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PCG-GT1

PCG-GT1

2000年11月20日 11時14分更新

文● 山崎

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PCG-GT1

ソニー

オープンプライス
28万5800円(Sony Styleダイレクト価格)

「PCG-C1シリーズ」のヒットにより、CCDカメラ内蔵というスタイルをPCの1ジャンルとして定着させたソニーが、今度は来たるべきインターネットのブロードバンド時代に向けて新製品を投入してきた。誰もが手軽に映像のリアルタイム配信を行えるPC「PCG-GT1」である。

GTと連携するWebサイトを使って誰でも手軽にライブ中継を実現

 PCG-C1(以下C1)シリーズは、静止画や動画を、PCに内蔵されたCCDカメラで撮影し、そのままメールに添付して送る「モバイルコミュニケーション」のためのマシンである。今回登場したPCG-GT1(以下GT)では、その概念をさらに押し進め、誰もが簡単に映像のリアルタイム配信を行える「パーソナルキャスティング」という新コンセプトを打ち出している。GTで撮影した映像を、ソニースタイルドットコム・ジャパンの映像配信サービスを行うWebサイト「パーキャスTV(http://www.percastv.net/)」へリアルタイムにアップロードしてユーザーへ配信するという、個人によるインターネットライブ中継を手軽に実現するためのマシンである。

 CCDカメラをさりげなく搭載していたC1とは異なり、「録る」ということをとことん追求したGTでは、PCとしてよりもビデオカメラとしての使い勝手を重視し、撮影時に最適なスタイルが取れるようなギミックが盛り込まれている。中でも最も特徴的なのが「PCスタイル」から「カメラシューティングスタイル」への変形だ。液晶部分は180度の回転が可能になっており、さらにそのまま液晶画面を外(上)に向けて閉じることができる。キーボードが使えず、タッチパネルでもないのでPCとしては使えないが、これこそ液晶ファインダーを持つビデオカメラとして録ることに専念できるスタイルだ。ボディ横に大きくはみ出すように装備した光学10倍(デジタル40倍)ズーム搭載の68万画素(有効34万画素)CCDカメラも180度回転し、それに伴い画面表示も上下が反転するので液晶を見ながらの自分録りも行える。そのほか手ブレ防止機能やステレオマイクも内蔵し、また長時間にわたる撮影にも対応できるようボディ底面には三脚ネジ穴も装備するなど、カメラとしてのこだわりようは徹底している。

 カメラシューティングスタイルでは、キーボードもスティックタイプのポインティングデバイスも利用できないが、液晶パネル右サイドには、CCDカメラのズームレバーとキャプチャボタン、静止画や動画を記録しリアルタイム配信を行うためのソフト「URecSight」を操作できるジョグダイヤルとバックボタンを装備する。さらにMOTION EYEの手前には、アプリケーションの起動やWindowsの終了が行えるシステムメニューを呼び出すためのMENUボタン、コンテキストメニューを表示するアプリケーションボタン、URecSightで撮影中に画像にエフェクト加えるときなどに使うA、Bボタンの計4ボタンを装備し、静止画/動画の撮影時や映像配信時に必要な操作はこれらですべて行えるようになっている。実際にカメラシューティングスタイルでGTを持ってみると、それぞれのボタンがちょうどGTを支える手の位置に配置され、何も考えることなく撮影を行える。PCではなくビデオカメラだと言われても納得できる自然なスタイルだ。

カメラシューティングスタイルに変形したGT1
液晶を180度回転すればカメラシューティングスタイルに変形し、ビデオカメラとしての撮影に専念できる。撮影のために必要な操作は左右に振り分けて配置されたスイッチ類ですべて行える。またカメラの後ろには滑り止めのゴムが貼られており、親指一本で簡単にアングルを変えられる。
本体底面のレンズキャップホルダ
本体底面のメモリスロットカバーには、外したレンズカバーを収納できるよう、ちょうどレンズキャップと同じサイズのくぼみが設けられている。またレンズキャップは本体に紐でつないでおけるので、撮影に夢中になってもなくす心配はない。
液晶右側に装備するボタンスイッチ類液晶右サイドにはCCDカメラのズームレバーとキャプチャボタン、静止画や動画を記録しリアルタイム配信を行うためのソフト「URecSight」を操作できるジョグダイヤルとバックボタンを装備する。

 CCDカメラを利用するためのソフトURecSightは2つのモードを持っている。1つはローカルに保存、あるいはソニースタイルドットコム・ジャパンが運営している画像公開用のWebサイト「イメージステーション(http://www.jp.imagestation.com/)」へアップロードする画像を記録するための「URecSight for Imagestation」、もう1つはパーキャスTVで動画配信を行うための「URecSight for CastaDrive」だ。いずれもメニューボタンから呼び出せ、ジョグダイヤルやA、Bボタンだけで簡単に操作できる。

 GTで記録できる画像は、640×480~80×60ドットのJPEG/PNG/BMP形式の静止画、640×480/320×240ドットのMotion JPEG形式の動画、ビデオメール向けの160×112ドットのMPEG1形式の動画である。それぞれの画像は解像度のほか、圧縮率を任意に変更することも可能だ。ライブ配信時は160×120ドットのRealVideo形式の動画をリアルタイムにエンコードしつつ、Webサイトへのデータの転送が行える。こちらはインターネットへ接続する回線に合わせて20/34/45kbpsの3種類のビットレートを選択できる。

URecSight for CastaDrive画面
URecSightでライブ配信を行うための「for CastaDrive」モード。左の画面がファインダーとしての役割を果たす。中央の縦に2列並んだ画像は画像にリアルタイムに加えられるエフェクトの選択画面だ。
URecSight for Imagestation画面
静止画やMotion JPEGでの画像を記録するときはURecSightの「for Imagestation」モードを利用する。撮影した画像を閲覧したり、直接イメージステーションへアップロードすることも可能。もちろんジョグダイヤルだけで操作できる。

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