CPUの正式発売前からi845マザーボードの新製品ラッシュとなったが、そのほとんどはご存知のとおりμPGA478に対応したもの。そんななか、ソケットが従来のSocket423に対応したi845マザーボードがAbitとMSIから登場した。Abitからは「BW7」と「BW7-RAID」、MSIからは「845 Pro」がそれぞれアキバにデビューしている。
Abit「BW7」「BW7-RAID」
さてBW7とBW7-RAIDだが、いずれも先に登場したμPGA478対応版i845マザーボード「BL7」「BL7-RAID」との違いは、単にCPUソケットだけと認識して問題ないだろう。並べてみると、微妙に配置の異なるパーツがあるほか、基板の色がBL7/BL7-RAIDではAbit製マザーボードに多い黄土色だったのが、BW7/BW7-RAIDでは緑色に変わっているものの、レイアウトは酷似。あえて細かい違いを探すと、CPUソケット脇に配置されるコンデンサの仕様が異なっている。
BL7(左)とBW7(右)の比較。拡張スロットがAGP×1、PCI×6、CNR×1でDIMMスロットが3本、AC'97サウンドコーデックオンボード、RAIDモデルは“HPT-370”を搭載することなど、基本的な仕様はまったく同じ。もちろん、今回もボード上に電源/リセットスイッチを搭載している |
オーバークロック設定はAbitのマザーボードらしく豊富だ。お馴染みのCPU SoftMenuIIIにより、FSBは100MHzから最大250MHzまで1MHz刻みで設定可能。近日の登場が予想されるPentium 4-2GHzなら、最大3.5GHzまで設定できる計算になる。もちろん、そんなクロックで動作するとは思えないが…。ちなみに、VCoreの電圧も可変である。
LEDについて解説しているマニュアル |
なお、最初に出回ったBL7/BL7-RAIDにはマニュアルが付属していなかったが、BW7/BW7-RAIDは問題なく英語マニュアルが同梱されている。また余談になるが、24日から25日にかけて入荷したBL7/BL7-RAIDはマニュアルを同梱しており、現在アキバにはマニュアルのある製品とない製品、2種類が流通しているので、購入の際には要注意。
価格 | ショップ |
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BW7 | |
\19,800 | PCiN秋葉原 |
\21,800 | コムサテライト3号店 BLESS 秋葉原本店 |
\22,800 | TWOTOP 2号店 |
BW7-RAID | |
\22,800 | PCiN秋葉原 |
\25,300 | コムサテライト3号店 |
\25,500 | BLESS 秋葉原本店 |
\25,800 | TWOTOP 2号店 |
MSI「845 Pro」
845 Proは845 Pro2のSocket423版。こちらの2製品には、いくつか明確な違いがある。まず、845 Pro2はビビッドな赤い基板がその特徴の1つだったが、845 Proはよくある緑色の基板となっている。また、845 Pro2がNorth Bridgeに装備していたチップクーラーは、845 Proでヒートシンクへ換装。さらに、PCIスロットが6本から5本へと減っているほか、845 Pro2では見られたRAIDコントローラ用の空きパターンが845 Proには存在しないなど、単なるソケット換装モデルと言うよりは、廉価版といった印象の方が強い。それは価格にも反映されており、多くのショップで最初から2万円を割り込んでいる。
なお、FSBは100~190MHzの範囲を1MHz単位で設定可能。また、VCore/DIMM電圧もユーザー側で設定できる。
価格 | ショップ |
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\17,800 | TWOTOP 1号店(週末特価) TWOTOP 2号店(週末特価) |
\18,980 | コムサテライト3号店 |
\19,800 | 高速電脳 |
\20,999 | TSUKUMO eX. |
今回登場したSocket423 CPU用i845マザーボードだが、積極的にこれらを選ぶ理由はあまりないと言えるだろう。Intelのロードマップを見ても、今後Pentium 4の主流がμPGA478になることは間違いなく、i845+Socket423という組み合わせの寿命はそれほど長くないと考えられる。現在、i850マザーボードでPentium 4を使用している人が乗り換えるとは到底思えないだけに登場には疑問符が付くところだが、PCメーカーが大量のSocket423版Pentium 4の在庫を抱えているという噂を耳にするに、PCメーカー用の配慮といった感が強そうだ。
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