EPSON PRINT Image Matchingの画質は?
撮影サンプル1。マクロモードで撮影した花。撮影は2544×1904ドット(ハイパーモード)だが、掲載のため640×480ドットに縮小している。 |
CP-920Cは「PRINT Image Matching」に対応しており、背面の液晶モニタ横に配置された「プリント指定」ボタンにより、DPOF(Digital Print Order Format)対応の印刷指定を画像データに登録できる。
PRINT Image Mathingの最大のコンセプトは、カメラの撮影色特性などの情報を管理することにより被写体の色をよりよく再現できるという点だ。同社のインクジェットプリンタ「PM-790PT」を使ってPRINT Image Matchingを効かせた状態と、プリンタドライバの自動色補正機能(オートフォトファイン4)、sRGBによるカラー調整による出力結果を比べてみた。
撮影サンプル1を印刷してからスキャナで取り込んだ結果。左からsRGB、オートフォトファイン4、PRINT Image Matching。 |
sRGBでは全体に色の濃い印刷になってしまったのに対し、PRINT Image Matching/オートフォトファイン4は鮮やかな色あいで印刷されている。ただし、オートフォトファイン4では葉の部分の緑を鮮やかにするためか、花の部分の色も必要以上に濃くなってしまっている。
総じて、PRINT Image Matchingを使ったほうが鮮やかかつ元画像の色合いを残しているのは評価できるだろう。
なお、各サンプルは、印刷後にフラットベットスキャナで取り込んだデータであるため、元画像とは色そのものは少々違っていることをご了承いただきたい。
撮影サンプル2。2544×1904ドット(ハイパーモード)で撮影し、掲載のため480×640ドットに縮小したもの。 |
CP-920Cそのものの撮影結果に関しては、発色やコントラストが強めに出る傾向にあるようだ。また、蛍光灯下での撮影では若干不自然な色味となり、オートホワイトバランスには改善に余地がある。ハイパーモードの細部を見ると、確かにエッジを際立たせたり、斜め線のジャギーが目立たないような画像処理をかけていることがわかる。
カメラ内で補間処理をかけて解像度強化を行えば、JPEG圧縮による情報の欠落は少なくなるというハイパーモードの考え方は、なるべく画像の品質を落したくないという意味においては有用だろう(逆の方向性としてCCDの生データをデジタルカメラが出力する方法もあり、画像処理をPC側で行うことを前提とするならこちらのほうが高い利点を持つ)。
撮影サンプル2の中央部をトリミングしたもの。ジャギーは目立たないものの、前景と背景のふち部分にいくぶん不自然な処理が見える。 |
ただし、撮影後の処理時間が大幅に伸びてしまうという難点と、画像を拡大してみるとジャギーを補間した部分など、いかにもレタッチしたという印象を受ける部分もある。処理の高速化と、いかに自然な画像に見えるかが今後の課題となるだろう。
撮影サンプル3。2544×1904ドット(ハイパーモード)で撮影し、掲載のため640×480ドットに縮小したもの。強い逆光であるにもかかわらず、中間調の色が飛ばずに残っている点は評価できる。 |
撮像素子 | 1/1.8インチ334万画素CCD(有効324万画素) |
---|---|
レンズ | 3倍ズームレンズf=7~21mm(35mmフィルムカメラ換算: 34~102mm相当)、F2.0~2.5 |
解像度 | 2544×1904ドット(ハイパーモード)/2048×1536ドット/ 1600×1200ドット/640×480ドット |
動画機能 | 320×240ドット、15コマ/秒、最大35秒 |
記録メディア | CFカード(TypeII) |
シャッター速度 | 8~1/1000秒 |
絞り | F2.0/2.3/2.8/4.0/5.6/8.0 |
感度 | ISO100相当(高感度モード:ISO200/400相当) |
液晶モニタ | 1.8型低温ポリシリコン TFTカラー液晶 |
インターフェイス | USB、ビデオ出力、アクセサリシュー |
電源 | 単3×4本(アルカリ、ニッカド、ニッケル水素)、 専用ACアダプタ(オプション) |
本体サイズ | 108(W)×65(D)×89(H)mm(突起部分を除く) |
重量 | 358g(電池、CFカード除く) |
付属品 | 16MB CFカード、アルカリ乾電池×4本、カメラケースなど |