アセンシャル・ソフトウェア(株)(※1)は14日、企業が持つ情報資産を管理・運用するための統合ソフトウェア『DataStage XE 5.0 日本語版(データステージ XE)』を発表した。現在ローカライズを行なっており、2002年春以降、同社のパートナー企業を通じて販売を開始する。価格は3000万円程度になる予定。
※1 旧社名はインフォミックス(株)で、9月28日に社名を変更した。同社では、“インフォメーション・アセット・マネジメント(IAM:情報資産管理)”という構想を打ち立てている。これは、企業の持つデータ化された情報を、いかに管理し、ビジネスに有用な情報として抽出・活用するかという概念。企業が収集・作成したデータを、信頼性が高く再利用可能な“情報資産”に変換し、これを基に予測、実行、分析、協業、再利用などのビジネスアクションを行なうことによって、効率的な業務を行なえるとしている。
アセンシャル・ソフトウェアのIAM構想 |
『DataStage XE 5.0 日本語版』は、このIAMを行なうためのソフトウェアスイート。企業が、異なるサーバー/クライアント環境などに蓄積しているさまざまなデータ資産を抽出して統合し、任意の形式に変換してRDBサーバーや多次元データベースなどに書き出す機能“Extraction,Transformation and Loading:ETL”を持つ。
製品を構成するのは、ETL機能を提供するソフト『DataStage』と、ELTの過程におけるデータの品質を維持・保証する機能を提供するソフト『QualityStage』、およびデータの意味付けを行なうメタデータ管理機能を提供するソフト『MetaStage』の3つ。このうち『DataStage』と『QualityStage』は、すでに国内で販売しており、今回『MetaStage』の機能を向上させて日本語化し、3本をまとめたソフトウェアスイートとして提供する。また、『DateStage XE 5.0』の上位製品として、メインフレームをサポートする『DataStage XE/390 5.0 日本語版』も提供する。
アセンシャル・ソフトウェア社長のピート・フィオーリ氏 |
米アセンシャル・ソフトウェア社のピート・フィオーリ(Pete Fiore)社長は、「2005年までに、CRMやeビジネスを開始した企業が持つ情報は3倍になると予測される。そしてこのデータを瞬時に取り出し、い運用するという欲求は増え続けている。その中で、今回の製品によって提供する機能、生データから実際に情報資産を管理を行なえるようにする機能は非常に重要な意味を持つ」と述べた。また同氏は、「他社のこの分野での製品に比べると、コアのデータのやりとりや、データを統合し、統合したデータを管理する機能はほかにない。このような製品を日本の市場に導入できるのは素晴らしいことだ。どの企業も『DateStage XE 5.0 日本語版』を必要と思うようになるだろう」と述べた。
日立が提唱する“eとEの統合” |
また、同社と共同して、DateStage製品ファミリーの日本語化および検証作業を行なっている(株)日立製作所 ソフトウェア事業部エグゼクティブサーバマネージャの吉村紀久雄氏は「我々は、ネットワークによるスピードのある新ビジネス“eビジネス”と、お客様の企業が持つ、基幹ビジネスの強みとノウハウの蓄積“Enterprise”を統合することによって、より強力な基幹ビジネス“Eビジネス”へと進化させる手伝いをしている。これを“eとEの統合”と呼んでいるが、『DataStage XE 5.0 日本語版』は、この“eとEの統合”を実現するための基盤製品になるだろう。日立はアセンシャルと協力して、日本のIAM市場を開拓し、リードしてゆく」と述べた。
同製品に対応したプラットフォームは、Microsoft Windows NT/2000、COMPAQ Tru64 UNIX、HP HP-UX、IBM AIX、Sun Solaris、IBM OS/390、Linuxとなっている。