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WinTV PVR for PCI/USB

WinTV PVR for PCI/USB

2000年12月09日 00時21分更新

文● 岡本

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さすがの高画質
機能と性能を考えれば、値段も妥当

 さて、肝心の画質の評価について、これは個人的な感想だが、かなり優秀な部類だった。まず、TVチューナの出来がなかなかいいのか、テレビ画像の画質が予想以上にスッキリとしたもので、字幕なども判別しやすい。動きが激しい部分では、櫛形ノイズ(コーミング)が結構目立つ感じだが、それも許容範囲内だろう。

 次に録画画質はというと、特にPCI版での高解像度&高ビットレート設定時の高画質な映像が印象的である。ソフトウェアエンコードを用いたカードでは、よほどのCPUパワーがなければ不可能な720×480ドット/8or12Mbpsでのキャプチャも、WinTV PVRならまったく問題なく処理できるのだ。そして、このレベルの設定なら、スポーツなどの動きの激しいの映像でさえ、さほどノイズが目立たず、コマ落ち無しにキャプチャしてくれたのには単純に感心させられた。4Mbps以下の低ビットレートでは、どうしてもブロックノイズが目立つものの、それでも解像度が高めな分、細かい部分まではっきりとした画像になる。動きの少ない普通のTVを録画する分には、これで十分だろう。  ちょっとした問題点としては、これはタイムシフト再生時など、MPEG2ファイル全般に言えることだが、シャープさが強調されているのか、ギラついた感じが少々強く、素のTVチューナからの映像とは随分違うように見えるのが気になった。

解像度が720×480ドットで、ビットレートが8Mbpsや12Mbpsのような設定は、ソフトウェアでエンコードを行うキャプチャカードでは、よほどのCPUパワーをもってしてもなかなか利用できないものだ。

 一方、USB版も6Mbpsなら、よほど動きの激しい映像をMPEG化するのでなければ十分対応は可能。こちらは、色味的にもTVの映像に近い画質で、自然な感じが好印象だった。価格も、PCI版より5000円ほど安いので、ノートPCユーザーのみならず、手軽にPCでTVを見たいというのがメインの目的となるユーザーなら、接続などの手間があまり掛からないUSB版の選択も大いにありだろう。

 ただ、本製品には気になる点も少なくない。すでに述べてきたiEPGやUSB版のVBRへの対応など、発売時に積み残した機能へのサポート。現状での対応OSが、Windows 98/98 SE/Meのみで、Windows 2000への対応予定自体はあるものの、時期が未定である点。i810/815及びVIA、SiSなど互換チップセットでは動作しない場合があるという動作環境(編集部でのテスト環境ではKT133、Apollo Pro133A搭載マザーで動作を確認することはできた)などだ。また、PCI版では高ビットレートでのキャプチャ時に、録画ファイルに数分に1度程度「ブッ」とか「キュルキュル」などのノイズが入ったり、音飛びするケースも見られた。

 これらの問題はドライバのアップデートなどで対応していくとのことで、今後の継続的なサポートに期待したいが、それらを差し引いた現在の仕様でも、実売価格でPCI版が3万5000円、USB版が3万円前後という価格はかなり格安に思える。ソフトウェアエンコーダを利用したカノープスの「WinDVR PCI」に比べると価格は2倍近いので、実際に購入する際は、画質や機能、サポートなどの差と価格差をどう評価するかにかかってくるが、少しでも画質にこだわるタイプなら、WinTV PVR、特にPCI版をお勧めしておきたい。

製品名 WinTV PVR for PCI/USB
価格 ともにオープンプライス
対応OS Windows 98/98 SE/Me

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