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シリコンスタジオと日本HP、デジタルコンテンツおよびCGの制作・開発環境で提携

2001年09月12日 19時37分更新

文● 編集部 中西祥智

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シリコンスタジオ(株)および日本ヒューレット・パッカード(株)は12日、DCC(Digital Contents Creation)や、CGの制作・開発環境の提供に関して、提携すると発表した。

今回の提携によって、シリコンスタジオは日本HPのWindowsワークステーションに、3DCGモデリングソフトやビデオ編集ソフトなどをインストールして販売する。また、技術・販売面での相互支援や、共同でのマーケティングなども行なう。

シリコンスタジオの北恭一郎インダストリーセールス統括部長シリコンスタジオの北恭一郎インダストリーセールス統括部長

シリコンスタジオは、これまで日本SGI(株)のワークステーションを販売してきた。同日の記者発表会で、シリコンスタジオの北恭一郎インダストリーセールス統括部長は、日本HPのワークステーションを販売する理由について、「日本SGIの、IA-32ワークステーションのロードマップに、不安を感じた」ことと「常に最新の環境をいち早くテストできるという、インテグレーションの観点から、日本HPが最適である」ことがあると語った。ただし、UNIX版(IRIX)のワークステーションについては、引き続き日本SGIの製品を販売する。現在の同社の、WindowsワークステーションとUNIXのそれの、金額ベースでの比率は4対6。これはUNIXワークステーションの方が利幅が大きいためで、台数ベースでは比率は逆転するという。

デジタルコンテンツの市場規模
デジタルコンテンツの市場規模

シリコンスタジオによると、デジタルコンテンツの市場規模は2000年の実績で9兆9735億円、2001年の予測は12兆256億円。市場は拡大しているが単価は下がり、制作・開発環境の1システムあたりの利益は「非常に厳しい」という。

また、日本HPビジネスカスタマ事業統括本部の望月学テクニカルビジネス本部長は今回の提携について、「ブロードバンドのコンテンツはまだまだ貧弱」であり、それを強化する開発環境を整備するためだとしている。単にワークステーションというハードウェアだけでなく、その上で動くソフトウェアといった付加価値と共に、総合的なソリューションとしての販売を強化する狙いがあると思われる。望月氏は「ブロードバンド=HP」と言われるために、必要な投資は積極的に行なうと語った。

日本HPビジネスカスタマ事業統括本部の望月学テクニカルビジネス本部長日本HPビジネスカスタマ事業統括本部の望月学テクニカルビジネス本部長

提携の具体的な内容は、日本HPの3種類のワークステーション、『hp workstation x1000/2000/4000』を、シリコンスタジオが3DCGモデリングソフトやウェブオーサリングソフト、ゲーム開発用のミドルウェアなどと共に提供する。シリコンスタジオは、3Dモデリングソフトとして『LightWave 3D』や『Maya』、および『3ds max』、ビデオ編集・合成ソフトは『combustion(コンバッション)』(※1)、ウェブオーサリングソフトでは仏REALVIZ社の『ImageModeler』および『Stitcher』、ゲーム開発用ミドルウェアとして米Intrinsic Graphics社の『ALCHEMY』(※2)を提供する。

※1 オートデスク(株)のディスクリート部門が開発したソフト。同社の同種のソフト『inferno』の約80%の機能をサポートし、また、よく似たインターフェースを装備するという。

※2 アメリカのベンチャー企業Intrinsic Graphics社が開発したミドルウェアで、同ミドルウェア上で開発することで、XboxやPS2、GCなど、異なるプラットフォーム向けのゲームを一括して開発できるという。

『hp workstation x1000/2000/4000』
『hp workstation x1000/2000/4000』

両社は、これらのソリューションをゲーム開発会社や放送局、映像プロダクション、コンテンツプロバイダー向けに提供していく。望月氏は、今回の提携によって「DCC市場におけるシェアを拡大し、そしてIT市場全体でのシェア獲得を目指したい」との希望を語った。

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