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日立、走査プローブ顕微鏡を利用したナノパターン加工技術を開発

2001年09月05日 23時37分更新

文● 編集部

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(株)日立製作所の基礎研究所は5日、線幅25nmのパターンを作成するナノパターン加工技術を開発したと発表した。これは原子の凹凸を観察するための走査プローブ顕微鏡(SPM)を利用したもの。走査プローブ顕微鏡を利用した従来の方法では、ドットパターンを含むような複雑なパターンの加工が難しかったため、新たに“定電流制御技術”と“定電圧制御技術”の2つの電子線照射技術を開発することで、ナノパターン形成を可能にしたという。

“定電流制御技術”は、均一な線幅のラインパターンの再現性を上げるために、レジスト膜への電子線照射量を一定にするように制御する技術で、ネガ型レジストを利用した実験では最小15nmのパターンを形成できたという。

“定電圧制御技術”は、定電流制御では形状が崩れてしまうドットパターンなどに対して、定電流制御によるラインパターン加工の際に印加した電圧値を利用してドットパターンを描画する技術で、描画距離が短ければ定電圧制御でも短針から基板への照射電流がほぼ一定に保たれる特性を利用したもの。

この2つの技術を使い分けることで、25nmオーダーの複雑で微細なパターンを作成できるようになったという。

同社では、国内の研究機関向けに、11月1日から研究開発紹介サイト“i-engineering”で技術提供を開始するとしている。

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