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ガス冷マシンを作ろう! 第3回

ガス冷マシン完全自作編 ~その3~

2001年03月21日 20時01分更新

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■新コア設計

 こうなれば作り直すしかない。同じものを作ってもどうせ配管をろう付けしなくてはならないので、また同じ問題が起きる可能性が高い。はじめからろう付けをしない構造に設計するべきだったのだ。この際「どうせ作り直すなら根本的に改良しよう」というわけで、今度は配管のろう付け部を別部品にして、ガス枕とはネジ止めとOロングで接合する構造に改良した。傾向がわかったので、Oリング溝の寸法を若干変更し寸法公差を甘くした(全く同じ部品でも公差が変わると製作費もぐっと変わる)。しかし時間がない。土下座でも何でもする勢いで超特急の製作をお願いする。結果、納期6日で再作してもらえることになった(関係者の皆様お世話になりました、この場を借りてお礼申し上げます)。

改良したコアの図面
追加で作図した部品

■冷媒回収装置の製作

購入したエアブラシ

 せっかく作ってもらった部品がおしゃかになってしまったので、再製作の完成を待つ間にガスの回収と充填を自前でできるような設備を製作することにした。
 この装置はプロ用の機材ではゲージマニホールドというらしいのだが、値段が高いうえ、ガスボンベも業務用のものになってしまう。そこで当初はガスの充填はガソリンスタンドにお願いしようと考えていたのだが、どうも1回の充填で済みそうにないし、いちいち持ちこんでガスを充填してもらうのも面倒だ。R134aならばトイガン用にお手頃サイズのボンベが安価に販売されているので、これを使ってガスの出し入れができれば理想的だ。



やっと見つけた継手

 幸か不幸か悩む時間はたっぷりできたので、このボンベに取付けできるバルブや継手類を求めてホームセンター等をさ迷い歩いた。そして偶然見つけたのが、プラモデル用のエアブラシセット(実売2800円:税別)だ。ちょうどボンベに取り付けするためのバルブと、脱着可能な細い耐圧チューブが付属している。あとはこのチューブと管用ねじの接続が可能なエア工具用の継手をホームセンターで発見して即席マニホールドが完成した。



■ガスの回収

ガス回収装置

 前回購入したパーシングバルブを除湿機に取り付け、パーシングバルブとトイガン用のガスタンクをエアブラシのパーツを使って接続する。バルブを開くとガスだけではなく、潤滑用のオイルも噴出して床がオイルだらけになるので、慌ててチューブを接続する。ガスタンクはクッキングメーターで計量してガスの量をチェックしておく。少しバルブを開いて内部の空気を抜いたあとタンクと除湿機を繋げて、いよいよガスの回収開始だ。ガスタンクを氷で冷やし内圧を下げる。こうすれば圧力の下がったガスタンクに除湿機のガスが流れ込み、内部で結露してガスが回収できる(ハズだ)。



パーシングバルブ

 恐る恐るタンク側のバルブを開くと微かに「シュー」という音がして順調にガスが回収されているようだ。時々タンクをクッキングメーターにのせてみると少しずつ重量が増えている。140g程重量が増えたところで増加が止まった。オイルが吹き出るので、またまた恐る恐るチューブを外すとほんの少しだけガスが噴出して除湿機のガスが空になったようだ。こうなれば配管を切っても大丈夫だ。ガスの回収は予想外に順調に完了した。


右がガス回収後

■改良版ガス枕組付け

 待ちに待った再製作の部品が完成した。さっそく取りに行って仮組みしてみる。ちょっとOリングがきついのが気になるが、今度こそは大丈夫なようだ。除湿機のエバポレータを取り外し、配管とキャピラリーチューブを延長して、新作した部品と接合する。コンプレッサー内部に空気や水分が入るのを最小限に抑えるため、配管のロウ付けは手早く一気に済ませる。バーナーが2個に増えたのでろう付けも順調だ。キャピラリーチューブは総長約5m、1/4配管は約1.5m延長した。最後に完成したガス枕を取り付け、回収してあったガスを充填する。今度は回収時とは逆に、タンクを逆さにして暖め液体のガスとオイルを充填する。液化したガスが透明のガス枕まで回ってくるのが目視で確認できる。とりあえずはガス漏れもないようでひと安心だ。

配管のロウ付け
新コア
追加部品。この部品のみ配管にロウ付け
新コア仮組み
ガス充填装置

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