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日本HPとKPMGコンサルティング、オラクルのCRMで協業

2001年05月28日 16時47分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本ヒューレット・パッカード(株)とKPMGコンサルティング(株)(※1)は28日、都内で記者発表会を開催し、CRMシステム分野で戦略的アライアンスを締結したと発表した。顧客に対してCRMアプリケーションのコンサルティングとシステムの提供を行なう。

※1 KPMGコンサルティング:'97年3月設立の、米KPMGコンサルティング社が100%出資する日本法人。米KPMGコンサルティングは、世界大手会計事務所であるオランダのクラインベルド・ピート・マーウィック・ゲーデラー(KPMG)社のコンサルティング部門が、2000年1月に独立した会社。

日本HPの藤本氏
日本HPビジネスカスタマ事業統轄本部e-services推進室市場開拓CRMソリューションビジネスマネージャの藤本康秀氏

アライアンスの中心となるのは、オラクル(株)が提供する、企業向けEビジネスシステム『Oracle E-Business Suite 11i』(※2)のCRM(Customer Relationship Management)製品群(以下オラクルCRM)の提供。米ヒューレット・パッカード社は米オラクル社と、CRMビジネスの販売拡大を目的とした“HP-Oracle Alliance”を締結しており、HPは全社の顧客管理システムとしてオラクルCRMを採用したほか、日本HPはオラクルCRMをCRMシステムの中核と位置づけて協調販売を行なうなど、深い関係にあるという。またKPMKコンサルティングもオラクルと“Oracle Alliance partnership”を結んでおり、顧客企業に対してオラクルCRMの多くの納入実績があるとしている。

※2 Oracle E-Bussines Suite 11i:ERP(Enterprise Resource Planning)、SCM(Supply Chain Management)、CRMアプリケーションを統合した企業向けシステム。

KPMGコンサルティングの椎名氏
KPMGコンサルティング、シニアマネージャの椎名茂氏

こうしたことから今回のアライアンスによって、日本HPのシステム機器、システム構築技術と、KPMGコンサルティングのコンサルティング能力を生かし、ビジネス戦略立案、業務プロセスの改革、システムの設計と統合、サポート、効果の検証まで含めたセールスを行なうという。顧客にCRMシステムを納入するにあたっては、KPMGコンサルティングが戦略策定、現状分析・用件定義、導入効果分析、システム設計(一部)、日本HPがシステム要件定義、システム設計と導入、運用、サポートを担当する。システム設計、導入、運用、サポートに関しては、日本HPのパートナーであるシステムインテグレーターを通じて提供する場合もあるとしている。

両社のアライアンスでターゲットとする業種は、製造業および、ソフトウェアメーカー、半導体機器メーカー、電子機器メーカーで、今後1年間にハードウェア、ソフトウェア(ライセンス)、コンサルティング、インテグレーション、サポートなどすべてを含め「50億円以上の売り上げを見込む」(日本HPビジネスカスタマ事業統轄本部e-services推進室市場開拓CRMソリューションビジネスマネージャの藤本康秀氏)としている。

発表会で示した、両社のアライアンスのメリット
発表会で示した、両社のアライアンスのメリット

これまで日本では、業務や流通の効率化を狙ってERPやSCMの導入は進んできたが、顧客満足度の向上に直結するCRMシステムについては、それほど進んでいなかったという。ただし、日本企業においても、顧客に対するサポート/サービスを重視する姿勢がはっきりとしてきたとしており、SCMシステムなどで導入したオラクルを中心として活用したいという企業に向けて、両社のセールス網を生かして積極的に売り込んでいく構えだ。

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