Excelの新機能では、ちょっとしたことだが「できたら便利だろう」と思っていた機能を実現している。たとえば、セルを選択すると、列番号と行番号も網掛けされ、一目でどこのセルを選択しているのかがわかるようになった。また、Office XPの共通機能(1)でも取り上げたが、範囲選択したセルの幅や高さを保持したまま、貼り付けが可能になったのは、非常に快適だ。それでは、各機能を詳しく見ていくとしよう。
「エラーチェック」スマートタグ
これは、セル内でエラーの可能性がある場合に注意を促してくれる機能だ。エラーはオプションから、無視することも、修正もできる。この場合、オートSUMは隣接しているセルの合計なので、注意している。 |
どんなときにエラーチェックとするかは、「エラーチェック」のオプションで、ダイアログボックスを表示して設定できる。 |
数式・引数ツールチップ
数式を入力すると、数式に必要な引数をツールチップで表示してくれるようになった。これなら、うっかり必要な要素を入力し忘れてエラー表示になることもない。 |
「ウォッチ」ウィンドウ
「ウォッチ」ウィンドウは、現在開いているExcelファイルで、表示中のシートとは別のシートや別のブックにある複数のデータを、ひとつのウィンドウで参照できる機能。ワークシートやウィンドウを切り替える手間がいらず、必要なデータを把握できる優れものだ。 |
数式の検証
「数式の検証」は、数式内に複数のセルを参照しているデータで、結果として表示された値が正しくない場合などに威力を発揮する。この機能を使うと、数式内で参照してるセルの値をひとつずつ確認しながら、なぜ結果としてその値になったのかがわかる。
まず、数式の入ったセルを選んで、「ツール」-「ワークシート分析」-「数式の検証」を選択。数式が表示される。 |
「評価」ボタンをクリックすると、初めの式が計算される。オートSUMの結果が表示され、「ステップイン」ボタンで次のセルの内容が見られる。 |
「ステップアウト」ボタンで数値になる。 |
さらに「評価」ボタンを押して計算が終了したのち、表示形式が適用され、最終的な値が表示される。 |
ワークシート分析ツールバーの搭載
ワークシート分析もツールバーになった。今まで2ステップは必要だった作業や、上記で紹介したエラーチェック、数式の検証も1クリックで素早く行なえる。 |
オートSUM機能の拡張
オートSUM機能が拡張され、連続したセルの合計のほかに、平均、データの個数、最大値、最小値などを含むようになった。 |
「関数の挿入」ダイアログボックスの改善
「関数の挿入」ダイアログボックスに、どんな値を得たいのかを入力して関数を探す検索機能が装備された。さらに「関数の分類」ボックスはドロップダウンリストボックスになり、最近使用した関数まで表示されるようになっている。 |
罫線機能の強化
罫線機能も強化され、今までよりも自由で楽に罫線が引けるようになった。また、ある範囲の表はグリッドにしたいという場合も、用意されたモードで簡単に引ける。
Wordのように「罫線ツールバー」が追加された。ここで罫線の太さやスタイル、色を自由に変えられる。 |
また、範囲選択した場所に設定した線でグリッドを引きたい場合は、「罫線グリッドの作成」にモードを切り替えて、ドラッグするだけでOKだ。 |
ワークシートタブの色指定
これまでワークシートのタブには色を付けることができなかったが、今回のExcelではそれができるようになった。これならシート枚数が多くなっても、色分けで表示したいシートが探し出せる。 |
ワークシートの保護
従来は、保護対象に「データ」「オブジェクト」「シナリオ」しか選べなかった「シートの保護」が、シートを使用するユーザーに許可する操作を細かく指定できるようになった。 |
そのほかの機能強化点
- 列幅が狭いセル内容のツールチップ表示
- 列幅が狭くてセル内容が「####」と表示されていても、マウスカーソルを重ねると、ツールチップとなってセル内容が表示される。
- 印刷機能の強化
- A4用紙とレター用紙を自動的に切り替えて、自動採寸し、「#REF」を含まないように、空白ページとエラー値の印刷をコントロールする機能が追加された。
- 数値としてテキスト形式の数値を並び替える
- 数値とテキスト形式の数値が入り交じったリストを並べ替えする場合、テキスト形式の数値も数値として扱うのか、それとも数値とテキスト形式の数値は、別として並べ替えを行うのかを選択できるようになった。そのため、おかしなソート結果を表示しないですむ。
- Webクエリーの改良」
- Excel内からすぐにデータにアクセスし、分析、Webからのデータ更新を行うことができる機能を。Web から情報がExcelに取り込まれるとすぐに「スマートタグ」が表示され、更新可能なクエリーを作成し、手動でデータを取り込み更新するか、もしくは指定した時間間隔でアクセスし、自動的に更新すべきか確認できる。
- XMLのサポート
- ExcelではXMLデータのロードとセーブをサポートする。「ファイル名を付けて保存」ダイアログボックスで、ファイル形式のドロップダウンメニューで「XMLスプレッドシート」を選択して行う。
このほか、DirectXを利用した3Dチャートをサポートする「チャートWebコンポーネント」などを含む、5種類のWebコンポーネントを搭載している。