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参上、特撮ヒーローアドベンチャー!PS2版「正義の味方」発売直前、ディレクター・上永吉岳宏氏に聞く!!

2001年11月13日 23時25分更新

文● 吉沢晃一

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――特撮ゲームらしく、ヒーローカードを集めることもできるんですね。

ヒーローカード

【上永吉】ええ、特撮ヒーロー物にカードは必須だろうと(笑) カードは各話が終わった時点での視聴率の数字によってもらえる枚数が決まります。各話で取れる最高視聴率に近いと最高の6枚が一度にもらえます。全9話、合計54枚をコンプリートするにはかなりやりこむ必要がありますね。

――「視聴者からのお便り」というのは、どういうものですか?



上永吉氏

【上永吉】各話が終わったあとで見られるもので、プレイヤーが「どう番組を作ったか」に対する評価ですね。このゲームはイベントを見なくても先に進めてしまうので、事件がない話にしてしまったとか、裏のストーリーになってしまった場合があります。それに対して「今週のヒーローはちゃんと戦わなかったですね…」などというハガキが来てしまうわけです。これを見れば、プレイヤーがどれだけイベントを体験できたかがわかります。あと、「ミニゲーム」もたくさん用意してあります。早めにどこに行けばいいかが判ってしまって暇になったときにはそれで楽しんでください。ミニゲームでも視聴率を稼ぐことができますよ。

――ミニゲームというのは?

【上永吉】ゲーム中に登場するNPCに話しかけると始まる、ゲーム内ゲームですね。クイズや風船割りなど、難易度のパターンも入れると合計130種類くらいあります。たとえば、おしっこが漏れそうになっている男の子をトイレまで連れて行く。時間内に連れて行けなければ漏らしてしまう(笑)けど、間に合えば視聴率が上がる、といった具合ですね。彼らの困っている理由を聞いて、ちょっとした正義感で挑んでください(笑)

 2度目以降のプレイでは話の流れが見えているでしょうから、事件の発生する場所もだいたい分かってるでしょう。そういった時はミニゲームで時間ギリギリまで視聴率を稼いでほしいですね。ただ、夢中になりすぎてイベントの時間に間に合わないなんてことはよくあります。こうなると必死に走らなくてはならないので、番組的には盛り上がりますね(笑)

迫力のイベントシーンは、特撮番組の元スタッフが演出!!

――ヒーロー物の肝の部分は戦闘シーンだと思いますが、このゲームではどのようにすすめるのですか?



戦闘画面
戦闘は“音ゲー”の感覚。タイミングよくコマンドを入力するだけだ

【上永吉】ゲームとしての難易度は抑えていますので、簡単な操作で必殺技が出せます。だから、むしろ“番組として戦闘シーンをどう作り上げるか”に主眼を置いて戦ってもらうといいでしょう。たとえば最初は敵からダメージを食らって、瀕死の状態から必殺技を出して勝つと視聴率がグーンと上がります。単に殴っているだけでも勝てますが、視聴率は上がりにくくなります。1番いいのは敵の必殺技を出させてから、自分の必殺技で勝つパターンですね。

――必殺技はいくつあるんですか?

【上永吉】ヒーローの必殺技は6種類あります。敵にも必殺技が2種類ずつありますので、全部で40種類以上のムービーが用意してある計算ですね。敵の必殺技は特撮ファンに喜んでもらうため、ワザとコミカルな感じにしてあります。たとえば怪人ボンダンスというキャラの必殺技は火炎放射なんですが、アングルを真横にして、いかにも合成風の映像にしています(笑) ボンダンスは毒ガスも使うんですが、この毒ガスをよけると…「おいおい、そのアイテムどこから出したんだ!」っていうようなシーンが見られますよ(笑)

――かなりのこだわりがあるムービーになっていますね。

【上永吉】以前、特撮番組に関わっていたスタッフが開発に参加しているんですよ。その人たちに絵コンテや演出をやってもらっているので、シーンの作りこみや面白さではかなり自信があります。特に「特撮番組ならではのツボ」は抑えてあるんで、マニアならマニアなほどわかってもらえるんじゃないでしょうか。



実際、どんなストーリーなの?

――ストーリーについてお聞きしますが、コメディ調で始まったと思ったら、実は…という展開になっていますね。

ゲネスのダークレディ

【上永吉】舞台は日本のどこかにある只野市という街で、そこにふらりとやってきた主人公が、悪の組織「ゲネス」と遭遇するところから物語が始まります。冒頭はコミカルに始まりますが、ヒーローの行動の結果が、街の人たちの利益に反することになって…というようなことも起こりますね。ハカイダーのような主人公のライバルキャラも登場して、主人公、ヒロイン、敵組織「ゲネス」の首領、大幹部のダークブレード、ダークレディと、さらに彼らの隠された謎などが、先に進むごとにひとつに集約していきます。ちなみに、街のNPCたちにもストーリーが用意されているんですよ、登場する160人すべてに。1話から9話までの間、彼らなりにドラマを繰り広げていきます。ハンバーガーショップにいる、2人組のおじさんのリストラ物語は必見です(笑)

――隠された謎というのは悪の組織「ゲネス」の首領に関することですか?

【上永吉】「ゲネス」は世界征服をテーマに、とりあえず只野市という街から手をつけています。しかし、実はその陰で…という感じですね。アジャラやダークレディの過去など、謎は色々ありますけど、あまり言い過ぎると楽しみが減ってしまいますので、これくらいにしておきます(笑)

――お約束を押さえつつ、ゲームとしては新しい、そんな印象ですね。



参上!

【上永吉】実際、小さな子に遊んでもらったらかなり受けはよかったんですが、正義の味方のターゲットのメインはヒーロー番組が好きな20代から30代と考えています。特撮好きだけどゲームはやっていないという人にも、ぜひプレイしてほしいですね。

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