今回のWordは、標準で音声認識機能(Office共通機能を参照)と、翻訳機能を搭載し、多機能ワープロソフトとして登場した。翻訳機能は、文章を翻訳することはできないものの、作業ウィンドウで即座に訳が表示できる。作業ウィンドウで使える機能は、ほかのOfficeアプリよりも多く、文書作成に便利な機能が割り当てられている。早速、これらの機能を見てみよう。
Wordで便利な作業ウィンドウ
Wordでは、作業ウィンドウで書式設定が簡単にできるようになった。「スタイルと書式」と「書式の詳細設定」を作業ウィンドウに表示できる。
「スタイルと書式」を表示させた画面。 |
「書式の詳細設定」を表示させた画面。 |
オートコンプリート スマートタグ
「スマートタグ」は、ほかのアプリを起動せずに、データを追加できる機能だ。Word文書内で人名を入力すると、ほとんど2ステップだけでOutlookの連絡先へ追加できる。 |
オートコンプリートにスマートタグのオプションが追加されている。 |
翻訳機能
基本的な2カ国語辞書と翻訳機能が加わり、そのほかにWeb上の翻訳サービスにアクセスする機能が新規追加された。英文和訳、和文英訳が可能。ただし、単語単位の翻訳で、文書を訳すことはできない。 |
文字カウントツールバー
従来はダイアログボックスタイプだったが、ツールバーとして独立し、常に表示可能となった。文字を入力して文章が増えても、「再計算」ボタンをクリックするだけで済む。 |
空白スペースの表示/非表示
印刷レイアウト表示の場合に、ページ間の空白部分を非表示にできるようになった。ページ間にマウスを置くと、カーソルが画面のように変化するので、そこでクリックするだけでいい。 |
ウォーターマーク(透かし)の改善
新しくなったウォーターマーク(透かし文字)では、文字だけでなく、写真や図版を指定できるようになった。さらに従来文字色も、灰色と赤(両者の半透明)しか指定できなかったが、今回からバリエーションが増えた。 |
文書内の複数選択
文書内で範囲選択する場合、一度にひとつしか範囲選択できなかったが、今度のWordでは複数選択が可能となった。同じ書式を設定したい異なる文字を選択する場合などに重宝する。 |
行頭絵文字
行頭絵文字が、行頭文字と同じように、箇条書きの書式設定で追加できるようになり、行頭文字の配置やタブ位置の設定も可能となった。 |
「リストのスタイル」の自由設定
箇条書きで文書を作成するとき、これまで決められたスタイルしかなかったが、ユーザーが自由にカスタマイズできるようになった。 |
表のオートフォーマット
Excelで表を作成したあと、スタイルを自動的に見栄えのいい表にしてくれる「オートフォーマット」機能がWordにも搭載された。 |
描画キャンバス
複数のオブジェクトを利用した図の配置や、全体を動かしたい場合に便利な「描画キャンバス」が登場した。テキストボックスや図の挿入を行なうと表示される。 |
図表作成
組織図や、要素の重なる領域を表すベン図型表、サイクルを表すのに便利なドーナッツ型図表など、6種類の図表を追加できる。 |
「図形の追加」ボタンをクリックするだけで、同じ図形が簡単に追加できる。 |
マークアップ機能
「変更履歴の作成」がオンの状態のときには、文書の右端に変更された箇所についての詳細を示す「マークアップ」が表示されるようになった。これで誰がどこを変更したのかがわかりやすい。 |
まだまだある新機能
「校閲用文書の送信」
回覧用に文書を配布するために、「ファイル」-「送信」-「メールの宛先(校閲用)」を選択すると、自動的にリクエストフォームが表示され、校閲ツールが表示されるようになった。
「シンプルなHTMLファイルとして保存」
HTMLで保存する場合に「ファイルの形式」ドロップダウンボックスで、「Webページ(フィルタ後)」を選択すると、Officeアプリで付加されていたタグが削除されて、シンプルなHTMLファイルとして保存されるようになった。
このほかにも、まだまだ紹介しきれないほど多くの新機能や機能拡張が行なわれている。