●テスト環境
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実験に使用したPC100 CL2 128MB SDRAM |
今回のテストから、過去のテストで活用していたパーツの一部を変更し新たなテスト環境を構築したので紹介しておこう。まず、OSをこれまでのWindows98 Second EditionからWindows Meに変更した。当初、Windows2000に変える予定だったが、【表2】のパーツとTUSL2-Cで組んだPC(当然CPUはPentiumIII-S-1.13GHz)にWindows 2000をインストールした後、予定したベンチマークテストの内でSYSmark 2000がどうもうまく実行できないトラブルに見まわれた。加えて3D mark 2000 Ver1.1と3D mark 2001もビデオドライバに左右されて不安定な一面を見せるのだ。ところがWindows Meだと安定しており、一連のテストが無難にこなせたことからWindows 2000をあきらめてWindows Meに決定した経緯がある。次ぎにビデオカードをこれまでのGeForce2 MX 32MBからGeForce2 Ultra DDR-64MBを搭載するELSA GLADIACに変更してアップグレードしている。今のところ、このビデオカードに改造は施しておらず、コアやメモリークロックに変更はない。その他のパーツに変更はないが、次の機会にでもHDDを新調したいと考えている。余談ではあるが筆者はこちらのレポートが気になって虎視眈々と狙っているのだが…。なお、メモリは、手持ちのSDRAMの中からマッチングの良かった1枚を選出して装着した。それは、Apacer製PC100 CL2スペックで容量は128MBである。
【表2】
OS |
Windows Me |
DirectX |
Ver.8.0 |
ビデオ |
ELSA GLADIAC ULTRA(GeForce2Ultra DDR64MB) |
ドライバー |
Ver4.13.01.1240 |
解像度 |
1024×768ドット/32bitカラー |
HDD |
IBM DTLA-307020 |
ヒートシンク |
KANIE Hedgehog-238M |
一方、比較対照として従来のPentium IIIを用意するのでは、もう結果が見え見えなので、あえてAthlonを準備した(ただし、先頃に発売されたAthlon MPではない普通のAthlon-1.33GHzである)。このCPUであれば、Pentium III-Sと同じ8.5倍速に操作可能なので条件が揃うのだが、メモリはSDRAMとDDR SDRAMで異なってしまう。このあたりは、セカンドキャッシュの容量差もあってどういう結果が出るか興味深いところだ。なお、ベンチマークテストのオーダーは、これまでと同様に【表3】の通りとして順次計測した。また、システムに設定したパラメータ内容は【表4】を参照してほしい。ベンチマーク結果は、次のページに示しているが、前出のレビュー記事に掲載されたベンチマーク結果のうち、Pentium 4-1.8GHzと比較すると多少の条件違いがあるものの、おもしろい結果となっている。特にSuperπの計算速度において1.33GHzにオーバークロックしたPentium III-Sは、Pentium 4-1.8GHzの98秒を凌いでしまうのだから素質は良いだろう。ところが、同一クロックで動作するAthlonとなるとなかなか手強いようで、Superπはほぼ互角か、厳しく言えば若干下回っている。3Dベンチも同じ傾向を示しているが唯一、SYSmark 2000のスコアーで高得点をマークしているあたりは、PentiumIII-Sの肩書き(サーバー用途向けCPU)通りなのかも知れない。
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H.Oda!氏作のWCPUIDによる測定結果画像 |
この他に今回のテストで気づいた点としては、FSB設定クロックを順次高くして計測する中で158MHzの時点においてSuperπが最初にエラーを吐いた。これまでのAthlonマシンだと先にビデオ系ベンチマークがアゴを出す格好だったが、このPentium III-Sマシンにおいては、勝手が違って少しだけ(FSB設定クロックで2MHzほどだが)余裕があるようだ(念のためにビデオカードをGeForce2 MXに取りかえてテストしてみたがその傾向は変わらなかった)。
最後にこのPentium III-Sが動作する最高クロックを調べてみたのだが、FSB設定クロック161MHz(CPU内部クロック1.36GHz)より高い周波数設定だとWindowsのスタンバイまでたどりつけなかった。これは、メモリークロックを下げても同じ結果だったのでほぼCPUの限界と考えてよいだろう。ただ、コア電圧を操作させてもらえないところに少々の不満を感じたのだが、標準電圧で20%ほどのオーバークロック耐性を示すなら悪くはないだろう。もしも、コア電圧が操作可能なマザーボードを今後テストする機会があれば試してみよう。
【表3】
Superπ |
104万桁 |
3D mark 2000 Ver1.1 |
3D marks、CPU 3D marks |
3D mark 2001 |
3D marks |
SYSmark 2000 |
Internet Content Creation、Office Productivity |
【表4】
マザーボード名 |
TUSL2-C |
EP-8K7A |
コア電圧 |
1.45V |
1.75V |
IO電圧・DDR電圧 |
3.40V |
2.8V |
FSB設定クロック |
133.3MHz |
156MHz |
156MHz |
CPU倍率 |
8.5倍(固定) |
8.5倍 |
CPUクロック |
1.13GHz |
1.33GHz |
1.33GHz |
BIOSリビジョン |
1007 |
1060 |
メモリクロック |
133.3MHz |
157MHz |
157MHz |
メモリ |
Apacer製PC100 CL2 128MB×1 |
PC2100 CL=2.5 128MB(Crucial Technology) |
CAS Latency |
2 |
3 |
2.5 |
RAS to CAS Delay |
2 |
2 |
2 |
RAS Precharge Time |
2 |
2 |
2 |
Cycle Time(Tras、Trc) |
5T、7T |
7T、9T |
7T、9T |
Super Bypass Mode |
- |
- |
Enabled |
室温 |
25℃ |
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26℃ |