一時期、サウンドといえば格安のYMF7xxシリーズのサウンドカードが人気を集めていたアキバだが、プレイステーション2の発売が起爆剤となったのかどうか、最近はずいぶんと様変わりした。街中には5.1チャンネル出力をうたうスピーカシステムやAVアンプ、安価ではないサウンドカードが溢れ、今週もオンキヨーのサウンドカード「SE-120PCI」が現れて話題を集めたばかりだ。
そんななか、昨年末に海外で発売され、マニアの間でかなりの話題となったPhilips製のサウンドカード「Acoustic Edge」が現れた。同製品はサウンドチップに“ThunderBird Avenger”を搭載しているが、これは、オンキヨーが当初発売しようとしていた幻のサウンドカード「SE-100PCI」が搭載していたのと同じもの。
搭載されているサウンドチップ“ThunderBird Avenger” |
同製品を入荷しているUSER'S SIDE本店では、ちょうどこの日「サウンドカード試聴会」と題して同店が扱っているサウンドカードを実際に聴き比べるイベントを開催していた。そこで、実際に動作させてみたところ、集まった人々からの反応は上々。高級サウンドカードと比べると弱さを感じる部分は確かにあるが、悪くは決してないという評価を得ていた。入荷前に「予価は1万円~1万5000円。お客さんの反応を見て、良ければ高く、そうでなければ安くする」としていた同店は最終的に1万5800円という価格をつけたが、狙っていた人からすれば、もっと評価が低い方が良かったかも?
珍しいインターフェイス
珍しいのは音声信号の出力方式。同製品はアナログ/同軸デジタルからの最大5.1チャンネル出力をサポートしているが、サブカードや外付けの周辺機器を介さずに、すべての出力を1枚のカードでまかなっている。そのため、ブラケット部分にはアナログのDIN出力と、同軸デジタルのDIN入出力端子をそれぞれ装備。それぞれ専用のケーブルで、RCAピンジャックに変換する。ほかに搭載する端子はマイク入力とアナログ入力、MIDI/ゲームポートのみ。もともとアメリカ向けの製品のため、日本では人気の光デジタル入出力端子は装備していない。
専用ケーブル。汎用性は低いため、これが壊れたら…と思うと、ちょっと怖い。ちなみに左がアナログ出力(センタ/サブウーファ、フロント、リア)で、右が同軸デジタル入力と出力 |
S/N比は92dB以上。DirectSound 3D互換のポジショニング(音像定位)技術“QSound”により、バーチャルサラウンドをはじめ、A3D 1.0、EAX 1.0/2.0といったAPI、ドルビーデジタル/ドルビープロロジック/dtsもサポートする。対応OSはWindows 95/98/NT4.0/2000。ただし、マニュアルに記載がないため詳細は不明ながら、おそらくAC-3信号出力部分を中心にWindows NT4.0/2000では機能制限があるので気をつけてほしい。
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