インターピア(株)、(株)廣済堂、(株)イーブックイニシアティブジャパンの3社は15日、インターピアが運営するインターネットカフェ“Necca(ネッカ)”渋谷店の店内で、マンガやアイドル写真集などのイーブックをパソコンで自由に閲覧できるサービスを開始したと発表した。
インターネットカフェ“Necca”渋谷店でスタートしたイーブック閲覧サービス |
Neccaは、韓国式インターネットカフェ“PC房(バン)”を日本向けにローカライズしたインターネットコミュニティースペース。直営店である渋谷店では、ネットワークゲームや、アニメーションや音楽などのブロードバンド向けコンテンツなどを楽しめる。パソコン利用料金は1分8円(1時間500円)で、料金を支払えばパソコンで自分の好きなコンテンツを利用できる。
今回のイーブック閲覧サービスは、イーブックをコンテンツの1つとして利用できるもので、上記の料金を支払えば好きなイーブックを自由に閲覧できる。3社は本日15日から3ヵ月間をテスト期間とし、コミック作品と女性タレント写真集、計13タイトル/100巻のイーブックを提供する。写真集はイーブックオリジナルのもので、紙の写真集として販売される予定はないという。
コミックスのメニュー画面 |
これらのイーブックは、すべて著作者より利用許諾を得た作品で、Neccaの利用客はどの作品でも自由に閲覧可能。パソコン画面上のコンテンツメニューから任意のタイトルを選んでクリックすると、店内に設置されたサーバーにアクセスし、そのイーブックが表示され、閲覧できる。
写真集のメニュー画面 |
なお、テスト期間中は、それぞれの作品ごとに閲覧件数(アクセスログ)を取り、そのアクセス数に比例して、イーブックの利用料(店舗でのパソコン利用料金)から各作品の著作者に著作権料を還流するという。また、閲覧件数の記録も、該当する作品の著作者側へ定期的に報告される。
パソコンに表示するメニュー画面の制作やサーバーとの連携システム、タイトルごとの閲覧件数記録システムは廣済堂が担当する。
本日、Necca渋谷店内で行なわれた発表会で、イーブックイニシアティブジャパン代表取締役社長の鈴木雄介氏は、「出版社や作家と新しい著作権の仕組みについて考えてもらえないかと持ち掛けた。現在了解を得たのは100点。3ヵ月間テストし、その成果を各出版社や作家に提示し、さらなる賛同を得たい。今回の閲覧サービスは、いくらでも自由に読んで利用料金を払うというもの。このような試みが本を読むチャンスを増やす。本を読む人口が増えれば出版社や作家にもメリットになるだろう」としている。
イーブックイニシアティブジャパン代表取締役社長の鈴木雄介氏 |
テスト期間当初から提供するイーブックタイトルは以下の通り。
- 『無用ノ介』1~7巻(さいとう・たかお/リイド社)
- 『ブレイクダウン』1~5巻(さいとう・たかお/リイド社)
- 『影狩り』1~15巻(さいとう・たかお/リイド社)
- 『オペレーション G.G.』1~4巻(さいとう・たかお/リイド社)
- 『キティ・ホーカー』(さいとう・たかお/リイド社)
- 『サイボーグ009』1~28巻(石ノ森章太郎/メディアファクトリー)
- 『静かなるドン』1~30巻(新田たつお/実業之日本社)
- 『藤沢あすか』vol.1~2(撮影:池谷朗/イーブックイニシアティブジャパン)
- 『伊藤由貴子 CREPES』(撮影:池谷朗/イーブックイニシアティブジャパン)
- 『白鳥ゆか CREPES』(撮影:池谷朗/イーブックイニシアティブジャパン)
- 『田中希美 CREPES』(撮影:池谷朗/イーブックイニシアティブジャパン)
- 『稲田ゆみ子』(撮影:池谷朗/イーブックイニシアティブジャパン)
また、Necca秋葉原店(フランチャイズ1号店)が23日にオープンするが、この秋葉原店でのイーブック閲覧サービス展開については、状況を見ながら順次対応するとしている。
Necca渋谷店内の様子。客層は学生からビジネスマンまで幅広い。秋葉原店はご休憩スポットが究めて少ないアキバの新たな憩いの場となるかも。ヘンなのが集ってしまう可能性もありますが。 |