新型の478ピン形状版Pentium 4に対応するSupermicroのi845チップセット搭載マザーボードが登場するしないでアキバ中が色めき立ったのは記憶に新しい。結局Supermicro製品は登場しなかったのだが、今週になって突然Abitからその478ピンソケットを搭載するマザーボード「TH7II」が現れた。もちろんアキバ初登場だ。
TH7IIは、今月末の登場が噂される478ピン版(μPGA478ピンスロット版)Pentium 4に対応する。ただしチップセットはi850で、i845ではない。このため、メモリスロットはRIMM×4だ。現在流通しているAbit製i850マザーボード「TH7-RAID」を、ソケット形状だけ従来のPGA423ピンからμPGA478ピン対応へと換えたものと考えていいだろう。ソケット形状以外、TH7IIとTH7-RAIDの基本的な仕様はほぼ同じと言うわけだ。IDE RAIDコントローラの有無や、ソケット以外の部分でもレイアウトに微妙な違いは見えるが、AGP×1、PCI×5、CNR×1という拡張スロットの数や、SoftMenuIIIでFSBを1MHz刻みで設定できる点、VCoreなども可変な点はこれまでどおり。
RIMM×4。最大2GBまで搭載可能だ |
付属のリテンションをはめてみる |
とは言うものの、見た目の差は大きい。North Bridge(MCH)とほとんど変わらない大きさのμPGA478ピンソケットがぽつん、と置かれているさまはかなり印象的だ。ソケットの周囲が閑散としているように見えるのはここに巨大なCPUクーラーを設置するためで、TH7IIにはクーラー用のリテンションが付属。また、478ピン版Pentium 4の設置方法についてはマニュアルで細かく解説がなされている。今のところ478ピン版Pentium 4のリテールCPUクーラー形状は明らかになっていないが、イラストを見る限り、かなり大がかりなものになりそうである。
ちなみに登場が噂されるPentium 4は「Willamette-478」と呼ばれているもの。製造プロセスは現行のPGA423ソケット版Pentium 4(Willametteコア)と同じ0.18μmで、パッケージを新型のμPGA478ソケットに対応させたCPUである。
CPUクーラーの取りつけ方について解説するマニュアル。イラストを見る限りではかなり大きい |
なぜか実装している電源&リセットボタン。もちろん、電源、リセットボタン用のピンは別に用意されているので安心だ |
なおTH7IIには、なぜかATX電源とリセットのスイッチがボード上に実装されている。β版や評価用マザーボードには、利便性のため取りつけられていることが珍しくないが、製品版で取り払われていないというのはかなりレアなケースだ。オーバークロッカーにファンの多いAbitだけに、ケースに入れることなくいろいろとテストしたいユーザーのための配慮なのかもしれない。
価格は、クレバリー1号店と3号店で2万4800円。対応CPUがないため動作確認のしようがないため、478ピン版Pentium 4が出てくるまでの間は商品というより“展示品”になってしまうかも?