で、資産の移動・調整ができる機能があれば、もっと便利になるだろう。ぜひ次期バージョンアップで組み入れてほしいところだ。
価格 | オープンプライス (推定店頭価格:家計簿版6800円/デラックス版1万1800円) |
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HDD | 120MB以上 |
対応OS | Windows 98/Me/2000/XP |