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【2001 CESレポートVol.6】TDK、三洋電機とML記録チップ製造で提携

2001年01月08日 23時46分更新

文● 編集部 佐々木千之

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TDK(株)は5日(米国時間)、2000年11月に発表したCD-R/RWへのマルチレベル記録技術アライアンスに三洋電機(株)が加わったと発表、CES会場においてもプレス向け説明会を開催した。

米Calimetrics社、CEOのケネス・キャンベル氏
米Calimetrics社、CEOのケネス・キャンベル(Kenneth Campbell)氏

マルチレベル記録(MultiLevel Recording)技術は、TDKが米Calimetrics社との共同研究により開発したもので、現在のCD-R/RWの記録密度や記録・再生速度を3倍に引き上げるという技術。現在のCD-R/RWの記録・再生回路にML記録回路を追加するだけで、光学系、機械系ハードウェアは従来のものが利用できるため、ローコストで済むという特徴を持つ。従来CD-ROM/R/RWでは1つの記録ピット(CDの記録の最小単位)に0か1の1bitしか表現させていないが、ML記録では0、1、2、3、4、5、6、7と8段階で記録し、3倍(3bit)の情報を持たせることができる。従ってCD-R/RW1枚当たり約2GBの容量と、最大36倍速(回転数では12倍速相当)の書き込み/読み出し速度を実現できるという。記録メディアは専用のものとなるが、製造装置は現在のCD-R/RWと同じものが使えるため、メディア単価は1枚当たり2ドル(約230円)程度に抑えられるとしている。

ML記録技術の仕組み。DVDにも応用可能という
ML記録技術の仕組み。DVDにも応用可能という

11月のアライアンスの発表では、TDKとCalimetricsのほか、三菱化学(株)シナノケンシ(株)が加わっていたが、今回CD-R/RW向けチップメーカー大手の三洋電機(セミコンダクターカンパニー)が加わったことになる。三洋電機セミコンダクターカンパニーの田中氏によると、ML記録技術に対応したCD-R/RW用チップセットは今年の後半から出荷を開始するとしている。

三洋電機セミコンダクターカンパニーの田中社長
三洋電機セミコンダクターカンパニーの田中社長

TDKでは、三洋電機からML記録チップの供給を受け、2001年の第3四半期に米国市場において、外付けと内蔵のCD-R/RWドライブ『veloCD』を発売する予定。店頭価格は外付けタイプが399.99ドル(約4万6000円)、内蔵タイプが299.99ドル(約3万5000円)となっている。

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