日本ガートナーグループ(株)(以下ガートナー)は14日~16日の期間、都内において、プライベートショー「Symposium / ITxpo 2000」を開催している。初日には、米Gartner Groupの副社長兼リサーチディレクターであるCarl Claunch氏と、日本アイ・ビー・エム(株)(以下IBM)の代表取締役社長である大歳卓麻氏の基調講演が行なわれた。
B2Bのビジネスモデルは3つになる
Claunch氏は、「ITは、ビジネスの中心的な存在となった。コスト削減や自動化だけでなく、ITは収益の発生源と成りうる。早く動くことに加えて、これまで蓄積された資産や情報をうまく活用できれば、ニューエコノミーのリーダー的存在となれる」と、ドットコム企業のようなスピードと既存の資産をうまく組み合わせていくことが鍵と語った。
Carl Claunch氏 |
2000年版通信白書によると、2005年にB2B電子商取り引きの市場規模は、1999年の約7倍にあたる100兆円規模になると予想されている。Claunch氏は、そのときに残っている電子商取引のビジネスモデルは下記の3つだという。
- 決済や物流などのビジネスサービス
- もっとも安い価格を提供する商品取り引きサービス
- 企業間の情報を結ぶ統合サービス
XML、VoIPなどにはすぐに対応が必要
さまざまな新しい技術が出現してきているが、下図のレーダーチャートを見れば、それらの技術がいつ広範に普及するかわかるという。中央部分ほどだれにでも影響があり、左右に寄ると業態によって影響がある場合とない場合がある。
Technology Radar Screen (c)Gartner Group |
Claunch氏は、「見て分かるように、すぐに対応しなければならないのはXML、エンタープライズポータル、VoIPといった技術だ。もちろんそれ以外のすべても視野に入れておいてほしい。それがあなたの企業にとって、価値を生み出すものかもしれないのだから」と、どの技術にすぐ対応するべきであるかと語った。
ASPを利用するとき、将来の乗り換えも考慮
Gartnerは8月に、「現在480社ほどあるASP業者が4年以内に20社ぐらいになるだろう」というショッキングな発表を行なった。これについて同氏は、「60パーセントのASP業者は数年以内になくなる。それは戦略やビジネスプランが適切でないからだ。ASPを利用する場合、A社からB社へスイッチングを行なわなければいけない事態が起こることを覚悟しておくことも大切だ」と、ASP業者の淘汰、合併が起こっても対応できる心構えが必要であると説いた。