CRX200E

CRX200E

記録速度はCD-RWドライブ並み
どちらを選ぶかの分かれ目は「容量」と「汎用性」

　それでは、実際の記録速度をベンチマークテストで確認しておこう。
　本誌でのCD-RWドライブベンチマークテストは、ライティングソフトに「B's Recorder GOLD」を、パケットライトソフトに「B's CLiP」を使用してきているが、評価機を借用した時点での対応ソフトが、製品に付属するライティングソフト「PrimoCD」とパケットライトソフト「abCD」のみだっとので、ベンチマークにはこれら2本のソフトを使用した。ソフトの違いがテスト結果に影響を与える可能性もあるので、その点はあらかじめ念頭においていただきたい。

　テスト内容は、

1. 500MBのデータファイルを、オンザフライ書き込み／ディスクアットワンスでDDCD-Rメディアに記録したときの所要時間(セッションを閉じる作業の時間まで含む)
2. 10～200MBの大容量ファイル4個(計500MB)、および数K～10MB前後の小容量ファイル1428個(計500MB)をパケットライトでDDCD-RWメディア(HighSpeed CD-RW対応メディア)に書き込んだときの所要時間

の2種類。比較対象として、上記テストをCD-R/RWメディアに対して12倍速～16倍速書き込み／10倍速書き換えのCD-RWドライブで実施した結果を掲載する。

合計500MBのデータをオンザフライ／ディスクアットワンスでDDCD-R／CD-Rに書き込んだときの所要時間(単位：秒)。

合計500MBのデータをパケットライトでDDCD-RW／CD-RWに書き込んだときの所要時間(単位：秒)。

　テスト結果を見ると、DDCD-Rを利用したオンザフライ書き込みにかかる時間はCD-Rの12倍速書き込みと、DDCD-RWを利用したパケットライトはCD-RWの8倍速書き換えとほぼ同じになった。CD-RWドライブではすでに16倍速、20倍速という書き込み速度の製品が登場しているので、それらの最新製品と比較すると若干劣るものの、CD-R/RWとまったく同じ操作で2倍の容量が記録できることを考えれば、最速ドライブとの速度差には目をつぶれるのではないだろうか。

　CD-R/RW並みの記録速度と使用感を実現しているDDCD-R/RWだが、対応ドライブでなければデータを読み出すことができないのが最大の難点だ。CD-R/RWが広く普及した原因のひとつには「(すでにCD-ROMドライブが広く普及し、)どのPC環境でもほぼ確実にデータを読める」という読み出しの汎用性が高かったことにあり、DDCD-R/RWではこのCD-R/RWの最大の長所が失われているわけだ。しかしDDCD-R/RWは、CD-R/RW規格をベースとすることにより、既存の製造技術やメディアの製造設備を用意に転用可能なように設計されており、そのため初めからかなりの低コストでDDCD-R/RW対応ドライブやDDCD-R/RWメディアを生産できるという。本機の実売価格は20倍速書き込みのCD-RWドライブとほぼ同水準の3万円程度(標準価格はオープンプライス)、メディアの店頭価格はDD-Rがおよそ300円弱、DD-RWが500円弱と、GBクラスのリムーバブルメディアとしては非常に安価だ。

　ほかのGBクラスのリムーバブルメディアとしては、今後注目を集めるであろうDVD系の各種メディアがある。ただ、DVD-RAMドライブは実売価格が本機より2万円以上高く、どのDVD-ROMドライブでもDVD-RAMメディアが読めるというわけではない。DVD-R/RWドライブはドライブの価格も高い上に(安いもので10万円をやっと切る程度)、現段階では単純なファイル保存ができない製品パッケージもあり、DVD＋RWドライブの登場はもうしばらく先の予定、といずれも決定力に欠ける。一方CRX200Eでは、CD-R/RWとほぼ同様の操作性で扱える1.3GBの記憶容量のリムーバブルメディアが、CD-RWドライブとほぼ同価格帯で入手できる。既存CD-ROMドライブでは読み出せないため、DVD-R/RWやDVD＋RWが本格化するまでの「つなぎ」のメディアと考えられがちだが、これらの登場が待ちきれない、今すぐ大容量データをHDD上から別のメディアに移したい、という人ならば、導入を検討する価値は十分あるだろう。

CRX200Eの主なスペック

書き込み	12倍速(CLV)
書き換え	8倍速(CLV)
読み出し	32倍速(CAV)
バッファメモリ	8MB
アクセスタイム	150ms
インターフェイス	ATAPI
付属ソフト	PrimoCD、abCD、Restrospect Express
価格	オープンプライス