ツァイスレンズと14bit A/Dコンバータの実力
撮影時のメニュー画面(MENUボタンを押して表示される画面)。ここではカーソルキーの左右と上下を使って解像度などを選択する。現在のシャッター速度と絞り値などは上側のモノクロ液晶に表示される。 |
操作性に関してもS75と変わるところはないので、詳細に関してはS75のレビューを参照してもらいたいが、特筆すべきはやはり「ジョグダイヤル」による操作方式だろう。露出/絞り/シャッター速度などの項目と数値の選択が親指だけで簡単に行えるのは使いやすい。しかし、ジョグダイヤルが軽快に使える分、いったん液晶にメニューを表示させて項目を選択するモードに入った時にカーソルキー操作しか受け付けず、ジョグダイヤルでは操作できないのには戸惑ってしまう。
撮影サンプル1(F8.0、1/800)。元画像は2272×1704ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。 |
画質に関しては、シャープネスに若干欠けるように感じるものの、描写力は非常に高い。自然な発色で特にどぎつい感じも受けず、ハイライト部からシャドウ部まで階調のトビがほとんど見られないのは14bitのA/Dコンバータによる階調表現の威力だろう。
撮影サンプル1を640×480ドットにトリミングしたもの。エッジがシャープだが、青空に若干ノイズが残っている。 |
東芝、カシオ、オリンパスと、400万画素クラスのデジタルカメラも順調に出揃ってきた。S85は、14bit A/Dコンバータによる高い階調表現力や、S75からの良好な操作性、オートブラケティングも可能にしたバッファの増量といった改良が施されている実力派だ。高級感のある外装やカール・ツァイスのブランドイメージも相まって、400万画素クラスデジタルカメラの中でもかなり購買欲をそそる製品であることは間違いない。
撮影サンプル2(F2.2、1/1000)。シャッター速度優先で1/1000で撮影すると水滴の飛沫も撮影できる。元画像は2272×1704ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。 |
撮影サンプル2を640×480ドットにトリミングしたもの。 |
撮影サンプル3(F7.1、1/500)。マクロモードでの撮影。発色はやわらかめで自然な色合いだ。 |
撮影サンプル4(F8.0、1/800)。ビルに反射した光はハイライトとなっているが、階調のとびもほとんどなくシャドウ部まできちんと描写されている。また、画面端の部分の歪みも少ない。元画像は2272×1704ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。 |
撮影サンプル4を640×480ドットにトリミングしたもの。ハイコントラストな絵のためか、ビルの側面や雲が覆っていた空などはノイジーになってしまった。 |
撮像素子 | 1/1.8インチ413万(有効398万)画素CCD |
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レンズ | 光学3倍ズーム、34~102mm(35mmフィルムカメラ換算)、F2~2.5 |
シャッター速度 | 8~1/1000秒 |
絞り | F2.0~8.0 |
記録画素数 | 2272×1704/2272×1520(3:2)/1600×1200/1280×960/640×480ドット |
動画記録 | 320×240(連続15秒)/320×240(22分40秒)/160×112(約90分)ドット、MPEG1形式 |
記録メディア | メモリースティック |
インターフェイス | USB、AV出力、アクセサリ(外部フラッシュ)端子 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(「インフォリチウムM」バッテリ) |
駆動時間 | 撮影:約3000枚/約180分、再生:約270分 |
本体サイズ | 117(W)×64(D)×71(H)mm |
重量 | 352g(本体のみ)/462g(電池、メモリースティック、ストラップ含む) |