シャープ(株)は21日、都内で記者発表会を開催し、東日本電信電話(株)および西日本電信電話(株)が6月中に開始するサービス“Lモード”に対応する家庭用普通紙ファクシミリ“液晶ファッピィ”『UX-W50CL』と、コードレス電話機『CL-W100CL』を発表した。
“液晶ファッピィ”『UX-W50CL』 |
シャープ取締役で通信システム事業本部長の坂井陽一氏は「今回の製品は、単なるFAX、電話といった特定の端末ではなく、新しいホームインターネット端末だ。今後、そういった家庭用端末に力を入れていく」と話した。
通信システム事業本部長 坂井陽一氏 |
Lモードの狙うターゲット層。インターネットの普及状況が、かなり偏った分布になっていることがわかる |
シャープによれば、現在のインターネットの利用者は、25歳から45歳までの男性で主に技術職に集中している。Lモードはそれ以外の人々、若年層や高齢者層、とくに女性をターゲットにする。NTTでは、Lモードは初年度150~200万人へ普及すると見込んでいる。シャープは現在、FAXで30%、電話機で25%の市場シェアを占めており、早期にLモードに対応することで、FAXで45%、電話機で40%を目指すという。
『UX-W50CL』は、Lモードと、シャープの提供する情報サービス“Sharp Space Town for FAX”に対応するファクシミリ。また、“Sharp Space Town for FAX”の一部のサービスも、Lモードの公式メニューに採用される予定。
『UX-W50CL』のLモード画面。iモードと同じ雰囲気だ |
同製品は、受信したFAXやEメールを液晶ディスプレーで確認し、必要なものだけ印刷する“見てからプリント”機能、手書き原稿をEメールとして送信できる“ふぁっぴぃEメール”機能、着信・保留メロディーに使える“高音質4和音メロディ”、Lモード上の画像コンテンツを待ち受け画面に表示できる“画像クリップ”機能などを実装する。
スキャナー部分は、取り外してコードレスタイプのハンドスキャナーとして使用可能。子機は1機付属する。交信規格はG3。本体サイズは幅338×奥行き260×高さ138mmで、重さは約4.4kg。価格はオープンプライス(予想価格6万円前後)で、6月12日に出荷を開始する。
『CL-W100CL』 |
『CL-W100CL』はLモード対応コードレス電話。親機も子機も、相手の電話番号が分かるNTTのサービス“ナンバーディスプレイ”などにも対応している。本体サイズは幅191×奥行き224.4×高さ83.3mmで、重さは約1.0kg。価格はオープンプライス(予想価格3万円前後)で、7月20日に出荷予定。
『CL-W100CL』の“L”ボタン |
両機種ともLモードに対応するのは親機のみで、子機は対応しない。シャープでは、今後子機でもLモードにアクセスできるようにすることや、液晶ディスプレーのカラー化なども行なっていくが、時期についてはLモードの普及の速度次第だという。また、テンキーでの文章入力には限度があるため、キーボードの開発も検討する。
記者発表会では同時に、日本テレコム(株)の家庭用電話機・FAXによるインターネット接続サービス“J-web”に対応した普通紙ファクシミリ“液晶ファッピィ”『UX-W40CL』も発表した。“J-web”もLモードと同様にさまざまなコンテンツを閲覧することができる。
NTTのLモードサービスは6月中に開始とされているが、5月21日時点でも、開始日時は未定だという。シャープでは今回の製品を、Lモードのサービス開始がたとえ延期されても、予定どおり出荷するとしている。