このページの本文へ

PalmComputing m505

PalmComputing m505

2001年04月23日 23時13分更新

文● 小林

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PalmComputing m505

パーム コンピューティング

オープンプライス

ソニーの「PEG-N700C」、ハンドスプリングの「Visor Edge」に続き、本家パームも新製品を発表した。新登場の「PalmComputing m505」は、OSに最新のPalmOS 4.0を採用。従来のPalmVxとほぼ同じサイズの本体に、SDカードスロットやカラー液晶などをさりげなく装備した、魅力的な1台に仕上がっている。

本体はアルミダイキャスト製で、色はやや紫がかったシルバー(アークティック・ミスト)。デザインは直線的だった側面がやや外向きに反り返るなるなど、細部に変更が加えられている。本体デザインの変更でスタイラス収納部が短くなっており、PalmVx用のケースやスタイラスが使えないのは注意しておきたい部分。

多彩な機能を薄型ボディに

 最新のPalmOS 4.0をいち早く搭載した「Palm m500」シリーズ。そのカラーモデルが「m505」だ。液晶のカラー化やSDメモリーカードへの対応など、大幅な機能強化が図られた本機だが、サイズ/重量は78(W)×114(D)×13(H)mm/139gと従来どおりコンパクトだ。PalmVxより厚さが約3mm、重量が約26g増えているが、全体に曲線を強調したフォルムとなったこともあり、その差はあまり感じない。ときとして身に付けているのを忘れるような快適な携帯感は本機でも健在だ。

SDカード/MMCスロットは本体上部に装備。まずは16MBのバックアップカード、辞書/ゲーム/地図などのPalm用コンテンツが提供される予定。

 機能面での目玉は、本体上部に備えるSDカード/MMCスロット。Visorシリーズの「Springboard」、CLIEの「メモリースティック」に続き、本家パームもようやく拡張スロットを搭載したことになる。現状で利用できるのは本体メモリのバックアップや辞書/ゲームといったコンテンツの利用など、主にストレージ用途が中心だが、将来的にはSDカードスロット対応の周辺機器(SDIOカード)も登場する。サードパーティ各社が開発した、Bluetoothユニットやデジタルカメラなどが、今年後半以降登場してくる見込みだ。

 本体に装備する液晶は、160×160ドット/6万色表示の反射型TFT方式を採用。屋外では外光の反射、暗めの屋内ではフロントライトと状況に応じて選択でき、明るさや発色は総じて申し分ないレベルだ。透過型液晶を採用していた従来のカラーモデル(PalmIIIc)では、屋外では液晶がまったく見えなくなるケースがあったため、利用範囲が大きく広がったと言える。フロントライト使用時に、Graffitiエリアが光ることも使いやすさを高める嬉しい配慮と言えるだろう。

スクロールボタンは上下2つに分かれた。それぞれのボタン中央部にはスタイラスで押しやすくするためのくぼみがある。

 これ以外の新機能としては、近づいた予定を振動で伝える「バイブレーション」やワンタッチで時差の修正ができる「タイムゾーンサポート」など、ビジネス向けの機能強化が目立つ。また、同社のエントリ機「m100」シリーズから搭載されている「手書きメモ」や「クロック」がプリインストールされているほか、画像&動画ビューアの「MGI Photo Suite」やメーラの「Multi Mail SE」、手書き文字認識ソフトの「楽ひら」(購入時に配布されるCD-ROM「Simply PackIV」に収録)など、ソフト面でも充実している。

シリアルコネクタは新形状となり、従来機との互換性はない。パーム社では、今後すべての製品のコネクタ形状と周辺機器を接続するためのアタッチメントを、m505と共通の「ユニバーサルコネクタ」にするとアナウンスしている。

 価格はオープンプライスで、実売価格は5万円前後になる見込み。Palmデバイスとしてはやや高価な部類に入るが、PalmOS 4.0の搭載により、WebClipping(※1)やBluetoothなど、一歩先の機能も約束されている。本体サイズ/重量は、カラー版Palmデバイスとして最もコンパクトであり、ビジネスユーザーを中心とした、幅広い層にお勧めできる1台と言える。

※1 Palmの小さな画面で効果的にコンテンツを表示することを目的としたWebアクセスのための規格。コンテンツ書式はHTML3.2ベースで、パーム社のプロキシを通してPalmデバイスに最適な形に圧縮/加工されて提供される。接続時にはサイトごとに用意された「WebClipping Application」と呼ばれる接続ソフトを利用する。WebClippingを利用したサービスはm500シリーズの発売とともに開始される予定で、天気予報や地図など15種類のコンテンツが提供される見込み(使用料金は無料)。

別売の「スリムレザーケース」。SDカード/MMC用のポケットを装備している。
他機種との大きさの比較。左から順に「CLIE PEG-N700C」「PalmComputing m505」「Visor Edge」。
製品名 PalmComputing m505
OS Palm OS 4.0
CPU Dragonball VZ-33MHz
メモリ 8MB
表示 160×160ドット/6万色 フロントライト付き反射型TFT液晶
本体サイズ 79(W)×114(D)×13(H)mm
重量 139g
バッテリ リチウムポリマー充電池
バッテリ駆動時間 約4週間

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン