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Microsoft Money 2002

Microsoft Money 2002

2001年11月22日 00時00分更新

文● culi

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インターネット上の決済を
安全に簡単に

 すでに利用している人も多いかと思うが、Microsoft PassportはMicrosoftが推進している個人認証を一元的に提供する機能だ。Passport対応の複数のWebサイトへのログインが一度で済むだけでなく、IDとパスワードを個々のサイトに直接送るリスクを避けられる。当然、Passportの通信はすべて暗号化されている。Passportに置かれたユーザーの個人情報は、ユーザーが許可した場合にだけ相手サイトに送られる。つまり、Passportサービスの「Passport wallet」に支払い情報(住所やクレジットカード番号)を登録しておけば、いちいち情報を入力することなくPassport対応サイトでショッピングができるわけだ。

Money 2002のデータをPassportで保護するためのサインイン設定。Passportと連動していることで、パスワードを忘れてしまったときの回復も安全に行える。
 さらに、Passportのサインイン名とパスワードを使って、PC上にあるMoneyのデータへのアクセスも保護される。万一外部からの侵入でMoneyのデータに不正にアクセスされても、犯人がPassportにサインインできない限り、そのデータは閲覧できない。



「Moneyサイド」をウィンドウの左に表示したIE 6.0。Money 2002自体も、IEベースのカスタマイズアプリケーションとして動作している(製品CD-ROMにはIE 5.5を添付)。
 Passportサービスをさらに有効活用できるのが、Money 2002の新機能「Moneyサイド」である。IE 5.5や6.0を使っていれば、Money 2002のインストール後にIEのツールバーに「Moneyサイド」ボタンが追加され、WebをブラウズしているIEの左サイドにMoneyの諸情報を表示させておける。Passportにサインインした上でMoneyサイドにPC内のMoneyデータを呼び出しておくと、現時点での資産の詳細や投資情報、口座の残高がショッピングで不足しないかなどを随時確認できる。また、Passportに対応していないショッピングサイトでも、住所やカード情報をフォーム入力するときにPassport walletの登録情報をMoneyサイドに表示しておき、ドラッグ&ドロップで直接入力できて便利だ。ショッピングのたびにカードを引っ張り出したり、PCの近くにメモを置く(あるいはテキストファイルを開いておく)といった危険を犯すことなく、便利にショッピングができる。



オンラインサービスマネージャ。電子明細に対応した金融機関であれば、この画面から選択していくだけで、サービスを実施しているページのURLを自動設定できる。
 このほか、インターネット上から最新の金融/投資情報を取得する機能、金融機関からの「Money電子明細」インポート機能や「Moneyホームバンキング」機能は、今までどおり利用可能だ。インターネットからの情報更新は、ユーザーが任意に情報更新間隔(最短1分単位)を設定できるようになった。新たに付加されたウィンドウ下部のステータスバーには最終更新日時が表示され、いつの情報なのか一目で確認できる。Money電子明細機能は、「オンラインサービスマネージャ」画面で一括管理できる。



自分の資産とローンを
的確に把握する

 日々の収支を管理、把握する機能で目立つのは、集計表とグラフ機能の改善だ。前バージョンでも多彩なグラフを作成できたが、グラフの種類や閲覧期間の変更といったメニューが上下に分散して分かりにくかった。Money 2002では、ほかの機能と同様、左サイドにまとまったメニューで表示されるので、操作に迷うことは少ない。

月別の予算と使用金額を比較した年間予算グラフ。あらかじめ予算を作成し、併せて月間の収支傾向も確認すれば、家計動向が的確に把握できる。
 便利な機能としては、一定期間内の収入と支出を月単位で比較表示するグラフが追加された。予算と実際の使用金額の比較機能も強化され、前バージョンでは表だけだった年間予算もグラフで表示できる。これらの統計データのエクスポート機能も標準搭載され、表やグラフをBMP、XML、CSVファイルで出力できるようになったので、Excelなどとリンクした作業の際に便利だ。

 日常的な操作性もいくらか改善されている。例えば、入出金予定ウィンドウでは、一覧の下にカレンダーが追加されたことで、予定と支払い日を簡単に照合できる。「残高予測」もユーザーごとの事情に合わせてより細かく設定できる。誤って削除してしまった取引記録のアンドゥ(削除の取り消し)もできるようになった。

 株式や債券、投資信託、MMFといった投資商品の管理については、家計簿版でも、売買の入力、残高や取得価格、時価や運用実績の一覧表示などが可能だ。デラックス版では上記に加えて、インターネット上の金融情報と連動した最新価格の自動更新、多角的な分析や売買益の試算などがサポートされている。株式分割、企業の分割合併などに応じて、今までのデータを生かしたまま新たな状況を反映させることができる。



残高予測。資産や期間の設定に加えて、従来は自動的に決定されていた予測方法そのものをある程度指定できるようになった。

 全体的に見て、Money 2002を導入する最大のメリットは、Passportとの統合・連携にあると言える。特にMoneyサイドは、実際に使ってみるとその便利さを実感できる機能だ。Money 2001ではバージョンアップを躊躇した人も、細かい操作性の改善と合わせて導入する価値は十分にある。
 ひとつだけ相変わらず不満なのは、家族など複数のユーザーで使うことができるのに、ユーザーごとの支出の比較や調整が簡単にはできないことだ。筆者宅のような共働きの家庭では、家計を統合せず、費目ごとに支出を分担しているのだが、こうしたケースは決して珍しくはない。その場合、おのおのは日常の支出を入力しておき、毎月、各費目についてどちらがどのぐらい支出しているかを明示した上で、資産の移動・調整ができる機能があれば、もっと便利になるだろう。ぜひ次期バージョンアップで組み入れてほしいところだ。

Microsoft Money 2002の主なスペック
価格 オープンプライス
(推定店頭価格:家計簿版6800円/デラックス版1万1800円)
HDD 120MB以上
対応OS Windows 98/Me/2000/XP

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