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NTTコムウェアほか2社、オブジェクト指向技術の普及で技術者向けコミュニティー“OOTコミュニティ”を開設

2001年11月07日 21時29分更新

文● 編集部 田口敏之

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エヌ・ティ・ティ コムウェア(株)と日本ラショナルソフトウェア(株)、(株)コンポーネントスクエアの3社は、オブジェクト指向技術(Object Oriented Technology)やコンポーネントベースのソフトウェア開発手法を普及させるための非営利のオープンなコミュニティー“OOT(オブジェクト指向技術)コミュニティ”をインターネット上に開設すると発表した。3社は、設立準備室を共同で設置し、2002年1月の開設をめどに、本格的に活動を開始した。

“OOTコミュニティ”では、ソフトウェア開発技術者を対象に、オブジェクト指向技術やその開発手法、各種の開発ツールの統合された開発環境、およびソフトウェア・コンポーネント流通に関するノウハウなどの情報を、積極的に提供・発信していく。コミュニティー参加者の間で情報を相互に提供しあい、開発したコンポーネントの流通を図ることで、ソフトウェア開発業界全体のスキルアップと、生産性を向上させるのが狙い。具体的にはウェブサイト上の掲示板や、メーリングリストなどを使った情報交換の場になる予定だという。会員の登録および会費については無料。

NTTコムウェアは、ASPによるソフトウェア開発環境を“OOTコミュニティ”に提供し、技術者へのOOTによるソフトウェア開発プロセスの導入を支援する。日本ラショナルソフトウェアは、UML(Unified Modeling Language)を含む、米ラショナルソフトウェア社のオブジェクト指向技術やソフトウェア開発手法の最新情報を提供していく。またコンポーネントスクエアは、ソフトウェア・コンポーネントの再利用に関するノウハウや事例を紹介するとともに、コミュニティー参加者間のコンポーネント流通を支援する。“OOTコミュニティ”の立ち上げはこの3社によって行なうが、活動に賛同し、サポートなどを行なう企業も募集している。すでに、ソフトウェア開発技術者向けのウェブサイトを構築・運営している(株)アットマーク・アイティがサポートを約束しているほか、いくつかの企業と話し合いが進んでいるという。

右から、NTTコムウェア取締役IT商品本部商品企画部長の長野宏宣氏、日本ラショナルソフトウェアの齊藤肇氏
右から、NTTコムウェア取締役IT商品本部商品企画部長の長野宏宣氏、日本ラショナルソフトウェアの齊藤肇氏

NTTコムウェア取締役IT商品本部商品企画部長の長野宏宣氏は、「ITの急速な発展に伴って、教育の観点も変わってきている。米国では、ほとんどの大学がJavaを教えて技術者を生み出しているが、日本国内でJavaを勉強しようとすると、企業に入ってから独学で学ばなければならない。この、日本とアメリカの技術者の層の厚さの違い考えると、危機感を覚える。この状況を変えていかなければならないと考え、我々のような営利企業が非営利のコミュニティーを創設した。このコミュニティーで技術者の方々が互いに情報交換を行ない、切磋琢磨してレベルアップを図ることが、日本のソフトウェア業界の発展につながればと思っている」と述べた。

コンポーネントスクエア代表取締役社長の田村俊明氏
コンポーネントスクエア代表取締役社長の田村俊明氏

また、コンポーネントスクエア代表取締役社長の田村俊明氏は、「コミュニティーを通じて、UMLやJavaといった、世界レベルのソフトウェア開発の共通言語を、日本で普及させていきたい。また、開発のための標準語を創りだし、それを自由に駆使して、日本の技術者がワールドワイドに対抗していけるようにしたい。我々が対象とする市場は日本国内だけではない」と述べた。また同氏は「コミュニティーは非営利であり、まずは日本のソフトウェア技術者の底上げをすることが目的だ。日本の技術者に、JavaやUMLなどのオブジェクト指向技術や、コンポーネントベースのソフトウェア開発手法が広まれば、自然とNTTコムウェアのASPによる開発環境や、日本ラショナルソフトウェアの開発ツールを利用する技術者、また弊社のソフトウェア・コンポーネントの流通・販売サービスを利用する技術者が増えていくと思うし、ビジネスにもつながっていくだろう」と今後の見通しについて語った。

“OOTコミュニティ”では、同コミュニティーが提供する情報を必要とする技術者が、日本国内だけでも10万人いると見積もっており、多くの参加者を見込んでいる。

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