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FC-PGA2版PentiumIII-1GHz |
FC-PGA2パッケージ版PentiumIIIの流通が21日から始まった。今回FC-PGA2パッケージで登場したのはPentiumIII-1GHzのリテールボックス。S-Specは“SL5FQ”となっている。FSBは133MHz、電圧は1.75Vで、すでに出回っているcD0ステッピングコアのPentiumIIIがFC-PGA2パッケージを採用したものと思われる。つまりコアは0.18μmプロセス製造Coppermineのまま。次期PentiumIIIと言われるTualatinコアではない。
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裏面。cD0ステッピングコアのFC-PGAパッケージ版PentiumIIIとまったく同じだ |
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IHS上にはなんの刻印もない |
FC-PGA2パッケージの見た目はPentium 4/Xeonとよく似ており、ヒートスプレッダ(IHS:Integrated Heat Spreader)がコアを覆っている。一方で、Pentium 4/Xeonでは刻まれていた製品名ロゴやスペックなどの表記がIHS上にはいっさいないのが外見上の大きな違いだ。スペックなどの表記方法はcD0ステッピングコアのFC-PGAパッケージ版PentiumIIIとほぼ同じで、上下の黒い帯状の部分に表記されている。また、cD0ステッピングコアのFC-PGAパッケージ版PentiumIIIで削除されていた“PentiumIII”の表記がFC-PGA2で復活した。
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“PentiumIII”の表記が復活している |
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IHSの分、かなり背が高くなっている |
注意したい点としては、IHSの分だけ背が高くなるため、リテンションが届かないなどの不都合から従来のCPUクーラーを装着できない場合もあることが挙げられるだろう。すでにショップ店頭では“FC-PGA2”対応のCPUクーラーもいくつか販売されている。
リテールボックスに付属するCPUクーラーは従来の1GHz用CPUクーラーとほぼ同じもの。底面に貼りつけられた熱伝導シートはFC-PGA2の大きさに合わせ、大きくなっている点が異なる程度だ。固定方法も同じだが、リテンション用の留め具のデザインが若干変更されているように見える。
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リテンションの留め具。少なくとも色は変更になっている |
リテールボックス上の印刷は、FC-PGA2パッケージを採用したことで、最近混乱を呼んでいるFC-PGAパッケージのPentiumIIIリテールボックスと一部が異なっている。特に大きいのは側面に貼られたシールで、“FC-PGA2”という表記を確認すればFC-PGA版PentiumIIIと区別可能だろう。また、IHSを装備したことでボックス上の印刷が従来の“Variable Speed Fan Heatsink”からPentium 4と同じく“Intel Designed Thermal Solution”となった点でも区別は付けられる。細かいところでは、ボックス裏面の“Product Features”にも微妙な変化が確認できた。もっとも、全体的なデザインはほとんど同じため、引き続き注意は必要なのだが。
ちなみに21日現在、販売を開始しているのは高速電脳とPCiN秋葉原で、価格は2万5800円。FC-PGAパッケージ版よりも若干高いが、これは“初物ご祝儀価格”といったところか。
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FC-PGA2版(左)と、FC-PGA版(右)のリテールボックス上表記 |
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ボックス裏面の“Product Features”にも微妙な変化がある。左がFC-PGA2で、右がFC-PGA |
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販売中のようす |
なお、IntelのウェブサイトにあるPentiumIII Processor Specification Updateを要約すると、FC-PGA2は866MHz/933MHz/1GHz/1.13GHzがラインナップにある。
また、すでにIntelのウェブサイトに掲載されているTualatinについてのデータシートによれば、どうやらTualatinは1.13GHzから、2次キャッシュを現行の256KBから512KBへ増強して登場するもよう。パッケージはFC-PGA2のみとなる。バルク品は7月中旬までに、リテールボックスは8月に登場するというショップもいくつかあるが、現在のところ具体的な日付は不明だ。
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